前後足周りを大幅にグレードアップ
2013年にデビューしたMT-09は、独特なフィーリングと力強さを合わせ持つ845cc水冷並列3気筒エンジンと、モタードとロードスポーツを融合させたような個性的なスタイルとディメンションを与えられた車体が特徴。個性的なハイパー・ネイキッドとして一躍注目され、以後幅広く展開されることになるMTシリーズの先駆けともなったモデルだ。2017年に初めてフルモデルチェンジを受け、スタイリングをリファインするとともにメカニズムの完成度をアップ。そして先日EICMAで発表された2018年モデルでは、新たに上級モデルとしてMT-09SPが追加設定されている。
MT-09SPの最大の特徴は、俊敏なハンドリングにさらに磨きをかけるために前後サスペンションを大幅にグレードアップしていること。リアサスペンションはリモートアジャスター付のオーリンズ製ユニットに変更されていて、オプションとしてレートの異なるスプリングまで用意。フロントフォークはスタンダードモデルと同じくKYB製だが、スタンダードモデルでは片側のフォークが伸び側、もう一方のフォークが圧側の減衰力をセッティングできるセパレートタイプの調整機能だったものが、SPには両側のフォークにそれぞれ伸び側、圧側の減衰力調整機能を備えていて、より精密なセッティングを行えるようになった。これらの変更によって、乗り手の好みや用途、路面などの状況に応じてより細かなサスペンションセッティングをできるようになった。
スタイリング自体はSPもスタンダードなMT-09も基本的に同じだが、カラーリングにはシリーズのフラッグシップであるMT-10SPと共通したプレミアムなイメージのシルバー☓ブルーを組み合わせたデザインを採用、ホイールやシートのステッチまでブルーにされている。さらに高級感を高めるために、ハンドルバーやハンドルクラウン、左右のレバーなどをブラックで統一。コンパクトな液晶メーターは、視認性に優れた液晶を採用した洗練されたデザインだ。
なお、現時点ではMT-09SPが日本国内に導入されるかは未定となっている。