今回1番印象に残ったのは、遠くから聞こえた「よぉーっし!」という、甲高く、そして力強いかけ声でした!

違うセクションを見ている時、遠くからその声が聞こえて気になり、声のするセクションに近づいてみると、そこにいたのはIAクラス#04 黒山陣選手。
聞こえた声は黒山陣選手のマインダー(※アシスタントのこと)の黒山陸一さんでした。

トライアルには、セクションと呼ばれる競技区間が設けられていて、そこをいかに上手に走れるかを減点制で採点します。1回の足つきで1点、2回で2点、3回以上で3点、転んだりセクションを飛び出したり(他にもいろいろありますが)が5点。ひとつの減点もなくセクションを走り抜けることを「クリーン」といいます。(※MFJ公式サイトより)

「あ!TVの『ミライ☆モンスター』に出ていたペアだ!!」と、すぐに気づきました。

黒山陣選手は国際A級に最年少で昇格し、今年ルーキー番号の「04」で戦う小学6年生。

IAクラスで、最初に0が付く選手はIAクラスのルーキーです

気合いの入った声でマインダーを務める陸一さんは、陣選手のお兄さんでまだ中学2年生。
今回はこの若いペアの勢いや一生懸命戦う姿から、凄くパワーをもらいました。

画像: 次のセクションを見ている陣選手と、その間にタイヤの空気圧をチェックする陸一さん。

次のセクションを見ている陣選手と、その間にタイヤの空気圧をチェックする陸一さん。

トライアルは、選手だけでなくマインダーさんがいるところも、私は観戦していて好きなポイントなんです。

もちろん、選手のテクニックがあるからこそクリーン(ミスなくセクションをクリアすること)を出す事ができるのですが、マインダーさんが一緒に考え、時には指示を出し、時間管理なども行ないサポートするので、2人で戦っているチーム感が個人的には好きなんですよね!

そんなマインダーさんを観るのも好きな私にとって、今回1番かっこよく見えた「黒山陸一」さん。
元気いっぱいな声もそうですが、クリアできると凄く笑顔になったり、しっかりと考え、丁寧に時間を伝えたり、一生懸命一緒に戦ってる姿がとても輝いて見えたのです。

画像: 次の指示を出すため、急いで移動する陸一さん。いつも走り回っている印象でした。

次の指示を出すため、急いで移動する陸一さん。いつも走り回っている印象でした。

トライアルの面白いところのひとつは、観客と選手の物理的な距離が近いため、選手やマインダーさんの表情がはっきりと見えるところ。スタート前のアイコンタクトや、終わったあとのやりとり。嬉しいときも悔しいときも、その時々の表情や声がリアルで見えて聞こえるんです。そんなモータースポーツは中々ないですよね!

マインダーさんはあまり悔しい表情は見せませんが、内心はいろいろな感情があるんだろうなと、4輪のラリーでコドライバーをしている私には似ている部分があり、時々感情移入して見てしまいます。

陸一さんのかっこよかったポイントの1つは声。
2つめは、マインダーとしての姿勢です。
遠くまで聞こえた声は難所を超えた時の嬉しさが出ていたのですが、その時の状況によって、陣選手へ伝える声、伝え方をしっかり分けているところに凄さを感じました。

まだ小柄な陸一さんが一生懸命動き回り、指示を出す姿にはパワーがみなぎっていたし、スタートの前から意気込みが伝わるほど、ホントに目が離せなかったし、このペアを見ていて単純に面白かったのです。

画像: この岩を登る為に手を出し目標合図を出すマインダーの陸一さんと、自分の呼吸を整えトライする陣選手。

この岩を登る為に手を出し目標合図を出すマインダーの陸一さんと、自分の呼吸を整えトライする陣選手。

画像: スタート前の1枚。

スタート前の1枚。

今回のSUGO大会には全10セクション(※クラスによって異なる)があり、1番見やすい場所で難しそうなのが第2セクションでした。トライアルはコースを2周するのですが、1回目も2回目も陣選手がこの第2セクションをトライするところが観られました。1回目は序盤にある勾配の高い坂で上手くいかず、そこで減点5に。でも、2回目はそこをなんとかクリアし、減点3で最後までいけたのです。その後の喜び方や、ハイタッチしている姿はとても印象的でいい場面が見られました。

