監修者:岡本修(Webライター)
大学時代から大型バイクに乗っていて、日常使いはもちろん、ツーリングやサーキット走行まで楽しんでいる。ジャケットやグローブといったギアを集めるのも好きで、時間があれば最新商品をチェックしている。
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愛車の性能と寿命を守るための必需品「チェーンメンテナンスセット」
バイクのチェーンは、エンジンのパワーを後輪に伝える、まさにバイクの心臓部ともいえる重要なパーツです。しかし、走行中は常に外のホコリや水分に晒されており、汚れがたまりやすいので、定期的なメンテナンスが不可欠です。メンテナンスを怠ると、チェーンが錆びついたり、摩耗が進んだりして、本来の性能を発揮できなくなるだけでなく、最悪の場合、走行中にチェーンが切れてしまうといった重大な事故につながる危険性もあります。
しかし、チェーンのメンテナンスは、初心者の方にとっては難しく、ハードルが高い作業だと感じられるかもしれません。そこで活躍するのが、必要な道具が一つにまとまったチェーンメンテナンスセットです。これがあれば、誰でも手軽に、そして確実に愛車のチェーンを良い状態に保つことができます。
この記事では、チェーンメンテナンスの重要性から、初心者でも失敗しないメンテナンスセットの選び方、そして正しいメンテナンスのTIPSまで、徹底的に解説します。この記事を参考に、あなたも今日からチェーンメンテナンスを始めて、愛車の性能と寿命を最大限に引き出しましょう。
なぜチェーンメンテナンスは重要なのか?基本の作業を理解する
チェーンのメンテナンスがなぜ重要なのかを理解することは、その作業のモチベーションを維持する上で大切です。チェーンを良好な状態に保つことは、単に見た目をきれいにするだけでなく、バイクの走行性能、安全性、そして燃費にも直結します。

チェーンメンテナンスが重要な理由:安全性
チェーンが錆びたり、摩耗したりすると、強度が低下し、走行中にチェーンが切れるリスクが高まります。特に高速走行中にチェーンが切れると、後輪がロックして転倒する危険があるため、定期的なメンテナンスは安全のために欠かせません。
チェーンメンテナンスが重要な理由:チェーンの寿命の延長
チェーンは、適切なメンテナンスをすることで、本来の性能を長く維持できます。清掃と注油を怠ると、摩耗が通常より早く進み、高価なチェーンやスプロケットの交換時期が早まってしまいます。
チェーンメンテナンスが重要な理由:走行性能の維持
チェーンが汚れて抵抗が大きくなると、エンジンの力が効率的に後輪に伝わらなくなります。適切なメンテナンスで常にスムーズな状態を保つことで、本来の加速性能やレスポンスを維持し、快適なライディングを楽しむことができます。
チェーンメンテナンスが重要な理由:燃費の向上
チェーンの抵抗は燃費にも影響します。抵抗の大きい汚れたチェーンと、スムーズに動くメンテナンスされたチェーンでは、燃費にも差が出ることがあります。経済的なバイクライフのためにも、メンテナンスは重要です。
チェーンがスムーズに動くように表面にはオイルが塗られています。しかし、そのオイルにホコリやゴミが付着しやすくなっていることから、定期的なメンテナンスが必要です。また、チェーンとスプロケットが交差するときに、どうしても摩耗が発生してしまいます。摩耗したまま走行すると、チェーンが切れてしまったり、外れてしまったりすることがあるので、バイクに乗る前に必ず点検しましょう。
チェーンメンテナンスセットを選ぶ際のポイント
チェーンメンテナンスを始めるにあたり、どのようなセットを選べば良いか迷う方も多いでしょう。必要な道具が揃っているだけでなく、愛車に合った製品を選ぶことが大切です。

