もちろん日本人初優勝!

画像: マシンはイタリア・オバーレGP-ZERO 160cc空冷単気筒、NSF100なサイズです 池上、日の丸があしらわれたこの31番のマシンです マシンを整備するのはMiniGPメカニックを担当するホンダドリーム足立の小出さん

マシンはイタリア・オバーレGP-ZERO 160cc空冷単気筒、NSF100なサイズです 池上、日の丸があしらわれたこの31番のマシンです マシンを整備するのはMiniGPメカニックを担当するホンダドリーム足立の小出さん

本誌でもたびたびお伝えしている、世界統一ミニバイクレースことFIM MiniGP。これは1シーズンを通して、日本をはじめとしたアジア、ヨーロッパ、アメリカそれぞれの各国選手権を行ない、そのランキング上位のライダーが世界大会に招待され、世界一決定戦を行なう、というもので、そのジャパンシリーズ開幕戦はコチラを→www.autoby.jp/_ct/17534567

そして全5戦行なわれたジャパンシリーズが9月に終了。日本代表はランキングトップの池上聖竜くん、そしてランキング2位の松山遥希くん。当初、日本代表枠は1名、と発表されていたんですが、ジャパンシリーズ実行委員会の働きかけで2名に増えたみたいですね。ヨーロッパの代表も2~3名なので、日本代表はひとりね、ってのが変更されてヨカッタヨカッタ! ライダーに「くん」はおかしいな、ヨシ他のレースみたく呼び捨てしよう! 本人もご両親もご了承ください^^

画像: ジャパンシリーズでの池上 14歳、参加者の中では大柄なことが不利に働いちゃうレースです

ジャパンシリーズでの池上 14歳、参加者の中では大柄なことが不利に働いちゃうレースです

その各国シリーズを勝ちぬいた34人のメンバーがこの週末にスペイン・バレンシアに集結。もちろんこのバレンシアでは、週末にMotoGP最終戦が行なわれますから、金曜から始まるレースウィークにカブらないよう、水~木曜にMiniGPが行なわれるのです。
そのMiniGPの会場にもたくさんMotoGPライダーが来てくれていて、各国代表のクラス分け抽選会とか、チームスズキのジョアン・ミル&アレックス・リンスがやっていたり、予選前に自分とこのMiniGPライダーの激励にライダーが来てくれたりと、MiniGPライダーはきっともう、これだけでアガったでしょうねぇ! こういうの大事! 勝ち抜いたらマルケスに逢える!とかね。日本代表の元にも、このレースがケガから3レースぶりの復帰戦となる中上貴晶(IDEMITSUホンダTeamアジア)が駆けつけてくれていました。
そして、日本代表の松山は、ジャパンシリーズ終了後のテストとトレーニングで負った負傷が回復せず、レースを欠場することになりました。松山、残念! まだ12歳だから、年齢リミット、あと2年ある。来年がんばれ!

画像: パドックにはタカが来てくれました タカも数年前(でもないか)は世界を夢見る少年でしたからね

パドックにはタカが来てくれました タカも数年前(でもないか)は世界を夢見る少年でしたからね

画像: MiniGPジャパンシリーズのアドバイザーを務める長島哲太 哲太はこのままバレンシアに残り、MotoGP最終戦後のウィンターテストに合流するものと思われます

MiniGPジャパンシリーズのアドバイザーを務める長島哲太 哲太はこのままバレンシアに残り、MotoGP最終戦後のウィンターテストに合流するものと思われます

代表のみんなは火曜にサーキット入り。ブリーフィングやって3グループに組分け抽選会があって、このレース用のツナギ&ヘルメット他のフィッティング、それにライダー撮影会があってコース下見。さすが世界大会、もうこのへんでぽわーんとなってたらアカン、ってな時間だったでしょうね。
水曜にはフリープラクティスが4走行、それに予選が3回、各予選トップ4が最終予選に進んでのグリッド決めを行ないます。
そして木曜には決勝レース。決勝は3レース開催で、レースの前にクオリファイレース(=QR)があって、QR1の上位2台がレース1&2にストレート進出、QR2の勝者がレース2にストレート進出。最終レースがスーパーファイナルと呼ばれる最終決戦です。

画像: レーススタート! 33台でのミニバイク世界一決定戦!

