ダンロップ・オートバイ杯ジムカーナ第4戦が、9月18日に茨城県下妻市の筑波サーキット・ジムカーナ場で行われ、各地から集った全6クラス合計110台が競技に参加した。
オートバイ杯としては久しぶりに天候は朝から雨になってしまったこの日。時おり雨脚が止まることはあるものの一日中断続的に雨は降り続き、気温もあまり上がらなかったこともあって路面は終始完全なウエット状態。しかも筑波開催になってからのここまでの2戦、今までウォームアップ走行用スペースとしていた場所を今回初めてコースに採用したため、ウェットでの路面状態は誰にも分からないという、非常に難しい状況での大会となった。
しかし、ウエットコンディションも初めての路面もものともせず、今回のトップタイムをマークしたのがA級・池田選手&NSR250R。接戦となった第1ヒートでは大瀧選手を0.004秒という僅差で抑える1分41秒221をマークし暫定トップ。さらに第2ヒートでは持ち前のクリーンな走りでさらに限界に迫り、1分39秒263までタイムを削りとってトップの座をキープし、第2戦に続く今シーズン2勝目をゲット。「いつも走ってるのと近い感覚で走れた、というだけなんですけどね」とコメントしていた。
そしてこの日、優勝した池田選手以上に会場を沸かせていたのが、辻家選手&GSX-R1000だった。その大きなパワーと重い車重がウエットでは不利なSB級(700cc以上)に該当するマシンに乗っていながら、同じA級の作田選手をして「信じられない」という豪快な開けっぷりと鋭い飛び込みでギャラリーの度肝を抜き、第1ヒートでは1分41秒605で暫定3位! 第2ヒートでもその勢いは変わらず1分39秒717までタイムを短縮。池田選手に逆転されたもののそれでも2位、SB級では文句なしのクラス優勝。「雨はタイヤが減らないからよく練習するんで、ウエットは得意なんです」と、笑いながらコメント。
「雨だから無理しないでポイントを拾えればいいや、と思ってた」というが、それでもベテランらしい安定感を発揮、1分40秒036をマークして3位に入ったのは作田選手&MT-07。開幕以来ここまで4戦で2位1回、3位3回と安定した成績をキープ。今回もフロントフォークの仕様変更など、MT-07の開発を進めていることも、その速さにつながっているようだ。
オートバイ杯のレギュレーション上、12インチホイールのミニバイクはレース用レインタイヤを使えるため、ミニバイク勢にとって雨は大きなチャンス。角谷選手&NSR80改も雨の2013年第5戦以来となる2度目の優勝を狙ったが、第1ヒートは驚異的なペースで走りながら最後に転倒(それでも1分45秒台!)、第2ヒートは逆に本人も「大事に行き過ぎました」というように不発、1分40秒105で4位。
開幕戦での優勝以来、今ひとつ流れに乗れていない冨永選手&NSR250Rは1分40秒227で5位。6位の大瀧選手&690デュークは、第1ヒートで池田選手に僅差で迫る暫定2位。逆転を狙った第2ヒートでは攻めきれずに1分40秒947止まりで6位に終わった。
この日のA級上位10台の結果は以下の通り。
1位 池田秀一 NSR250R 1'39.263
2位 辻家治彦 GSX-R1000 1'39.717
3位 作田隆義 MT-07 1'40.036
4位 角谷岳志 NSR80改 1'40.105
5位 冨永崇史 NSR250R 1'40.227
6位 大瀧豊明 690DUKE 1'40.847
7位 廣瀬 章 NSR250R 1'41.909
8位 吉野 昇 CRF450X 1'42.915
9位 矢嶋 尊 NSR250R 1'42.238
10位 早川耕平 DR-Z400SM 1'43.207
第4戦終了時でのポイントランキングは、今シーズン未勝利ながら全戦3位以内で来た作田選手が62ポイントでトップ。今回優勝の池田選手は開幕戦でのノーポイントを挽回、57ポイントまでポイントを積み上げて2位。前戦までランキングトップだった吉野選手は今回8位、56ポイントで3位に後退。これに続く4位が53ポイントの冨永選手、やや離れて41ポイントの大瀧選手が5位。今シーズン残りの大会は10月10日の“ジムカーナJAPAN”と10月30日の第5戦の2戦、シリーズチャンピオンの権利はこの5人に絞られたと言えそうだ。
オートバイ杯ジムカーナ第4戦のレポートは月刊オートバイ誌上に掲載予定。全クラスリザルトをはじめ、各地のジムカーナイベント日程といった二輪ジムカーナ関連の情報は、JAGE(二輪ジムカーナ主催者団体協議会)のホームページで確認を。