文:山ノ井敦司
カスタムパーツのメーカーが、レースをサポートするきっかけとなったのは!?


GILD DESIGNといえば国産4気筒、ビッグバイクのステムキットやスイングアームをリリースする三重県亀山市に拠点をおくカスタムパーツメーカーで、2018年に同じく三重県の鈴鹿を拠点とする小島庸平選手が監督を務める「ベルズレーシング」のサポートを開始。モトクロスでのサポートもステムキットをはじめ、ブレーキペダルなど様々なパーツを製作。そこで得たノウハウを自社のパーツへフィードバックし、市販車用のパーツとしてリリース。また、メカニックとしてもメインメカニックとしてライダーをサポート。

三重県鈴鹿市を拠点におくベルズレーシング、オートレース宇部レーシングチームと、ギルドデザインのある亀山市は隣接しており、様々なところで顔を合わす機会も多く、2023年にオートレース宇部レーシングチームの監督中井氏からサプライヤーとしての打診があったそう。



鈴鹿8耐など、国内最高峰のレースにおいて上位を目指すにはクイックリリースや丈夫で壊れないパーツなど、シーンに適したパーツが必要。さらにオートレース宇部レーシングチームのガレージは三重県の白子にあり、同じ三重県、新たな経験値を積むという意味合いもありサポートを開始。2024年度は小島庸平選手のメインメカニックを継続していたので、オートレース宇部レーシングチームのサポートは鈴鹿8耐の時にメカニックサポートとして参加、その他、セパレートハンドルキットやステップキット、エンジンカバー(クラッチカバー、ジェネレーターカバー)、その他多数の製作物などのパーツもサポート。そして今年、オートレース宇部レーシングチームの本格的サポートが開始となった。
新たな挑戦「オートレース宇部レーシングチーム」のサポートを開始

中央:GILD DESIGH開発部 部長 篠原大輔さん
今年は事前テストから本戦、EWCボルドール24Hなどメカニックとしてサポート。今年からBMWとなったマシンは、生粋のレーシングマシンで、これまで携わっていたストリートマシンとは全くの別物。アルファレーシング製のキット車に使用されるフレームやスイングアームなど、同じものづくりを行う視点&メカニックとしても得ることが多いそう。その他、レースシーンならではの整備性や交換が安易なシステム、近年のロガーだらけの構造なども勉強になっているそう。
今後はオートレース宇部レーシングチームのパーツ開発を行い、ストリートへフィードバックしていければと検討中。そして、GILD DESIGN/Gcraftとして、いつかはテイストオブツクバなどに参戦できればとも考えているとのことだった。ちなみに今年はGROM系エンジンを使用したツインスパータイプのフレームを作ってミニバイクレースに参戦を予定している。
今年からサポートを始めたオートレース宇部とは!?



2022年に結成され、2023年に開催された鈴鹿8耐では初参戦に関わらず4位を入賞。昨年、2024年の鈴鹿8耐では、7位走行中にラスト30分の中で惜しくも転倒、最終20位という結果となった。そしてチームの第3章として幕開けした2025年は、マシンをBMW M1000RRに変更し、ライダーには浦本修充選手を起用、全日本ロードレースJSB1000クラス、EWC(ボルドール24時間耐久)に参戦予定。4月19日、20日で茂木で開催された茂木2&4レースでは、見事3位を獲得し、幸先のいいスタートをきった。
オートレース宇部レーシングチーム
https://ar-ube-rt.com