2月いっぱいまでテスト禁止期間が続くMotOGPですが、世界中の参戦チームの先陣を切って、ドゥカティが2019年体制のプレゼンテーションを行いました。ドゥカティのいち早いウィンタープレゼンテーションは毎年恒例ですね、いつかはスキーリゾートで発表会をやっていた時期もありましたが、今年はスイス湖畔のフィリップモリス(マールボロやラークを製造、販売するたばこブランドです)R&Dの別荘での発表。ってことはもちろん、フィリップモリスは引き続きドゥカティチームを支援している、ってことですね。
チーム名は引き続き「ドゥカティ・チーム」ですが、カウルに大きく「ミッション ウィンナウ」って入っていて、motogp.comのリリースにも、ライダーコメント欄に「Andrea Dovizioso (#04, Mission Winnow Ducati)」と入っていますから、あるいはこれがチームのメインスポンサーなのかもしれません。
ライダーは、すでに発表されているように、ドゥカティファクトリーで7年目を迎える#04アンドレア・ドビツィオーゾ(32)と、ホンダへ移籍したホルヘ・ロレンソに交代してファクトリーチーム昇格の#9ダニロ・ペトルッチ(28)。2016年までのWアンドレア時代以来、マシンもチームもライダーも、みんなイタリアンなチームですね。
チームの特徴としては、2018年シーズンまでのホルヘ×アンドレアという、いつもハラハラさせられる「どっちもエース待遇」と比べて、ペトルッチが、早々と「アンドレアのことはすごく尊敬している。素晴らしいライダーで、ライディングのことやトレーニングのことまで教えてもらっているんだ」なんて、すっかり仲のいいところをアピールしちゃうくらい、センパイとコーハイ感が漂う好ムード。
公開された2019年仕様のMotoGPマシンは、ドゥカティ・デスモセディチGP。正式車名は、この数年ずっとデスモセディチGPですが、わかりやすいようにデスモセディチGP19って呼ばれたり、表記されたりするでしょう。もちろん、まだまだ発表された段階なだけで、これが2019年シーズンを戦う仕様の姿かどうかは開幕戦までわからないんですが、2018年シーズン終盤を走ってた本番車とは少しシェイプが変わっていて、まったくのダミーってわけでもなさそうです。デスモセディチ独特のウィングは形状変更されているけど、そのほかはそうでもなさそうだし……。まぁこの辺は、どこのメーカーも開幕してみないと2019年仕様のことはわからないし、今シーズンからは、ウィング形状も1種類しか申請できないから、シーズン中の(外から見える)変更点もわからないはず。なにより、この数年続いていた白×赤なカラーリングも、ほぼ赤一色になって、その赤も色味が少し違って見えますね。
「2018年は僕にしては珍しく、好不調の波があったおかしなシーズンだった。開幕戦カタールで勝っていいスタートを切ったのに、いろいろ苦しんだし、ミスも犯したし、ポイントも獲り逃がして、最後までチャンピオン争いができなかったしね。けれど、シーズン中に大きく進化できたと思うし、今シーズンも期待してる。ダニーロがチームメイトなこともうれしいよ。僕たちは仲がいいし、コースではバトルするけれど、一緒にいいマシンを作っていけると思う」とドビツィオーゾ。
ドゥカティはこの2年、ドビツィオーゾが最後までマルク・マルケス(ホンダ)を追い詰めながら、2年連続ランキグ2位と、ワールドチャンピオンに2番目に近いメーカー。今年こそは!って気合が、どのメーカーよりも強いと思うのです。
「優勝候補はたくさんいた方がおもしろい!」って、オートバイで何度も言っていること。今年こそ、何人ものライダーが打倒・マルケスに頑張ってほしいのです。
写真/DUCATI 文責/中村浩史