1月にTシャツで御殿場ツーリング?

82年に発売されたCX500ターボをオートバイ編集部で所有していた時期がある。最初は編集部員や外部スタッフがターボに対する興味で代わる代わる乗ってたけど、実のところたいして速くもないし、重いし、希少車だからイタズラや盗難も心配。結局、車庫の隅っこに鎮座していることが多かった。

で、何かの用事で真冬に乗ったんだけど、不思議なことに少しも寒くない。大きなフロントカウルと張り出し量の大きなサイドカウルの防風性能が驚異的に高くて、寒風がまったく体に当たらないんだ。

編集部に戻って「CXターボなら真冬にTシャツ一枚でも平気だよ」って言ったけど誰も信じない。そこで1月のある日、東京から東名高速で御殿場まで行く取材車と一緒に走ってみせました。上は半袖Tシャツ1枚に軍手、下はジーンズにスニーカーという軽装でね。事情を知らない一般車の人たちはみんな驚いてたなあ。なんたって外気温3℃で小雪がちらつく中、半袖Tシャツをはためかせつつ走ってるんだから。実は走っている限り走行風が当たらないし、エンジンとラジエターから出る熱がヒーター代わりになるのでライダーは全然平気なんだけど。ただしパーキングで止まったらメチャ寒かった。 

その代わり夏場の渋滞路ではストーブを抱いたまま布団にくるまっているような暑さ。走っても走行風が当たらないから、正真正銘の灼熱地獄で汗ダラダラ。今でもCXターボと聞くと、ターボチャージャーのフィーリング以前に圧倒的な防風性能と暑かったことを思い出します。

画像: HONDA CX500 TURBO 国産量産2輪車としては、初のターボ車。最高出力はターボ化によりノーマルCX500の2倍近い82PSとなっていた。

HONDA CX500 TURBO
国産量産2輪車としては、初のターボ車。最高出力はターボ化によりノーマルCX500の2倍近い82PSとなっていた。

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