写真:赤松 孝、Honda/まとめ:松本正雅
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ホンダ「EV Outlier Concept」の概要

HONDA
EV Outlier Concept
ジャパンモビリティショー2025参考出品車(コンセプトモデル)
2024年のEICMA(ミラノショー)で公開された「EV FUN Concept」「EV URBAN Concept」の流れを汲みながら、さらに未来を見据えた次世代EVバイクの提案として登場した「EV Outlier Concept」。車名の「Outlier(アウトライヤー)」は“枠にとらわれない存在”を意味しており、既存の概念にとらわれない「驚きと感動を生むEV体験」をライダーに提供する新感覚クルーザーだ。


スタイリングのデザインテーマは「EV FUN Concept」「EV URBAN Concept」と同様に、「Precision of Intrinsic Design(研ぎ澄まされた本質的なデザイン)」を基盤としたもの。余分な装飾を排し、研ぎ澄まされた機能から生まれる必然的な美しさを追求している。



この「EV Outlier Concept」では誰も経験したことのない走行体験を創出するため「Gliding」「Ecstasy」「Low」という3つのキーワードを設定。「Gliding」ではEVならではのスムーズな駆動力と静粛性を活かした“滑空感のある走り”を表現。加減速や旋回の挙動が極めて滑らかで、まるで地面をグライドするかのような静的なライディングフィールを追求している。
「Ecstasy」は、モーター駆動による即応性と圧倒的なトルクがもたらすエモーショナルな走りのこと。駆動方式は前後のインホイールモーターによる2輪駆動で、この前後モーターを状況に応じて自在に制御し、人とマシンが一体化したような高揚感を生み出している。
そして「Low」は“ダイナミック&ローポジション”。バッテリーをシート下に置かず、あえて車体下部に沿わせるようなレイアウトとしてライダーを低い位置に置くことで、通常では体験できない迫力と新鮮なライディングフィールを追求。
シートのヒップポイントも大幅に下げ、ホンダ車史上最も低いシート高を実現。アイポイントを極限まで低く設定し、従来のバイクでは得られなかった“爽快な視界”と“圧倒的な加速感”を両立している。また、フロントサスペンションにはゴールドウイングにも採用されているダブルウィッシュボーン式を採用している。
メーターまわりやシートの造詣も革新的。薄型・ワイドレイアウトのメーターとカメラ式ミラーを採用、車体のバンク角などを直感的に表示する「GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)」を搭載。車体のバンク角などを直感的に表示し“滑空感のある走り”を視覚的にも体験できる。
また、走行モードの切り替えに合わせ、前後モーターの出力特性がリアルタイムに変化し、EVならではのダイナミックな走りを可能にしている。これにあわせてシートはホールド性の高いバケットタイプとして、モーターの瞬発的な加速をしっかりと受け止めると同時に、腰を軸にコーナーを駆け抜ける新しい操作感を実現する。

固定概念を捨て去った斬新なスタイリングと、EVだからこそ実現可能な道のライディングフィール。2030年以降の上市を目指すという「EV Outlier Concept」は、今後のHonda電動二輪の方向性を強く印象づけ、EV時代におけるモーターサイクルの新たな可能性を示す1台である。
ホンダ「EV Outlier Concept」開発者に聞く

堤 裕也氏(左、LPL)、横山悠一氏(右、デザイナー)
「このEV Outlier Conceptでは『電動だからこそ可能な、未知の走る喜び』を追求したコンセプトモデルです。車体レイアウトの自由度が高いEVのメリットを最大限生かして低いフォルムを実現していますし、グライディング、エクスタシー、ローという3つのテーマを掲げ、まるで地面を滑空しているかのような滑らかさと、ライダーの脳とスロットルが直結されているかのような、自由自在な加速感が味わえる走りを獲得しています。
フロントのダブルウイッシュボーンサスは滑空するようなフィーリングの乗り味と低いプロポーションを実現するのに最適だったので採用しました。スタイリングも、今までの既成概念に囚われない新しいカタチにこだわって、既存のバイクとはまったく違うデザインとしています。ぜひ会場で、生でご覧いただいて、驚きと感動を体感していただけたら嬉しいです」
ホンダ「EV Outlier Concept」の動画・写真
EV OUTLIER CONCEPT
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