これまで巡った神社の数は1万5000社を超える神社ソムリエの佐々木優太が、バイク好きのゲストにぴったりの神社へご案内するこの連載。今回は舞台を中心に活躍する俳優の牧田哲也さんが登場してくれました。そして向かった先は、レース好きにはおなじみの場所のすぐご近所にある神社です!
まとめ:斎藤ハルコ/写真:柴田直行
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2025年6月号に掲載したものを一部編集して公開しています。

牧田哲也×佐々木優太 開運ツーリングトーク

画像: 「『神社は心のジム』という言葉がすごく響きました」(牧田哲也) 「僕達みたいに悩むタイプは、神社でリセットがいいですよ」(佐々木優太)

「『神社は心のジム』という言葉がすごく響きました」(牧田哲也)
「僕達みたいに悩むタイプは、神社でリセットがいいですよ」(佐々木優太)

根が真面目で、悩みやすい。じつは我らは似たもの同士⁉

佐々木優太(以下 佐々木) ハーレーに乗ってて、どんな時が楽しいですか?

牧田哲也(以下 牧田) クルマでも感じる時はあるけど、バイクはいろんな自然の匂いをすごくビビッドに感じられるじゃないですか。走っている路面の変化や、身体に受ける風だったり、いろんなものを体感できる感覚が好きですね。僕は新緑が好きなので、今はこれからの季節がすごく楽しみで。あとはやっぱり、行動範囲が広がったと実感する時です。神奈川に宮ヶ瀬湖ってあるんですけど、そこからちょっと行くとめちゃくちゃ綺麗な川があって、最近は1人でよくそこにバイクで行きます。キャンプ用のチェアを持って、ポケットに本とか、読まなきゃいけない台本を入れていって、ぼーっとしながら読んでる時間がすごく心地良くて。

佐々木 えー、なんかすごいおしゃれ! 僕は台本があると逆にしゃべれなくなっちゃうタイプなので、セリフを覚えるって本当にすごいなと思います。役者になったのは何歳のときだったんですか?

画像1: 牧田哲也×佐々木優太 開運ツーリングトーク

牧田 22歳で、大学4回生の時です。知り合いの紹介で名古屋のモデル事務所に入ってたのですが、そこで演技のレッスンがあって、ちょっとお芝居をやった時に「楽しい」って感覚があったんです。昔からドラマっ子で、役者への憧れは強かったし、このまま就職するのではなくて、一度本気で目指してみようかと思ったんですね。そこから親を説得して、オーディションを受けて事務所に入ったものの、何度も挫折を繰り返して今に至る感じです。

佐々木 役者人生の始まりは、悩み多き感じでスタートしていたんですね。

牧田 20代の頃はそれこそ戦隊モノですとか、若手俳優の登竜門的作品の最終選考までは残るけど、結局落ちることを繰り返していました。でもある舞台で、自分の中でターニングポイントと呼べる、いい経験をさせてもらって。それまで正直、舞台への苦手意識があったけど、この先自分が俳優を続けていくなら、そこにもっと立ち向かった方がいいんじゃないかと思って、いまも所属する劇団に入る決断をしたのが、2016年ですね。

佐々木 今回、今の目標なども伺いましたが、目標の俳優像もあるんですか?

画像2: 牧田哲也×佐々木優太 開運ツーリングトーク

牧田 この仕事を始めた頃はよくそういう質問を受けることがあって、当時は自分より少し上の世代の妻夫木聡さんが憧れですと言ってました。でも芝居の世界に入って、それこそ妻夫木さんを思い浮かべて演じてみたりもしたけど、それは違うなって気づいたんです。例えば誰かが12色の色鉛筆だとしたら、1色や2色真似してもダメで、12色全部が揃わない限りはその人にはなれないんだって。それからは、好きな役者さんはいても、誰が憧れとかは決めないようになりました。今も目標の俳優像とかはありませんが、ただ、自分にとっては舞台が絶対的なホーム。そのうえで映像とか、いろいろな仕事を積み重ねていきたいと考えてます。