他にも2回目の第7セクションをトライする中、設定時間が迫る中で「早く!」としっかり伝えてすぐにトライし、ギリギリ減点2で通過できた瞬間など、一緒にドキドキわくわくする感覚。

また陣選手の小学生とは思えない落ち着いたメンタルや走りも凄くて、現地で観ることができてホントに良かったです。

また「黒山」といえば...国際スーパーA級の黒山健一選手とマインダーの次郎さん。

画像: トライ中の健一選手と横で指示を出すマインダー次郎さん。

トライ中の健一選手と横で指示を出すマインダー次郎さん。

この次郎さんと陸一さんの仕草がとっても似ていて、さすが血の繋がりがある家族だ!と感じれた事も面白かったです。

健一選手が最後に上位10名だけがトライできるSS1、2のセクションではセカンドマインダーをつけることができるのですが、このセカンドマインダーを務めたのも陸一さん。

SS(スペシャルセクション)/レギュラーセクションが終了したあとに行なわれるIAスーパー用に設定された難易度MAXのセクション。IAスーパークラスの上位10名だけが参加できる。

SSは難易度も上がるのですが、しっかり健一選手を見守る姿や、そこから学ぼうと下見の時からしっかりついて吸収している姿勢から、学ぶことが沢山ありました。

画像: 黒山健一選手のSS1の最後の高い坂を駆け上がる場面。上にいるのがセカンドマインダーを務める陸一さん。

黒山健一選手のSS1の最後の高い坂を駆け上がる場面。上にいるのがセカンドマインダーを務める陸一さん。

画像: SSセクションの下見が終わり次郎さんの横で見ようと直ぐに移動する陸一さん。

SSセクションの下見が終わり次郎さんの横で見ようと直ぐに移動する陸一さん。

最終的に黒山陣選手は今大会は15位!!!
今後の黒山陣選手と陸一さんペアが楽しみだなと感じました。

画像: 慎重に進む陣選手と時間を確認する陸一さん。これからも注目です!

慎重に進む陣選手と時間を確認する陸一さん。これからも注目です!

注目ルーキーはまだまだ沢山います!

実はルーキーの選手に注目してトライアルを見たことがなかったので、他のA級選手のルーキーも観てみようと追ってみました。

#02の福留大登選手。マインダーはお父さんという親子ペア!

画像: 福留選手のスタートの時。

福留選手のスタートの時。

画像: マインダーさんはスタートでステージには上がらないので、ステージ下から優しい眼差しで息子の福留選手を見守っていました。

マインダーさんはスタートでステージには上がらないので、ステージ下から優しい眼差しで息子の福留選手を見守っていました。

スタートで事前アンケートで書かれた「一言欄」をMCの方が読み上げるのですが、今大会が開かれた事に対しての感謝など、凄くしっかりした言葉だったので「これ自分で書いた?」と聞かれると「お父さんが書きました」と正直に答え、笑いがおこっていました。

走りでは、しっかりクリーン出来る箇所は2回とも減点なしで通過し、なんと今大会A級で6位という結果。しかも、今期残り2戦ありますが、今のところランキングもA級で6位。
見逃せない選手の1人です!!

画像: セクションを無事終えて勾配を下る福留選手。

セクションを無事終えて勾配を下る福留選手。

また#03の高橋寛冴選手は陣選手と近い順番で走っていて、しかも接戦だったので観ていてどうなるのかとても面白かったです!

画像: ホントに接戦でした。

ホントに接戦でした。

トライアル選手と聞くと王者のガッチこと小川友幸選手や黒山健一選手がトップで戦っているので注目されていますが、ルーキーや若手選手の今後の走りも面白そうだなと今後のトライアルが凄く楽しみに感じました。

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