文:RIDE編集部
スタートは自転車補助エンジンから!
50/70/90ccの3本立てで世界を席巻したスーパーカブ
スーパーカブのスタートは、ご存知のように1958年(昭和33年)のスーパーカブC100。50ccの空冷4ストロークOHVエンジンを搭載したスーパーカブのスタートから、110ccバージョンが誕生するまでに、実に50年もの月日を要している。
1961年には54ccのC105が登場するが、これは道路交通法改正のため、51cc以上は法定速度40km/hや二人乗りOKなど、50ccとは明確に区分けされたのが理由だった。
1964年にはC105の「50ccではない」利便性が見直されたことと、さらにパワーアップした排気量を、との狙いから「原付の気軽さと自動二輪の機能をプラスした」という90ccのCM90が登場。1968年にはC105が改名してC65(65cc)をボアアップしたC70が登場。ここから、スーパーカブは50/70/90ccと、3種類の排気量をラインアップするようになっていく。
70cc版は1998年モデルを最後に生産が終了されるが、この頃がスーパーカブの生産台数が世界中で伸びている時期。1967年に500万台を達成したスーパーカブシリーズの生産台数は、1974年には1000万台まで増加。
そしてスーパーカブ生誕50周年の2008年、110ccモデルの登場で新時代が始まる。
ファーストプロトタイプ(1947年)
![画像1: ファーストプロトタイプ(1947年)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/29/bec2e3dbcc8d3b62588ee457f024de189db02571_xlarge.jpg)
スーパーカブ誕生前夜のオリジナルエンジン試作第一号。シリンダーヘッドが煙突のように突き出た形状から「エントツ」と呼ばれた2ストローク50ccエンジンだった。
![画像2: ファーストプロトタイプ(1947年)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/29/4d09a4430934c6b82fa8db051508763ffb762b54_xlarge.jpg)
カブA型(1947年)
![画像1: カブA型(1947年)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/29/3f72e88f1d575f50a66fc94ca080107679d04165_xlarge.jpg)
HONDA設立前年の1947年、初めてHONDAの名前で製品化されたのが、この自転車用補助エンジン。市販の自転車に取りつける2ストロークエンジンで、1951年まで継続販売された。
![画像2: カブA型(1947年)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/29/e6adc9b290bd72a732ae32f4c2131457b2bb7717_xlarge.jpg)
カブF型(1952年)
![画像1: カブF型(1952年)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/29/327a465971d003bcdce1e5f2260f74117d0117aa_xlarge.jpg)
白いタンクに赤いシリンダーで親しまれたのがカブF号。全国の自転車店を販売網として、エンジンとタンクをダンボール箱に詰めて発送するなどの新しい販促戦略がスタートした。
![画像2: カブF型(1952年)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/29/5ce046a7bb5433e254e61a6c01b7716ff8c4f838_xlarge.jpg)
スーパーカブC100(1958年)
![画像1: ホンダ・スーパーカブの歴史を振り返る|初代モデルやそのルーツにあたるモデル、誕生からヒットまでの経緯を紹介](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/12/27/c54d3bd50b03312ccfec48c1b93ec7d9013b26cd.jpg)
![画像2: ホンダ・スーパーカブの歴史を振り返る|初代モデルやそのルーツにあたるモデル、誕生からヒットまでの経緯を紹介](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/12/27/4bb5e4516be3039e3d7d324d3b4f4cb289a0e805.jpg)
自転車補助エンジンに替わって、昭和33年に完成車として登場した初代スーパーカブ。排出ガスがクリーンで好燃費な4ストロークエンジンを搭載し、面倒なクラッチ操作の要らない自動遠心クラッチを採用、またぎやすい低床フレームなど、現在にも続くスーパーカブコンセプトが生まれた瞬間だ。発売当時の価格は5万5000円
スーパーカブCM90(1964年)
![画像: スーパーカブCM90(1964年)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/29/358f6d4178b42c150948e0f2c3da06a49367132e_xlarge.jpg)
1961年式のC105(54cc)を除くと、初のビッグカブとなったのがCM90。C105が5PSだったのに対し、この90ccは6.5PSを発揮した。1968年に登場した70cc版を加えて、スーパーカブは50/70/90と、3種の排気量をラインアップした。
スーパーカブC100以前に生まれた、国民たちの生活必需品
![画像3: ホンダ・スーパーカブの歴史を振り返る|初代モデルやそのルーツにあたるモデル、誕生からヒットまでの経緯を紹介](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/11/29/576e94f7fbab3247bbd9ca12e6cc0103f4ef8603_xlarge.jpg)
1947年にファーストプロトを経て「A型」(写真左)が誕生、1949年のC型(同中央)、1952年のF型(同右)と、ホンダとスーパーカブの原点は、市販の自転車に搭載する補助エンジンだった。発想のスタートは、ホンダ創業者・本田宗一郎さんが、買い出しに自転車で出かける奥様に楽をさせたい、という思いだった。
大人気となったA型の成功で波に乗った1948年9月24日、「本田技術研究所」が「本田技研工業株式会社」となってスタートするのだ。
文:RIDE編集部