レポート:黒石研仁(スマートモビリティJP編集部)
※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2025年5月24日に公開されたものを一部編集し転載しています。
\記事を読む前に知っておきたい!/
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【走行感覚】ペダル回転数と車速が比例しないため、坂道でも漕ぐのが楽チン
標準モデルのT350 ProとハイパワーモデルのT600GRは定格出力が違うとはいえ、いずれも最高速度20km/hの電動バイク。そのため、平地走行でパワーの差を感じることはほぼなさそうだ。スロットルをひねれば一般的な電動バイクと同じく「開度に応じて」、ペダルを漕ぐと手元のスロットル開度と関係なく「スロットル全開」扱いで車速が制御される。
この「ペダルを漕ぐ=スロットル全開扱い」により、ペダリングをすることで前述の「擬似クルーズコントロール機能」として利用できるのは便利である。
ペダルを漕いだときの負荷は、直接駆動に用いないため平地であろうと坂道であろうと一定。たとえるなら平地で自転車のペダルを回しているときと同程度と比較的軽めだ。ゆっくり漕いでも、風を切ってぐんぐん進んでいく独特な走行感覚を楽しめるはずだ。

ペダルの回転速度が車速に比例しないユニークな走行感覚を体験できる。
ちなみに、T350 Pro/T600GRではペダルが駆動系に直結されていないことは前述したとおりで、停車時でもペダルが固定されない。自転車のようにペダルに足をかけて信号待ちをするのではなく、地面に足をつけて待機する運用が求められる点もユニークである。
また安全確保のため、ブレーキレバーを握っている状態ではペダルを漕いでもモーターは停止したままとなる。信号待ちで停止している際は必ずブレーキをかけておくことで、うっかりペダルに踏力がかかって全開加速してしまうような事故を防ぐことができる。
【登坂性能】坂道が連続するとT600GRの優位性が光る。今買うならT600GRがおすすめ
今回の試乗では、実測12%(7度)の勾配がある上り坂を走行し、登坂性能をチェックしてみた。(体重64kg・手荷物なし)
標準モデルのT350 Proで坂道発進は問題なく行えるものの、上り坂が続くにつれて車速も14〜15km/hまで低下。ちなみにスロットル操作だけで走行しても、ペダル漕ぎを併用しても、速度の低下率は同じだ。
ペダルを漕がず、スロットル操作のみで坂道を上るようす。(勾配9%・T600GRにて)
www.youtube.com一方、ハイパワーモデルのT600GRは軽量ボディであることも相まって、坂道発進時に体重を前方にかけることを意識しないと軽くウィリー状態(前輪が浮く)になるほどのパワーを発生し、減速することなく、20km/hを保ったまま登坂しきった。坂道が多い場所ではT600GRの優位性が際立つことになる。
ペダルを漕ぎながら坂道を上ってもパワー感に変化はない。(勾配9%・T600GRにて)
www.youtube.com車両本体の定価はT350 Proが28万円、T600GRが32万円に設定されている。ただし、現在T600GRの先行販売期間ということもあり、T350 Proが18万2000円(公式通販価格)、T600GRが16万円(同)と逆転している。今すぐに入手したいのなら、選択肢はT600GR一択だ。
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主要諸元 ENNE T350 Pro
全長×全幅×全高 | 1360×570×1040mm |
(折りたたみ時) | 750×500×600mm |
重量 | 18kg |
耐荷重 | 150kg |
ブレーキ | 前後ディスクブレーキ |
歩道走行モード対応 | あり |
バッテリー(容量) | リチウムイオン(10.4Ah) |
モーター定格出力 | 350W |
航続距離 | 70km(ペダリング併用で140km) |
充電時間 | 非公開 |
タイヤサイズ | 14インチ |
防水性能 | IP54 |
本体価格 | 28万円(定価) |
主要諸元 ENNE T600GR
全長×全幅×全高 | 1360×570×1040mm |
(折りたたみ時) | 750×500×600mm |
重量 | 18kg |
耐荷重 | 150kg |
ブレーキ | 前後ディスクブレーキ |
歩道走行モード対応 | あり |
バッテリー(容量) | リチウムイオン(10.4Ah) |
モーター定格出力 | 600W |
航続距離 | 70km(ペダリング併用で140km) |
充電時間 | 非公開 |
タイヤサイズ | 14インチ |
防水性能 | IP54 |
本体価格 | 32万円(定価) |