2023年2月8日、SBK(スーパーバイク世界選手権)に参戦するカワサキのファクトリーチームであるKRT WorldSBK(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が今シーズンの体制発表を行なった。

カラーリングはより「カワサキ」を感じさせる配色に

画像: 23年型「ZX-10RR」 www.worldsbk.com

23年型「ZX-10RR」

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2022年同様、マシンはZX-10RRだが、昨年と大きく変わった点はカラーリングだ。22年型に比べ、カワサキの象徴でもある「ライムグリーン」の割合が大きくなった。これまでは白と赤でペイントされていたアンダーカウルだが、23年型はライムグリーンに彩られている。

また、バイクの側面に記されているゼッケンナンバーは、マシンの中心部に配置されて、確認しやすい位置に変更された。

カラーリングが変わった23年型ZX-10RRだが、テストも精力的に行われており、より強力なバイクになっているに違いない。

2021年、そして2022年シーズンでチャンピオンを奪われたカワサキ陣営は、昨年のシーズンが幕をおろした直後の12月に早くも今シーズンに向けてテストを敢行。

スペインのヘレス・サーキットにて様々なプログラムをこなし、今年の1月にも同じくヘレスで2度目のテストを行った。12月のテストから課題を洗い出し、1月のテストではテスト項目の再確認に加え、ピレリの新しいタイヤをテスト、ロングランも行った。

テストをこなしていく中で、エースであるジョナサン・レイは1発のタイムでも驚異的なタイムを更新しており、今シーズンに向けて着実に準備を進めている印象だ。

ラインナップは変更なし! 4年目となるレイ&ロウズコンビで王者奪還を目指す

ライダーラインナップは22年と変わらず、今年もジョナサン・レイとアレックス・ロウズという強力なコンビが継続参戦される。

今やスーパーバイク世界選手権のほとんどの記録を持っているのが絶対王者のレイだ。レイは2008年にSBKに参戦し、2014年までホンダで活躍した。2015年からカワサキに移籍すると破竹の快進撃を続け、前人未到の6連覇を達成。通算勝利数でも100勝を達成するなど、近年のSBKにおいて絶対的な王者として君臨している。

画像: ジョナサン・レイ www.worldsbk.com

ジョナサン・レイ

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しかし2021年にはヤマハの若きエースであるトプラク・ラズガットリオグルに、2022年はドゥカティのアルバロ・バウティスタにチャンピオンを獲られており、特に昨年はマシンの性能差が大きく苦しい1年となった。

しかし22年シーズン半ばにレイはカワサキと2年の契約延長を発表、さらにテストでも精力的にプログラムをこなすなどチャンピオン奪還に向けて燃えている。絶対王者がさらなる高み、7度目のチャンピオンを獲得できるのかに注目が集まっている。

そんな絶対王者の相棒は2020年からカワサキから参戦しているアレックス・ロウズだ。SBKではホンダ、スズキ、ヤマハとメーカーを渡り歩いているが、ヤマハに在籍していた2018年に初優勝を挙げ、2020年にカワサキに移籍した。

カワサキのライダーとしてはじめて迎えるレースでいきなり優勝するなどインパクトを与える走りを見せるも、チャンピオン争いに加わることはできなかった。22年シーズンもレイ同様苦しいシーズンとなり、最高位は3位で優勝を挙げることなくシーズンを終えた。

画像: アレックス・ロウズ www.worldsbk.com

アレックス・ロウズ

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しかし、速さに定評のあるロウズなだけに今シーズンの活躍に期待したいところだ。シーズンオフに行われたテストでも黙々とプログラムをこなし、タイムも上々。レイのサポートに回らなければいけなくなる前に、ロウズはシーズン序盤から成績を上げていかなければならない。

チームとしては悩みの種になってしまうかもしれないが、ライバル勢だけではなく、カワサキが2台ともチャンピオン争いに加わる展開はファンも期待しているのではないだろうか。

レポート:河村大志

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