12周の超短期決戦「スプリント」

モビリティリゾートもてぎは公式スケジュール2日目の土曜日を終えました。予報では朝方少し降るかも、昼頃に雲がかかるかも--なんて言われつつ、完全ドライコンディション。残暑引きずるアツいアツい時間帯もある一日でした。

通常ならば、この土曜まではフリープラクティスや予選なんですが、2023年からの新フォーマットで、土曜日にも決勝レース「スプリント」が行なわれています。
これはWSBKが先にスタートした、短期決戦での決勝レースで、日曜の決勝レースの半分の周回数で行なわれ、獲得ポイントも、通常の決勝レースが「1位:25p/2位:20p/3位:16p……」と15位まで与えられるのに対して、スプリントは「1位:12p/2位:9p/3位:7p……」と9位までに与えられます。
つまり、レース距離が少ないから、決勝よりもやわらかめのタイヤでスタートでき、ガソリンタンクもフル重量じゃない、ペース配分を(あんまり)考えなくていい、という新しいレースフォーマット。23年は20戦ありますから、土曜&日曜でライダーとチームは40レースしなくちゃいけないわけです。ライダー、けっこうブーブー言ってますね(笑)

画像: 1周目終わりのビクトリーコーナー。すでにマルティン→ビンダー→ミラー→バニャイア→マルケスの順

1周目終わりのビクトリーコーナー。すでにマルティン→ビンダー→ミラー→バニャイア→マルケスの順

とはいえ、いざレースが始まったらド真剣勝負なのはもちろん。レース距離を考えなくていい分、やっぱりペース配分はスプリント独特のようで、ここまで14戦のうちフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティファクトリー)が4勝、ホルヘ・マルティン(プラマックドゥカティ)も4勝、マルコ・ベッツェッキ(VR46レーシングドゥカティ)が1勝、ブラッド・ビンダー(KTMファクトリー)が2勝、それにアレックス・マルケス(グレシーニドゥカティ)、アレイシ・エスパルガロ(アプリリアファクトリー)が1勝ずつ。
この中では、ビンダーとマルケス弟が、レースでの優勝ナシでスプリントだけ優勝経験があります。ビンダーは2勝もしてますね。一般的には、陸上競技でいう短距離選手といったところでしょうか。もちろん、バニャイアやマルティンみたいに、どっちも速い選手もいますしね。

画像: 序盤、バニャイアのすぐ後方にまで迫るマルケス でもここからペースが落ちないバニャイアと、落ちるマルケスという差が現れます

序盤、バニャイアのすぐ後方にまで迫るマルケス でもここからペースが落ちないバニャイアと、落ちるマルケスという差が現れます

そしてモビリティリゾートもてぎでは、このスプリントは初開催。スタートでは直近の2レースでスプリントで連勝している、ポールシッター、マルティンが飛び出しました! 続いてジャック・ミラーとビンダーのKTMデュオ。プラクティスやフリーでのスタート練習を何度も見たんですが、KTMのRC16は、スタートがビタビタ決まりますね!
マルティン→ミラー→ビンダーの3台がやや抜け出し、4番手バニャイアの後方にマルク・マルケス(レプソルホンダ)、やや間が空いてベッツェッキ、ヨハン・ザルコ(プラマックドゥカティ)といった顔ぶれ。日本製マシンではマルケスが上位につけていますね。

画像: マルケスを引き離して3番手ミラーをじっくりと料理したバニャイア

マルケスを引き離して3番手ミラーをじっくりと料理したバニャイア

ビンダーがチームメイトのミラーをかわして2番手へ。逃げるマルティンを追い始めます。でもマルティン、かまわずガンガン走りますね! マルティン速い!でもそこについて行っているビンダーも速い! マルティンとビンダーが3番手以下をやや引き離しながら前を行きます。
この中で動きがあったのは、5番手マルケスが4番手バニャイアをプッシュしまくっていること。でも、迫れません、抜けません。マルケスの後方からザルコ、ベッツェッキが差を詰めてきます。

画像: ビンダー速い! フルレースでの優勝なく、ここまでランキング4位につけています

ビンダー速い! フルレースでの優勝なく、ここまでランキング4位につけています

レース中盤、5番手争いは、マルケス→ザルコ→ベッツェッキ→A・エスパルガロの4台が集団になって……というか、ミラーとバニャイアの争いに追いつけないマルケスがフタしちゃってる感じです。この中からベッツェッキがマルケスをつつき始めて、いったんは90度でマルケスをかわすものの、オーバーランして、その間にザルコが2台抜きで5番手に浮上するんです。

ラスト3周では、バニャイアがミラーを捕らえて3番手に浮上。けれど、そのころすでに2番手ビンダーははるか先、マルティンはさらに先、という距離感で、結局このままマルティン→ビンダー→バニャイアの順でフィニッシュ。4位にバニャイアに先行されたミラー、5~6位にはマルケスをパスしたザルコとベッツェッキ、マルケスは7位に終わりました。

画像: これでスプリント5勝目を挙げたマルティン もちろん、フルレースでも速く、2勝を挙げています

これでスプリント5勝目を挙げたマルティン もちろん、フルレースでも速く、2勝を挙げています

スプリント優勝でマルティンに12p、3位入賞のバニャイアは7pと5p差をつけて、チャンピオンシップポイントもバニャイア299pに対しマルティン291pと、なんと8p差まで詰めてきました! 
マルティンはミサノ→インド→もてぎと、スプリント3連勝。カタルニアの決勝レースから3位→優勝→優勝→優勝→2位→優勝と、ノリにノッてます。
対してバニャイアのカタルニア決勝からの順位を示すと、NP(ノーポイント)→3位→3位→2位→NP→3位と、ちょっと元気なし。ファクトリードゥカティのバニャイア連覇のムードがだんだんアヤシくなってきましたね……。

画像: 中上貴晶は17位フィニッシュ。ブラドル、ピッロ、クラッチロウの3人よりも先にフィニッシュしました

中上貴晶は17位フィニッシュ。ブラドル、ピッロ、クラッチロウの3人よりも先にフィニッシュしました

これで、あす日曜は決勝レース。しかし「土曜のスプリント」と「日曜の決勝レース」って、表記しづらいです。なのでオートバイ誌/Webオートバイでは、実験的にスプリントとフルレース、っていう表記にしてみますね。ちょっとはわかりやすいかな。

 

画像: MOM(マシン・オブ・マッチ)をあげたいのはKTMのRC16 この数戦、カーボンファイバー製メインフレームを使用しているみたいです

MOM(マシン・オブ・マッチ)をあげたいのはKTMのRC16 この数戦、カーボンファイバー製メインフレームを使用しているみたいです

写真・文/中村浩史

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