いつだって観たこと感じたことを、率直に表現! オートバイ女子部イチのモータースポーツ観戦好き、梅本まどかによる観戦レポートです。今回は全日本トライアルの開幕戦を訪れ、しっかりイベントを満喫してきたようです。さっそく現場の盛り上がりをお楽しみください! 

前売りなら2000円で楽しめる! しかも、選手と観客が近いから、歓声が届きやすいんです!

「ガッチー」「けんちゃーん」など黄色声援が聞こえ「あぁ、これがトライアルだな」とわくわくした4月2日(日)。

全日本トライアル選手権2023が開幕しました!
第1戦は愛知・岡崎大会ということで、念願叶って私の地元愛知県のキョウセイドライバーランドという2輪4輪のジムカーナや、各種研修会を行なう場所として使われている施設でトライアルを観ることができました♪

ちなみに名古屋駅から1時間ちょっとで行ける距離にあります。

チケットは当日だと3,000円、前売りだと2,000円ということで前日にローチケで購入し、楽しみにしていました(*´꒳`*)♪

朝、車でキョウセイドライバーランドまで向かうと、高速を降りてすぐはツーリングに良さそうな道でしたが、目的地付近になると道幅も狭く急勾配の坂が...。
バイクの免許を取ったばかりだったら、ちょっと怖いかもと思うような道を慎重に進んでいくと、入口に到着。ここでチケットを見せパンフレットを受け取りスタッフさんの指示に従い更に進むと駐車場へ。車を止めて降りると周りにはいろんなセクションが見えました!

SUGOやモビリティリゾートもてぎでは全日本トライアルを観た事があるのですが、駐車場からセクションが見えたのは初めてな気がします。

キョウセイドライバーランドは駐車場が会場の真ん中にあり、その周りにそれぞれセクションがあるという初めて見るつくりでした!

画像: 駐車場からパシャリ。

駐車場からパシャリ。

とりあえず、スタートを見たいので入口でもらったパンフレットを見ながら進むとパドックを発見!!車両も置いてあり、選手もいました。
パドックを通りながらスタート台まで進むと「Fuー!頑張れー!」と黄色声援が聞こえてきます。

もう既に盛り上がっていて、なんだか私までテンションが上がっていきました♪
この黄色声援が、選手の間近で沢山飛び交うのはトライアルならでは!!!

スタートする前にMCから「選手紹介」→「選手の意気込み」を1人ずつ聞けるのですが、その際、必ず黄色い声援が飛び、照れながらコメントする選手やニヤけている選手。やってやるぞ!と意気込んでいたりと様々。生の声と表情もしっかり見る事ができるので、走り出す前に選手それぞれのキャラクターを知れるのがトライアルのいい所です。

選手の事を知らなくてもMCの方が紹介してくれるので、前情報がなくても楽しめちゃいます♪
あだ名もお客さんが叫んでいるので小川選手は"ガッチー"で、氏川選手は"せいや"など、とてもわかりやすいです。

画像: 小川毅士選手。アシスタントはお父さん。なんだか似てる気がする。

小川毅士選手。アシスタントはお父さん。なんだか似てる気がする。

画像: 濱邊伶選手。恥ずかしいのかお客さんの方に向かずコメント。

濱邊伶選手。恥ずかしいのかお客さんの方に向かずコメント。

画像: 笑顔が印象的な武井誠也選手。

笑顔が印象的な武井誠也選手。

画像: トライアルのデモ走行でデビューしたからか、コメントがお上手だった磯谷郁選手。

トライアルのデモ走行でデビューしたからか、コメントがお上手だった磯谷郁選手。

これはスタートの時だけでなく、いろんなセクションで観ていると、お喋りしながら観ていたり、トライに向けて選手の名前を叫んで応援しているお客さんが多いのでトップの国際A級スーパークラスの選手に関しては知らなくても気軽に見れちゃいます♪

またこの声が雰囲気を作ったりもするのがトライアルの面白いところ。
この日一番感動したのが、一番最後にTOP10の選手だけ参加できるスペシャルセクション。
参加できる10名が発表され、トライにむけて選手の方達がセクションを歩いたりラインの確認をしていると雨がパラパラ降り出し、始まる頃には強い雨に。
雨が降ると滑るのでより難しくなります。

画像: スペシャルセクショントライ中の小川友幸選手。

スペシャルセクショントライ中の小川友幸選手。

画像: トライ前の下見のお時間。

トライ前の下見のお時間。

セクションの真ん中辺りに岩があるのですが、それが滑って中々進めず、そこで躓く選手が多く、10位の選手から1人ずつトライしていくのですが雨も強くなり、だんだん雰囲気は重くなっていきました。

中々進む事のできない岩の前ではシーンとして、見守る雰囲気の時もあれば、「頑張れー!」の声が増えていく事もありました。

TOP10の選手だけ参加できるスペシャルセクションも熱かったです!

