文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2024年4月29日に公開されたものを一部編集し転載しています。
欧州の人々に、新しいモビリティのオプションを提供
今回のサイレンスとの提携の下、日産は欧州全土の広範な販売網を通じて、サイレンス S04という小型EVと電動バイクS01+などのサイレンス製品流通権を保持することになりました。都市部を中心とする電動の乗り物に移行したい人の選択肢を増やし、市場を拡大させることが日産の狙いでしょう。
日産は新しい経営計画「The Arc」を立ち上げましたが、アクシオナと日産の協定はビジネスの成長を変革を推進するための戦略的パートナーシップを使用する・・・というのはこの戦略に沿うものであります。
サイレンスのCEOは、2輪と深〜い縁があるのです?
サイレンスのS04 ナノカーにはL7eとL6eの2つのモデルがあります。L7eは交換式バッテリーを2つ搭載し、14kWの電力を得ることで149kmの航続距離、85km/hの最高速度を可能としています。一方L6eは欧州では運転免許なしで運転でき、搭載するバッテリーは1つ。6kWの電力により、最高速度は45km/hに達します。
さて、バイク好きが気になる方・・・S01+は、欧州のL3e(ICE 50cc超、最高速45km/超)クラスの電動スクーターで、交換式バッテリーは1つを搭載。エコ、シティ、スポーツの、3つの走行モード切り替えが可能で、スポーツでは最高速度99.2km/h、追い越し用「P2Pモード」を使うと108.8km/hまで加速することができます。
カルロス ソデロ(サイレンスCEO 兼 アクシオナ モビリティ ビジネスCEO)
「今日の街や都市のドライバーのニーズは変化しています。通勤、モビリティに対する態度、そして都市部を移動するための現実的で効率的な方法を構成するもの。これに対応するには、より賢く、より小さく、より軽く考える必要があります。サイレンスの軽電気自動車は、日産の強力な流通ネットワークと提携し、ヨーロッパの都市モビリティのための新しい、エキサイティングで巧妙なオプションを提供し、より持続可能な未来を形作っています。
なおスペインのバロセロナ郊外を本拠にするサイレンスは、2014年にカルロス ソデロが創業した会社ですが、氏はダカールラリーで活躍したライダーでもあります。サイレンスと日産のコラボレーションが、欧州の電動化の流れを加速させることになるのか・・・今後の市場の反応に注目したいですね。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)