ド迫力の個性に、破壊力バツグンの加速力！
その全てが手の内に！
街乗りでは使用することはなかったが、電子制御のアイテムの中に「ドゥカティ・パワー・ローンチシステム」を搭載。これは、システムを発動している時は、アクセラレーターを全開状態にして、ぶん回るエンジン回転数は関係なくあとはクラッチを繋ぐだけで、リアタイヤを空転させることなく（路面状況に応じて）最適且つ強力な加速力が得られるというのだ。もう、このシステムを搭載している時点で、ドラッグスタートに対応していると、単純に思ってしまうのもてんで的外れではなかったのかと。そんなド加速モンスターをシート一点でホールド出来るものなか？ と、当然疑問に思うのだが、それが大正解！ ある意味手や足で踏ん張る、もしくはしがみつく必要が一切なく、ドカッと身体をホールド……キャッチというべきか？ とにかくシートに身体を１００％預けられるので、手足が力まないので、ド加速の中でも健全なコントロール空間が得られるのだ。
シートの材質で強力なグリップ力発揮していたレーシングマシンについて、シートの話しだけで異様に盛り上がった事を思い出したが、それ以上、私至上最も素敵なシートであると絶賛したい！ その凝った形状のシートは、なにも加速時にのみ効果を発揮するのではなく、街を流している時の微弱な過減速でも身体の前後のズレを保持し続けてくれる。なので、ワイルドな乗車姿勢であっても、意外と手足の疲労が少なかった。むしろ、長時間乗れば乗る程、身体との一体感（最初に座った時点で合体感があったが）がましていくの如実に感じることが出来た。
という事は、ロングランもハイウエイ走行も苦にならないということで、ある意味快適なクルージングが可能と。これが、ドゥカティが提唱する「クルーザーの世界」なのかと感嘆してしまった！ さらに、スタンダード状態でステップ位置やハンドル角度が変更なので、自分好みにアジャスト可能なのだ。しかも、オプションでコントロールパーツの豊富なので、よりシビアにセッティングが出来るというもの。せっかくなら、ピッタリ自分の身体に合わせたいものだ。
最後に、強力なトルクと加速力を発揮するエンジンは、電子制御の介入を出来る限り減らせば使い越すのも難儀するほど暴力的に。ある意味、大きな魅力なのだが……。しかし、素直に気持ち良く走りたかったら。シチュエーションにあった走行モード（スポーツ、ツーリング、アーバン）を積極的活用してLツインの芳醇なパンチ力を堪能して頂きたい！
シートはクルーザーらしい鞍を思わせる形状で、2種類の表皮を組み合わせた上質な仕上げ。シート高は標準では755mmだが、オプションとして用意されているハイシート、ローシートを選択することも可能。
インナーチューブ径φ50mmの倒立フォークはフルアジャスタブルが可能なマルゾッキ製で、インナーチューブには動作性を高めるためにDLCコーティングが施されている。フロントブレーキキャリパーにはブレンボ製のモノブロック構造を採用したM50を装着。
XディアベルSのリアサスは、パニガーレのようなアッパーリンク構造を採用。装着されるユニットはザックス製で、プリロードと伸び側減衰力の調整が可能なものだ。
XディアベルSもスイングアームにはスーパースポーツを想わせる片持ちタイプを採用する。印象的なデザインのホイールは、スタンダードなXディアベルとSで異なるデザインとされ、日本のホイールメーカーであるエンケイによって製造されている。
ハンドルクランプの直下にマウントされる、コンパクトなサイズでシンプルなデザインの液晶メーターパネル。速度やエンジン回転数、走行距離、燃料残量といったライディングに欠かせない基本的な情報のほかにも、ライデイングモードやトラクションコントロールのモード設定をはじめとした、さまざまな情報を表示することが可能。ハンドルバーを挟んで上部には、各種のインジケーター類がまとめて配置されている。
X DIAVEL S
価格：2,740,000円（税込）
■エンジン：水冷4ストロークL型2気筒DOHC4バルブ ■ボア× ストローク（排気量）：106×71.5mm（1262cc）■最高出力：152ps/9500rpm ■最大トルク：12.8kgm/5000rpm ■ミッション：6速リターン ■全長× 全幅×全高：N.A×N.A×N.Amm ■ホイールベース：1615mm ■シート高：755mm ■車両重量：247kg ■燃料タンク容量：18L■タイヤ前･後：120/70ZR17・240/45ZR17 ■価格：274万円〜278万円
撮影／柴田直行 解説／小松信夫 文／編集部
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GOGGLE2018年8月号
体裁：A4変型・平綴じ
販売価格：1,200円（税込）