クリーナーとルブの組み合わせ
チェーンメンテナンスセットの核心は、チェーンクリーナーとチェーンルブの組み合わせです。 それぞれの役割を理解しましょう。
クリーナー
チェーンに付着した汚れを効率的に分解し、落とすためのものです。泡で汚れを浮かすフォームタイプや、浸透性の高い液体タイプなどがあります。どちらもOリング(チェーン内部の密閉部品)を傷めない成分でできているかを確認しましょう。
ルブ
チェーンの動きをスムーズにし、保護するための潤滑剤です。粘度の低いサラサラとしたドライタイプと、粘度が高く飛び散りにくいウェットタイプ、そして中間的なセミウェットタイプがあります。ドライタイプは砂やホコリを寄せ付けにくい反面、持続性が低めです。ウェットタイプは持続性が高い反面、飛び散りやすい傾向があります。自分のライディング環境に合わせて選びましょう。
ブラシの種類と形状
また、チェーンの汚れを落とすには、専用のブラシが不可欠です。
チェーン専用ブラシ
チェーンのリンク一つ一つにフィットするU字型やL字型のブラシは、効率的に汚れをかき出すことができます。硬すぎるブラシはOリングを傷める可能性があるため、適度な硬さのものを選びましょう
一般的なブラシ
セットによっては、チェーンだけでなくスプロケットやホイールの汚れも落とせるよう、様々な形状のブラシが付属しているものもあります。
その他付属ツールの有無
チェーンメンテナンスセットには、クリーナーとルブ、ブラシ以外にも、あると便利なツールが付属していることがあります。
ウエス
古い油汚れや余分なルブを拭き取るために、ウエスやマイクロファイバークロスがあると便利です。
チェーンスタンド
後輪を浮かせてチェーンを回しながら作業するためのスタンドです。これが付属していれば、作業の安全性が格段に向上します。スタンドがない場合は、センタースタンドを活用するか、メンテナンススタンドを別途用意しましょう。
メーカーの信頼性
バイク用品を専門に扱う国内メーカーの製品は、日本の環境やバイクの特性を考慮して開発されているため、安心して使用できます。特に初めてチェーンメンテナンスを行う方には、実績のあるメーカーの製品を選ぶことをおすすめしますします。
【監修者の一言】さまざまなメーカーからオイル、チェーンルブ、メンテナンスセットが販売されていますが、メーカーや商品によって品質に差があります。チェーンはバイクの中で非常に重要な部品であることから、できるだけ信頼できるメーカーの商品を選ぶことをおすすめします。
おすすめチェーンメンテナンスセット8選
ここからは、おすすめのチェーンメンテナンスセットを8種ご紹介していきましょう。
アールケー RK純正メンテナンスセット
アールケーの純正チェーンメンテナンスセットです。バイクチェーン専門メーカーとして知られるRKが、最適なパフォーマンスを追求して開発した製品です。セットにはチェーンクリーンとチェーンルブの2本が含まれており、チェーンの洗浄から潤滑までをトータルでケアできます。チェーンクリーンは、シールチェーンにも使用できる低刺激タイプで、頑固な油汚れをしっかりと落とします。
一方、チェーンルブは高浸透性で、チェーン内部のピンやブッシュまでしっかり潤滑。また、独自の密着力で飛散しにくく、長期間にわたる潤滑効果と防錆効果を発揮します。

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大同工業 オートバイ・自転車用 チェーンルーブ&クリーナーセット
大同工業のチェーンルーブ&クリーナーセットです。チェーン専門メーカーであるD.I.D(ダイドー)が提供する、チェーンメンテナンスに必要な2つのアイテムがセットになっています。チェーンルーブは、熱に反応して自己潤滑皮膜を形成する有機モリブデンを配合し、優れた潤滑性と防錆効果を発揮します。ポリマー配合により高い粘着力を持ち、飛び散りにくいのが特長です。
また、チェーンクリーナーはシールチェーンに対応しており、高い洗浄力で頑固な汚れをしっかり落とします。いずれも環境にやさしいノンフロン・ノンエタン仕様です。

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デイトナ チェーンメンテナンスセット 96412
デイトナのチェーンメンテナンスセットです。チェーンの清掃から注油まで必要なものがすべて揃った、初心者にもおすすめのオールインワンキットです。セットにはチェーンクリーナー420ml、チェーンルブ220ml、そして便利な簡単ブラシが1本含まれています。
チェーンルブは塗布後30分ほどでグリス状に変化し、走行時の飛び散りを防いでくれるのが特長です。また、シールチェーンにも使用可能で、パッケージには分かりやすいメンテナンス方法の取扱説明書が記載されているため、初めての方でも安心して作業を行うことができます。

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ワコーズ チェーンクリーナー 330ml+チェーンルブ 180mlセット
ワコーズのチェーンメンテナンスセットです。チェーンの清掃から潤滑までを網羅したセットで、チェーンクリーナー(330ml)とチェーンルブ(180ml)、ブラシが含まれています。チェーンクリーナーは非乾燥タイプで、頑固な油汚れやグリースを素早く洗浄します。防錆剤が配合されているため、洗浄後の錆の発生を抑制してくれるのもポイントです。
また、チェーンルブはフッ素樹脂を配合した浸透性チェーン用防錆潤滑剤で、高粘着性ポリマーにより強力に密着し、飛び散りにくいのが特長です。いずれもシールチェーンに対応しており、安心して使用できます。