半分くらいの選手のトライが終わった所で次は柴田暁選手。柴田選手がトライする時は必ずお子さん達が「あきらー!頑張れー!」と激励を飛ばします。
またこの時も雨の中ずーっと叫んでいて、岩の前でしばらく集中なのか、ラインを合わせる時間があったのですが、この間もずっと柴田選手の後姿に向かって一生懸命叫んでいる子供達の声だけ響いていました。

雨も強く、みんなずぶ濡れで集中する中、途絶えることのない「頑張れー!」の声。
柴田選手が気合いを入れて"ブブーン"とアクセルを開けるとみんなが集中。今まで超えられなかった岩を見事超えて一斉に拍手!
「すごーい!!」の声も沢山聞こえ、雨は降り続けているのに晴れたように空気がガラッと変わりました。

岩を抜けてからもまだ急勾配を登らなくてはいけないのですが、ここから応援が加速。
みんなで「頑張れー」と叫び、そんな声に応えながら、慎重にひとつずつ進めていき、見事減点2でトライ成功させたのです!!!

この瞬間はホントに感動的で、柴田選手のトライの仕方や諦めない心の大切さなどいろんなパワーをもらった瞬間でした。
このセクションで成功したのは柴田選手のみ!

去年も柴田選手を観ていて、難しいセクションでの見せ場や粘りが多く、魅力的な選手だなと感じていました。
また、必ず柴田選手のお子さんが近くで一生懸命応援されていて、時には「あきら、集中しろよ」と喝を入れる場面も。家族の為にも自分の為にも頑張るかっこいい選手だな感動した場面でした。

画像: 左下最前で応援するのがお子さん。

左下最前で応援するのがお子さん。

画像: 柴田暁選手です。

柴田暁選手です。

また親子の話しを書きましたが、トライアルは兄弟や親子で、選手とアシスタントのペアを組んでいることが多いのも魅力の1つ。
違うペアでも面白いのですが、私はこのライダーとアシスタントさんとの会話を、とても面白いと感じています(選手と観客が近いので、作戦会議中の会話がよく聞こえるんです!)。

もちろん、トライアルの魅力は急勾配な坂を登ったり、こんな岩登れるの?!っていうものにトライしたり。そんな繊細かつダイナミックなバイクの動きや、その時の雰囲気が1番の魅力ではあるのですが、1人では戦えない壁を2人、またチームでも乗り越えていくのが面白いんです。

トップクラス以外だとアシスタントを付けずに1人でトライする選手もいますが、トップクラスの選手には必ずアシスタントさんがいます。
難しいセクションでは2人つくこともあります。

今回注目したのは#3 氏川政哉選手。
アシスタントはお兄さんの湧雅さん。

画像: #3マシンに乗っているのが政哉選手。隣が湧雅選手。

#3マシンに乗っているのが政哉選手。隣が湧雅選手。

氏川選手は1.2.3セクション目まで好調でトップでしたが、セクション途中で失敗してしまい、マシンに大きなダメージを負ってしまいました。

すると、アシスタントの湧雅選手が一生懸命マシンを見て修正していきます。
またよく「せいやー」と叫んでいたり、隣であれこれと説明します。
政哉選手も湧雅選手を見て話を聞くというより、コースの一点を見つめていたりマシンを見ながら話を聞いていることが多いのですが、落ち込んだり、気持ちを立て直しながらも、湧雅さんの言葉にはしっかり耳を傾けている姿が、この2人の兄弟ならではのコミュニケーションの取り方に見え、乗り越えていけるものがあるのかなと感じました。

セクション10では誰も成功できなかったのですが、トライ後にも湧雅さんは「このラインでもダメなのか」というような雰囲気で(完全に推測)、考えながらトライした箇所をみつめていたのが印象的でした。

画像: マシンにダメージ負ったあと。

マシンにダメージ負ったあと。

画像: タイヤチェックを行う湧雅選手。

タイヤチェックを行う湧雅選手。

画像: トライ中。

トライ中。

画像: スタートの時のファンサービス。撮ったタイミング悪く目を瞑ってしまっていました。

スタートの時のファンサービス。撮ったタイミング悪く目を瞑ってしまっていました。

また今回難しいセクションが沢山あり、選手が難しいのはもちろんですが、アシスタントさんも自分の足で行かなければなりません。

こんな所登るのも大変だし、時間を管理しながらラインも見たり、ホントに大忙し。
またそんなアシスタントさんが待っている上までアクセルを開けて登りきる選手はめちゃくちゃかっこよかったです。

画像: 左のアシスタントさんが紐を掴んでいるのわかるかな?

