まとめ:八橋秀行
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“建設現場の脱炭素化”に向けた官民共同の取り組み
今回の試みは2050年までにCO2排出量の実質ゼロを目指す「ゼロエミッション東京」を掲げる東京都の公募事業の一環として実施されたもの。建設現場における低炭素化・脱炭素の推進および作業環境改革を図るものだ。

Torch Tower完成予想図。2028年の竣工後には日本一の高さになる建物だ。
実施に当たっては三菱地所株式会社、株式会社三菱地所設計および清水建設株式会社協力のもと、東京都、ホンダ、株式会社カナモトが連携。東京都日本橋口前にて建設中の「Torch Tower」にて、モバイルパワーパックを活用した建設機械のバッテリー共用化に取り組む試みだ。
モバイルパワーパックを使って建設機材の電源を共用化!

Honda Mobile Power Pack e:
global.honda「Honda Mobile Power Pack e:」はホンダが開発した交換・着脱式の可搬リチウムイオンバッテリー。複数製品で共通利用が可能な他、専用のバッテリー交換ステーション「Gachaco」を使った手軽な交換ができるのが特徴。現在は同社製の電動モビリティや充電・給電器等に活用されている。

小型建機や投光器、自走式台車、高圧洗浄機など、モバイルパワーパックを搭載した製品は拡大を続けている。
今回の実証事業では、実際の建設現場で使用される高圧洗浄機・投光器などの建設機材、ポータブル電源、EVバイクなど、さまざまな電動機器間でモバイルパワーパックを共用する試みだ。

交換式バッテリーで動く冷温蔵庫をEVバイクに搭載し、現場で働く作業員へ飲み物を届ける用途にも活用される。夏は冷たい飲料や保冷剤、冬は温かい飲料をタイムリーに輸送し、現場の快適性向上や健康管理に役立てられる。※写真は本案件で導入される「GYRO CANOPY e:」

交換式バッテリーで動く冷温蔵庫をEVバイクに搭載し、現場で働く作業員へ飲み物を届ける用途にも活用される。夏は冷たい飲料や保冷剤、冬は温かい飲料をタイムリーに輸送し、現場の快適性向上や健康管理に役立てられる。※写真は本案件で導入される「GYRO CANOPY e:」
電源リソースを従来の化石燃料からバッテリーへ換装することで、CO2削減などの環境配慮はもちろん、現場環境の劇的な改善も期待できる。
さらに有線配線(仮設コード)の削減により、足元の安全確保や作業効率の向上を実現。燃料を使用する発電機を使わないことで排ガスや騒音、振動を抑え、作業員を保護するねらいもある。
今回実際の建設現場で使用することで、給電スペースから実際の作業場所までのバッテリー搬送、移動の手間など、現場作業員からのリアルなフィードバックを吸い上げる目的もあるようだ。
建設現場における「バッテリー共用化」のモデルケースとして検証

今回の実証事業では建設現場にてモバイルパワーパック計74個を配備。充電スタンドとして4口タイプ×7台、8口タイプ×2台を設置し、常に満充電に近い状態の予備を充電所に確保する。残りは現場の各機器(小型バイブレーターや照明、パワーカート等)に装着・稼働させているようだ。
ちなみに、配備されるモバイルパワーパック74個の消費電力が、建設現場全体の消費電力に対しての割合は全体の1%未満にとどまるという。また、導入コストに関しても初期コスト(バッテリー代・本体代)は従来のエンジン式より高いという課題もある。
現状では多くの課題が残るものの、今回の取り組みは脱炭素化に向けた貴重な第一歩となる。今後、油圧ショベルや工事用エレベーターなど多様な機器で電動化やバッテリーの普及が進めば、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた大きな前進となるはずだ。
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