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KURE チェーンクリーナー・スーパーチェーンルブ 180ml
呉工業のチェーンメンテナンスセットです。チェーンの洗浄と潤滑に必要な製品がセットになっており、手軽にチェーンメンテナンスを行うことができます。チェーンルブは高純度有機モリブデンとフッ素樹脂(PTFE)を配合し、優れた潤滑性と耐水性を実現。高い密着性により、スプレー後の走行でも飛び散りにくいのが特長です。
また、チェーンクリーナーはシールチェーンにも安心して使用でき、洗浄後にサビの発生を抑制する防錆剤も配合されています。

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ラベン チェーンメンテナンスセット
ラベン(LAVEN)のチェーンメンテナンスセットです。チェーンクリーナーとホワイトチェーンルブ、ブラシがセットになっており、バイクのチェーンメンテナンスに必要なアイテムが一度に揃います。特にチェーンクリーナーは840mlと大容量で、こまめな洗浄が必要なチェーンメンテナンスにおいて、量を気にせずたっぷり使えるのが魅力です。強力な洗浄力で泥やスラッジを素早く分解し、シールチェーンのOリングを傷めないよう配慮されています。
また、ホワイトチェーンルブはフッ素樹脂微粉末を主成分としており、高速回転による高温や摩耗に強いのが特徴です。ドライタイプのため飛散しにくく、愛車を汚す心配が少ない点も嬉しいポイントです。

ヤマハ 純正ブラシ付きチェーン清掃セット
ヤマハの純正チェーン清掃セットです。チェーンの洗浄と注油に必要な「ヤマルーブ スーパーチェーンクリーナー」と「ヤマルーブ チェーンオイル」に、専用ブラシがセットになっています。チェーンクリーナーは500mlの大容量で、チェーンに付着した泥や劣化したオイルを強力に洗浄。シールチェーンのOリングにも影響がなく、無臭タイプなのが特長です。
チェーンオイルはウェットムースタイプで、粘性が高く、浸透性、潤滑性に優れています。塗布後30分ほどで余分な成分が揮発し、飛散しにくくなるため、チェーンへの密着性が高いのが魅力です。

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シュアラスター オートバイ用チェーンメンテナンスセット
シュアラスターのオートバイ用チェーンメンテナンスセットです。チェーンクリーナーとチェーンルブ、ブラシがセットになっており、チェーンの洗浄から潤滑まで、一連のメンテナンスを効率的に行えます。チェーンクリーナーは、オートバイ専用に開発された特殊洗浄成分が配合されており、頑固な油汚れやグリースに浸透して分解洗浄します。
また、シールチェーンにも対応しているため、Oリングを傷めずに使用可能です。チェーンルブは、潤滑性に優れたフッ素樹脂と耐摩耗性に優れたファインセラミックスをWで配合したセミドライタイプ。定着性が高く飛び散りにくく、雨天時でも優れた防錆効果を発揮します。

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チェーンメンテナンスの手順
ここからは、ご自身でできるチェーンメンテナンスの基本ステップ「清掃」「注油」「調整」について、具体的な手順を詳しく解説します。

