こんにちは! ツインリンクもてぎで開催中の日本グランプリに来ております。
ライターの齋藤ハルコです。
今年は初日からあいにくの雨模様が続いておりますが、ライダーやチームが頑張っているのと同様、その裏側ではレースを支えるたくさんのメーカーさん、スタッフさんが奮闘されています。
そんな裏方さんの活躍を、ちょこっと紹介しますね。
まずは、ライダーにとって“第2の肌”とも言える、レーシングスーツをサポートしているRSタイチさんのテクニカルサポートブースです。
今年のRSタイチは、日本グランプリに参戦しているライダー5名(レギュラー4名、ワイルドカード1名)をサポートしています。
ブースでは、転倒時などにダメージを受けたスーツの修理したり、雨で濡れたスーツの乾燥、その後必要に応じた革への給油など、さまざまなメンテナンスを随時行なっています。
ライダーからの依頼に迅速に対応するのはもちろん、モニター映像でサポートライダー達の走りはつねにチェック。セッションごとにライダーの元にこちらから出向いて、着用時のインプレッションを確認して情報を共有、ニースライダーなどの消耗品類が足りているか確認するなど、次の走行が快適になるように様々な心配りをしています。
今年の日本グランプリのようにウェットコンディションだと、転倒の心配も増えるのでは?
そう聞いてみると、「じつは、ウェットコンディションだからって転倒率が極端に上がるわけでもないんです。ドライでもウェットでも、ライダーたちがギリギリまで攻めた走りをする事に変わりない。転ぶ時は転びます(笑)。それに雨の時は路面のμ(摩擦係数)も低いですし、レインスーツを着ている事も多いので、レーシングスーツのダメージは意外と軽く済むことが多いんです。ドライコンディションで激しい転倒をした時のスーツのダメージの方が、よほど大掛かりになったりしますね」と教えてくれました。
セッション中は、モニターを観ながら「転倒してくれるな」と祈るばかり。
それはスーツがダメージを受けることが心配と言うよりも、ライダーの身体が無事であることを願う気持ちが大きいそうです。
なのでアクシデントの際は、「まずライダーにケガがないかが気になる。無事だという報せを聞くまでハラハラしてますね。レースに関わる人間は、みんなそうだと思う。選手のことは、ある意味家族みたいに感じています」とのこと。
確かに、ライダーの身体のサイズはもちろん、好みや走りのクセなどいろんなことを知らなくてはできないお仕事。選手に親身になってしまうのも当然なのでしょう。
実際、ウエアやブーツのケアをする以外にも、走り方のアドバイスを求められたり、タイヤ選択の意見を求められたり、時には人生相談も受けたり……と、選手と身内のように深い話をする仲になることも多いそうです。
レーシングスーツなどの装具は、ライダーのむき出しの身体を守るもの。
製品として信頼できるのはもちろん、そこに関わるスタッフさんも、多くのライダーから信頼を受ける頼もしき存在なんですね!
(text&素人写真 齋藤ハルコ)