佐々木 真面目だ。勝手に一緒にしたら失礼かもしれないけど、もしかしたら僕達、結構似てるかもしれないですね。こう見えて僕も、じつは結構悩むタイプなんですよ(笑)。トークライブをすれば席が埋まるか心配だし、どうしたらお客さんが来るだろうって考えてしまうんですが、その根底にあるのは結局、自分の中で勝手に決めた「良い/悪い」なんですね。逆説的に言えば、今の自分がダメだから人が来ないんじゃないかと考えてしまう。それが俺達みたいなタイプなんです(笑)。でも神社は、決して「良い/悪い」を判断しません。例えば疫病神や貧乏神も神様ですし、良いことを与えてくれるだけが神様でもないんです。

牧田 勉強になります。今日は佐々木さんにすごくいろんな神社のお話を聞かせてもらいましたけど、特に僕に響いたのが「神社は心のジム」という言葉で。

画像3: 牧田哲也×佐々木優太 開運ツーリングトーク

佐々木 僕がいろんな場所で言ってる言葉ですが、例えば突然「明日試合です」と言われて慌ててジムに行っても、すぐに筋肉はつかない。日頃から鍛えている人だけが「いつでもいけます!」と言うことができるんです。神社での行動も同じで、今日だったら、東蕗田天満社の境内社一つひとつに、ていねいに参拝に上がることを心がけている人は、きっと主役だけじゃなく、脇役にも気を使える人だってことでしょうし、現場にいる一人ひとり大切にできる人のはずなんです。

牧田 神社に行くと、自然とちょっと背筋が伸びる感覚があるじゃないですか。それを普段から自分で意識的に心がけていれば、普段の自分もより良く変わっていくんだっていうのは、すごく大きな学びでした。神社にはルールはないけどマナーはあって、そこに自分のいちばん尊敬する人がいると思えば、自然と失礼な態度は取らなくなるという説明も、自分の中にすごくスッと入ってきましたし、神社に行くときの変なプレッシャーみたいな気持ちがなくなった気がします。

佐々木 牧田さんとは年齢も一緒なら、誕生日も近くて、勝手に親近感を抱いてたんです。でもそういうのをいやがる人もいるじゃないですか。牧田さんは馴れ馴れしい僕の言葉もすごく素直に受け入れてくださって、ありがたかったです。

牧田 いやいやいや。むしろ嬉しかったです。なんか僕、年を取れば取るほど、人との仲良くなり方を忘れてきてる気がするんですよ(笑)。もともと小さい頃からすごい人見知りでしたし、今も人とのコミュニケーションは頑張ってるつもりだけど、自然と人に好かれるタイプでもない。最近は俺って、すごいつまんない人間だなって自分で反省してたくらいで(笑)。だから今日は初対面なのにこんなにスムーズに話せて、驚いてます。

佐々木 僕はすごく話しやすかったですよ? また一緒に走りに行きましょうよ。

牧田 行きたいです! いきなりですけど、連絡先を交換してもいいですか?

佐々木 もちろん! せっかくの同じ歳仲間、これからも宜しくお願いします。

今回の食事処はこちら

画像: とうふやTAKAHASHI 茨城県結城郡八千代町芦ケ谷654-1

とうふやTAKAHASHI

茨城県結城郡八千代町芦ケ谷654-1

豆腐マイスターが作るすべて手作りの食事が楽しめるお豆腐カフェ。僕達は「熟成がんも丼」(1100円)をいただきましたが、大豆の味が濃くて美味しい! 豆腐やおからを使ったヴィーガンスイーツ、「なめらか豆腐」(324円)や「熟成おあげ(4枚入り)」(540円)など、人気商品のテイクアウトもできるので、僕達や取材スタッフ全員でそれぞれ爆買してしまいました。東蕗田天満社から数分の距離ですが、カフェへと入る路地はかなり細いので見逃し注意。

画像14: 舞台俳優・牧田哲也さんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】
画像15: 舞台俳優・牧田哲也さんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

まとめ:斎藤ハルコ/写真:柴田直行
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2025年6月号に掲載したものを一部編集して公開しています。

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