レーススタート! 33台でのミニバイク世界一決定戦!

画像: レース2は中盤に沈んでしまって7位でしたが、レース1、ファイナルとも積極的に前に出た#31池上

レース2は中盤に沈んでしまって7位でしたが、レース1、ファイナルとも積極的に前に出た#31池上

画像: 日の丸があしらわれたGP-ZEROがカッコいい! 31番手、日本のレースファンにはゲンのいい数字です

日の丸があしらわれたGP-ZEROがカッコいい! 31番手、日本のレースファンにはゲンのいい数字です

池上は予選総合を9番手でクリア。そしてレース1では、9番手スタートから序盤にトップグループにジャンプアップし、そのまま4~5台でトップ争いを展開。周回ごとに、コーナーごとにポジションを入れ替えるレースの中、何度かトップに立った池上は、ラスト2周くらいで後続をやや引き離し、0秒29差で真っ先にゴール! なんとMiniGP世界大会のレース1で、堂々優勝を決めました!
池上は14歳、まわりのライダーよりもちょっと体格が大きくて、もちろんそれだけ重く、均衡用のウェイトを積まないワンメイクマシンでのレースには絶対的に不利なんですが、そこを乗り越えての優勝! ちょっとシビれた!

画像: レース1に優勝した池上! 世界一決定戦の初レースで優勝! 持ってる男!

レース1に優勝した池上! 世界一決定戦の初レースで優勝! 持ってる男!

続くレース2では7位に終わった池上ですが、スーパーファイナルと呼ばれた最終レースで、ふたたびレース1のような激闘を展開。うまく上位集団につけたレース中盤、勝負所で接触されるアクシデントがありつつも、終盤にトップに立ち、おぉぉぉぉ、と思わせたものの、ラスト2周くらいでトップ2台が逃げ始め、3番手で最終コーナーを立ち上がって、フィニッシュラインでかわされてギリギリの4位! やっぱり先行したのは小柄なライダーで、池上の体格がちょっと不利になっちゃった感じ。でも体格はしょうがない、いやぁ悔しそうでした! いいぞ、その悔しがり方!

結局、レース1&2、そして獲得ポイントがダブルアップになるスーパーファイナルの合算で、池上は世界3位に決定! 表彰台でも時折笑顔を見せるものの、不満顔。でもセイリュウ、表彰台では仏頂面したらイカンぞ。MotoGPのおにーちゃんたち、見習わんとダメだぞ。

画像: 明らかに1位2位のライダーよりでかい池上 そんなムスッとしてたらアカンぞ

明らかに1位2位のライダーよりでかい池上 そんなムスッとしてたらアカンぞ

これで、世界3位となった池上に、次のチャンスが与えられるのがMiniGPです。具体的にはまだインフォメーションがありませんが、計画では、次のステップ=ヨーロッパのジュニアカップやルーキーズカップにシートが与えられる、的なことでしたから、この辺は判明したらまたお知らせしますね。
各国のナショナル選手権(=日本では全日本ロードレースのことですね)を勝ち抜いて世界選手権へ、というルートから、日本ではいまIDEMITSUアジアタレントカップ→スぺイン選手権Moto3クラス(=レプソルMoto3ジュニアワールドカップと呼ばれてます)、RedbullルーキーズカップというルートがMotoGPへのルートだと知られていますが、ここにあらたに加わったMiniGPという育成レースが、この先どう育っていくか、注目したいです。

まずは聖竜おめでとう! 聖竜は74からミニバイク、出るレース出るレース全部ばんばん勝って、しかもコースレコードをどんどん作るというレコードブレイカーキッドとして有名だったんですが、17インチに乗り始めてちょっと低迷してた時期があって、そこからMiniGPというシリーズがスタートして、この世界3位の座にたどり着きました。
このルートをリピートするキッズがどんどん増えてくるといいですね~!

画像: もちろん日本人初優勝!

文責/中村浩史 写真/MiniGP https://www.minigp.jp

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