幾多の名車・ヴィンテージが生まれた昭和と
技術革新でオートバイが急速に進化を遂げた平成。
しかし、もうすぐ新元号。新しい時代に突入する前に
歴史に残る名車烈伝をお送りします。
いつまでも忘れない、今でも乗りたい珠玉の名車たち。

性能は超えられても衝撃は色あせない

ナナハンから9年、Zから5年。4気筒化の遅かったヤマハには2年先んじたが、スズキが4ストビッグバイクを発売したのは、ほぼ国産メーカー最後発だった。

そのためにスズキが目指したのは、先行するライバルよりも頑丈なエンジン、軽快なハンドリング。結果、昭和51年11月に発売された初の4サイクル4気筒750㏄、GS750は一定の評価を得て、すぐに新型4バルブエンジンの開発に着手。完成したのは昭和55年、GSX750/1100Eだった。

画像: GS1000の2バルブDOHCエンジンを4バルブ1100㏄とした新TSCCエンジンはKATANA専用に小変更も受けていた。

GS1000の2バルブDOHCエンジンを4バルブ1100㏄とした新TSCCエンジンはKATANA専用に小変更も受けていた。

しかしこれが「平凡すぎるデザイン」とされ、性能の割に販売台数も伸び悩んだ。そこで頼ったのが、ハンス・ムート率いる同社。ターゲット社は、ドイツのバイク雑誌主催のデザインコンペにMVアグスタをベースとした斬新なデザインのオートバイを出展していたが、そのエッセンスを自社モデルに注入したい、というのがスズキの願いだった。

ターゲット社は日本刀をはじめとする日本文化をイメージしてデザイン。スズキ側は、バイクの機能を妨げない限り、デザインに口を出さない、と約束。完成したのがGSX1100Sカタナだ。

カタナは、それまで10%ほどだったヨーロッパ市場のスズキのシェアを、一気に30%近くまで押し上げた。

誕生して35年以上。カタナより速い、ハンドリングのいいバイクはたくさん登場したが、カタナを超える衝撃のモデルは、いまだ存在しない。

PHOTO:松川 忍

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