まとめ:松本正雅
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ホンダ「V3R 900 E-Compressor Prototype」の概要

HONDA
V3R 900 E-Compressor Prototype
EICMA2025(ミラノショー)参考出品車
900ccで1200cc級の加速を実現した革新V3エンジン!
V3エンジン+電動過給で話題となった、昨年登場した「ICEコンセプト」の発展版とも言える「V3R 900 E-Compressor Prototype」。開発テーマは「Non-Rail Roller Coaster(レールのないジェットコースター)」という刺激的なもの。「スリルと安心」という二面性を両立し、ホンダが掲げる2030年ビジョン「自由で楽しい移動の喜び(Joy of free and fun mobility)」を具現化する新時代の提案モデルだ。








インパクトあるスタイリングは、非対称サイドカウルが特徴的な未来志向のフォルム。タンクには新しい「Honda Flagship WING(ホンダ・フラッグシップウイング)」エンブレムが装着されており、これは来年以降、ホンダの上級モデルに順次採用される予定だ。


コンパクトながら力強さを感じさせるボディシルエットは、走行時の空力効率とエンジン冷却性の両立を意識した造形となっており、“テクノロジーと情熱の融合”というホンダの設計哲学を体現している。




エンジンはDOHCのV型3気筒。前年のEICMAで発表された75度水冷V3エンジンをベースに排気量を900ccに拡大しており、これに世界初の電子制御コンプレッサー(E-Compressor)を採用している。
排気圧でタービンを回すターボとも、エンジンのクランク軸から動力を取り出すスーパーチャージャーとも異なる完全電動式で、これによりブースト圧を電子的に緻密制御することが可能となり、低回転域から即応する高トルクを発生。排気量900ccながら1200ccクラスに匹敵するパフォーマンスを発揮し、同時に環境効率の向上も達成している。
ホンダによれば、電子制御によるブースト管理は「従来のメカニカルスーパーチャージャーでは不可能だった緻密なレスポンス制御」を実現し、滑らかなトルクの立ち上がりとアクセル操作への忠実な追従性を両立。次世代の過給技術として今後の量産化も視野に入る重要な一歩だという。早く実車に乗ってみたい、衝撃のメカニズムだ。




車体はトレリスフレームを採用し、コンパクトでスリムなサイズを実現。ハンドルバーはワイドで、ストリートファイター的なクイックなフットワークが期待できそう。フロントフォークはショーワ製SFF-BP、リアサスはプロアームを装備し、タイヤはミシュランのパワー2。サイズは前120/70ZR17、後200/55ZR17で、リアが若干ワイドな設定だ。

ホンダ「V3R 900 E-Compressor Prototype」は、ホンダがこれまで培ってきたモーターサイクル開発技術と最新電子制御技術の融合によって生まれた、まさしく次世代のスポーツバイク。このプロトタイプは、将来的な市販モデルの方向性を示唆するだけでなく、ホンダが掲げる「電動化・知能化・環境性能の向上」というテーマを貫く象徴的存在でもある。
スリルと安心、そして所有する喜びを高次元で融合させた新しいホンダの挑戦が、ここから始まる。今後の展開から目が離せない「期待の星」の誕生だ。
ホンダ「V3R 900 E-Compressor Prototype」の動画・写真
2026 V3R 900 E-Compressor Prototype | Honda Motorcycles
www.youtube.com
				
				



