写真:南 孝幸、赤松 孝/まとめ:松本正雅
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スズキ「e-VanVan」の概要

SUZUKI
e-VanVan
ジャパンモビリティショー2025参考出品車
「EVになってもバイクに乗る楽しさ、操るワクワク感を感じたいというお客様の願いを叶えるコンセプトモデル」という開発スローガンを掲げて登場したスズキの「e-VanVan」。原付二種相当のBEV(バッテリーEV)だ。




スタイリングモチーフは1970年代にレジャーバイクとして大人気だった「VanVan」。全長1810mm、全幅825mm、全高1050mmと、車格は原付二種より少し大柄。独創的なスタイリングとデジタルテーマのユニークなカラー&グラフィックで先進性を表現、EVながら愛らしいファンバイクとして仕立てられている。





往年の「VanVan」はバルーンタイヤと呼ばれるファットなタイヤを前後に沿うch額していたが、この「e-VanVan」では前後12インチのブロックタイヤを装着。サイズは前後とも130/80-12で、タイヤはダンロップ製。リアサスペンションはイニシャル調整機構付きの2本ショックで、ブレーキは前後ディスクを採用。後輪の駆動はモーターからチェーンを介して行なう方式としている。




ライディングポジションはアップライトで、着座位置の自由度が高いシートのおかげでライダーの体格を選ばないため、幅広い層のユーザーが扱いやすい設定。ミラーはGSX-8Tのバーエンドミラーを加工して装着、バッテリー上部に配したサイドカバーはかつての「VanVan」のマフラーカバーをイメージするなど、開発チームの遊び心が感じられる意匠となっている。

時代がEV中心になっても、バイクに乗る楽しさは忘れない。そんなスズキの想いが詰まった「e-VanVan」。新しい楽しみを広げてくれる新時代の電動ファンバイクの今後に期待したい。
スズキ「e-VanVan」開発者に聞く

斉藤航平氏(左、デザイナー)大谷慎哉氏(右、商品企画)
「EV、というと実用的なスクータータイプを連想しがちな方も多いと思いますが、e-VanVanは“遊びのバイク”をテーマに、EVでも“FUN”を追求したコンセプトモデルです。ブルドッグみたいな愛らしいフォルムである一方で、所有感を満たしてくれるカッコよさにもこだわり、EVのモーターサイクルのあるべきカタチを考えて開発しています。
かつてのVanVanの特徴のひとつが幅広のハンドルとファットなバルーンタイヤですが、近年のタイヤにはああいった特殊なサイズがないため、かつてのイメージを再現するのに苦労しました。12インチですが太めのブロックタイヤをチョイスして、前後ホイールをあえてディッシュタイプにしたことで、足元のゴツい感じを表現し、当時の雰囲気に近づけているのもポイントのひとつです。
細部のパーツにもこだわっています。かつてのVanVanのエキパイカバーだった位置にサイドカバーを配置したり、バックミラーにはGSX-8Tのバーエンドミラーを加工して装着したりと、細かいところも工夫しています。当時のVanVanを知らない方にも、どこか懐かしい雰囲気を感じてもらえるように仕上げています。
e-VanVanは近場のお出かけでも気軽に乗って行きたくなるようなEVモーターサイクルです。おしゃれなスタイリングなので、このモデルが若年層の方にもバイクに乗るきっかけとなってくれたら嬉しいですね」
スズキ「e-VanVan」の動画・写真
JAPAN MOBILITY SHOW 2025 スズキ プレスブリーフィング
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