だが、エルズベルグロデオ完走の目標を掲げた藤原は、さすがの序盤の動きを見せる。1周目、1時間10分29秒。ラストヒルも一発登頂を決め、やすやすと2周目へ。待てども2人目は現れず、2番手山本礼人が現れたのは10分後。その直後に森がつける展開に。2周目にいたっても、藤原の圧倒的優位はかわらず、これはもう決まったも同然と思われたのだが…。3周目ラストセクションで山本礼人が背後に迫っており、ここを先に越えた者が優勝というドラマが待っていた。藤原は、ラストの前の登りを上れず、ここを山本がパス。そのまま、振り切って山本が初代ケゴンベルグの王座につくことに。昨年G-NETのチャンピオンに輝いた山本は、この10年期待され続けたハードエンデューロライダー。モトクロス、トライアルの2大レースにおいてライセンスを持っておらず、さらにはエンデューロのライセンスもNAに昇格したばかり。つまるところは、ハードエンデューロに生まれ、ハードエンデューロで育った生粋のジャパニーズ・ハードエンデューロライダーだ。カテゴリーを横断するライダーは少なくないが、やはり「生粋」という言葉にハードエンデューロ界隈は震える。今年、山本は世界のライダー達がこぞって「最もしんどい」と評するルーマニアクスへ参戦する。好結果に期待したいところだ。

画像: 強引にマシンを推し進める山本礼人

強引にマシンを推し進める山本礼人

画像: 今季はエルズベルグにチャレンジする森耕輔

今季はエルズベルグにチャレンジする森耕輔

藤原は、エルズベルグにマシンを送り出していて、急ごしらえのGASGAS EC250で参戦となってしまったことが敗因だと言う。藤原のマシンは、1周目からガスケットが抜けたような音がしており、周回毎にパワーが落ちていったとのこと。直接的な原因は、ファンの脱落だそうだ。特にサバイバルなエンデューロでは、ブレーキやクラッチ、様々な機能パーツを失うことはわりと日常茶飯事。エルズベルグにおいて、たとえばファンを失ってしまった場合、ゆっくりマシンを休めながらも自分のパフォーマンスを最大限に発揮する薄氷の上の戦いが強いられることもある。何がおきるかわかラナイ魔の山を目前に控えた藤原にとっても、大きな経験値となったのではないか。なお、3位森はルーフオブアフリカのフィニッシャーで、今年はエルズベルグロデオに参戦を表明。ポディウムの3名ともが、海外レースへチャレンジするのだ。

画像: とても常人では一人でクリアできない

とても常人では一人でクリアできない

画像: 大都会のすぐそばに、こんな会場があるのだ

大都会のすぐそばに、こんな会場があるのだ

画像: マシンと、人を休ませながら走る藤原。石戸谷は、その傍らで追いながら声をかける

マシンと、人を休ませながら走る藤原。石戸谷は、その傍らで追いながら声をかける

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