ステップ1:清掃
清掃は、チェーンメンテナンスの中でも最も重要な工程です。チェーンに付着した古いルブや泥、砂などの汚れをしっかりと除去することで、新しく注油するルブの性能を最大限に引き出すことができます。
<必要な道具>
チェーンクリーナー
チェーンブラシ
ウエス、またはボロ布
受け皿(段ボールや新聞紙など)
<作業手順>
センタースタンドやメンテナンススタンドを使用し、後輪が地面から浮いた状態にします。スタンドがない場合は、後輪を少しずつ動かしながら作業します。
それができたら、チェーンの全体にチェーンクリーナーをまんべんなく吹き付けます。飛び散りやすいので、地面に受け皿を敷いておくと便利です。
次に、チェーンブラシを使って、チェーンのコマ(リンク)やプレートの隙間に入り込んだ汚れをかき出します。特に、内側やスプロケットとの接合部は念入りにブラッシングしましょう。
最後に、ウエスでチェーンに付着した汚れとクリーナーをしっかりと拭き取ります。この時、チェーンを少しずつ回転させながら、全体をムラなく拭き取るのがポイントです。
水滴やクリーナーが残っていると、新しく塗布するルブの性能を低下させる原因になるため、しっかり乾燥させましょう。急いでいる場合は、パーツクリーナーを少量吹き付けて乾燥を促進させる方法もあります。
ステップ2:注油
清掃が完了し、チェーンが完全に乾いたら、いよいよ注油です。チェーンルブを適切な量、適切な場所に塗布することで、チェーンの動きを滑らかにし、錆びや摩耗から保護します。
<必要な道具>
チェーンルブ
ウエス、またはボロ布
<作業手順>
チェーンの内側、特にOリングやXリングといったシール部分にめがけて、少しずつルブを塗布します。チェーンのリンクひとつひとつに丁寧に塗布していくのが理想です。
注油後、チェーンを数回ゆっくりと回転させ、ルブを全体になじませます。その後、ウエスでチェーンに付着した余分なルブを軽く拭き取ります。ルブを塗りすぎると、走行中に飛び散ってホイールや車体が汚れる原因になります。
それができたら、しばらく時間をおいてルブがチェーンの内部まで浸透するのを待ちます。メーカーの推奨する時間を確認しましょう。
ステップ3:チェーンのたるみ調整
清掃と注油が完了したら、最後にチェーンの「たるみ」を点検し、必要に応じて調整します。チェーンのたるみが適切でないと、走行性能に悪影響を及ぼすだけでなく、最悪の場合、重大な事故につながる可能性があります。
これらの作業を定期的に行うことが、愛車のコンディションを保つ上で非常に重要です。
チェーンメンテナンスのTIPSと注意点
チェーンメンテナンスを効果的かつ安全に行うためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。

メンテナンスの頻度
チェーンのメンテナンスは、走行距離や環境によって頻度が変わります。一般的には、500kmから1,000kmに一度の注油が推奨されています。また、雨天走行後や、泥道などを走った後は、汚れがチェーンに付着しやすいため、早めに清掃と注油を行いましょう。
【監修者の一言】
ツーリングにでかける前に、チェーンが摩耗していないか、ゴミやホコリが付着していないかどうかを確認することが大切です。特に長距離ツーリングの場合、チェーンに負担がかかってしまうので、事前にしっかりとメンテナンスしておきましょう。
作業場所と服装
チェーンメンテナンスでは、クリーナーや古いルブが飛び散り、周囲や衣服を汚すことがあります。作業場所には新聞紙などを敷き、汚れても良い服装で行いましょう。保護メガネやゴム手袋を着用することで、目や手へのクリーナーの付着を防ぐことができます。
【監修者の一言】
チェーンクリーナーやチェーンルブには油分が含まれていることに加え、チェーン自体が黒く汚れていることから、メンテナンスをするときは汚れてもいい服装に着替えましょう。また、地面が汚れてしまうことがあるので、新聞紙などすぐに捨てられるものを敷くことがポイントです。
正しい作業手順
チェーンクリーナーで汚れを落とした後は、必ずチェーンが完全に乾いてからチェーンルブを塗布しましょう。クリーナーが残った状態でルブを塗布すると、ルブの性能が十分に発揮されず、汚れを閉じ込めてしまうことにもなりかねません。
余分なルブの拭き取り
ルブは適量を塗布することが大切です。チェーン全体に均等に塗布したら、ウエスなどで余分なルブをしっかりと拭き取ります。余分なルブが残っていると、走行中に飛び散り、スプロケットやホイール、バイクの車体を汚す原因になります。
Oリングの確認
チェーンのメンテナンスと合わせて、Oリングの状態も確認しましょう。Oリングはチェーン内部の密閉部品で、ここが劣化するとチェーン内部に水分やホコリが侵入し、チェーンの寿命を大幅に縮めます。Oリングにひび割れや損傷がないかを目視でチェックしましょう。
まとめ:チェーンメンテナンスで愛車はもっと輝く
チェーンメンテナンスは、面倒な作業だと感じられるかもしれませんが、愛車を良いコンディションに保つ上で非常に重要な作業です。チェーンメンテナンスセットを活用すれば、初心者の方でも手軽に、そして確実にこの作業を行うことができます。
この記事で解説したメンテナンスの重要性や、セットの選び方、そして正しい作業のTIPSを参考に、あなたもチェーンメンテナンスを始めてみてください。
定期的なメンテナンスによって、愛車のチェーンはスムーズに動き、本来の性能を発揮し、あなたのバイクライフをより快適で安全なものにしてくれるでしょう。