左のアシスタントさんが紐を掴んでいるのわかるかな?

画像: 1つ山場をクリアしたら選手は降りてアシスタントさんは追いかけていきます。

1つ山場をクリアしたら選手は降りてアシスタントさんは追いかけていきます。

画像: トライに失敗したらそこからマシンを下ろすのも2人で協力。

トライに失敗したらそこからマシンを下ろすのも2人で協力。

画像: 危ない時は周りの選手が声をかけたり、手伝ったりもします。この時はガッチさんからアドバイスがあり、さすがベテラン選手と拍手しそうになりました。

危ない時は周りの選手が声をかけたり、手伝ったりもします。この時はガッチさんからアドバイスがあり、さすがベテラン選手と拍手しそうになりました。

電動バイクは全日本トライアルで活躍できるの?

この大会では氏川選手が優勝し、2位に小川友幸選手、3位は野崎選手というメンバーでしたが5位に入ったのが黒山選手。

黒山選手は今年から電動バイクで参戦、初めての試みになります!
正直、電動バイクで5位って凄い!!と思ったのですが、どれくらいの順位が妥当だったのかも私にはわかりません。
ただ、エンジンバイクとは違いキュィーンという音が自然が沢山あるセクション内に広がり、「行くぞ!」とアクセルを開けている時はその雰囲気をしっかり感じ、とても不思議な感覚でした。

トライアルデモで電動バイクに乗る黒山選手を観たことがあるのですが(大阪モーターサイクルショーでは間近で観ました!)、やはりデモと選手権では全然違う雰囲気で、これからの電動バイクが凄く楽しみになりました。
黒山選手はクラシックバレエもされているので、バランスがとても綺麗に見えるのですが、電動バイクで向きを変える時の綺麗なターンはまさに人馬一体。ホントに思わず目を見開いてしまうほどの美しさがあり、感動でした。

凄く難しいセクションこそ今回はパスをしてトライされていたのですが、これからの電動バイク、黒山選手の活躍に注目したいと思いました!

画像: 電動バイクは全日本トライアルで活躍できるの?
画像: 黒山選手のトライ。

黒山選手のトライ。

画像: アシスタントさんのマシンももちろん電動。 移動中も近くで見れました!

アシスタントさんのマシンももちろん電動。
移動中も近くで見れました!

画像: 黒山選手です。

黒山選手です。

実は今回、会場について驚いたことが1つありました。それは、地元のお店や企業さんののぼりなどが沢山あったこと。
また大会名も「中部大会」から「愛知岡崎大会」に変わったのです。
全日本トライアル選手権は今年からもっと地域と関わって、一緒に盛り上げていこうという取り組みから地区ではなく、その会場の地域の名前が入っています。

また入賞者には市長から地元の特産品が送られたり、飲食ブースも五平餅や三河フランクなどがありました。スタート時もグレート家康公「葵」武将隊 / 徳川家康公も来て下さっていて盛り上がっていましたよ♪

トライアル観戦していると中々ご飯を食べるタイミングを忘れてしまうのですが、全セクションが終わった後に飲食ブースに行ったらまだやっていたので、大好きな五平餅を食べちゃいました! 地元民としてはフランクフルトも捨てがたかったのですが、雨にも濡れて沢山歩いたので五平餅に。

今回キョウセイドライバーランドでは初観戦でしたが、駐車場にも戻りやすいので途中雨が降った時に荷物を取りに行ったりもしやすく、コースの難易度も高かったので見応えもあり、観に行ってホントによかったです。

画像: 愛知県ではお馴染みぽんかふぇさんにうなぢる旗は目立っていました。

愛知県ではお馴染みぽんかふぇさんにうなぢる旗は目立っていました。

画像: 飲食ブース。

飲食ブース。

画像: 市長さん。

市長さん。

画像: やきとり屋さんの旗も。

やきとり屋さんの旗も。

1点失敗したのは天気予報が晴れだったのと朝バタバタで出かけた為、動きやすさだけしか気にせず白いスニーカーで行ってしまったこと。
いろんなセクションで観ようと思うと急勾配やゴロゴロした道も歩くので動きやすい靴という点では正解でしたが、午後から急に降った雨で靴が汚れてしまいました。

トライアルは絶対に白い靴では行かない方がいいです。笑
またトイレも和式な為、小さいお子さんは不便かもしれませんが、いくつかあるので混む事もなく、家族やカップルで来ている方も多かったです。

私は1人で観戦でしたが、寂しさなどもなく、トライアルはみんなで一体感を感じられるのも魅力と冒頭でお話しましたが「感動しましたね」「ひやっとしましたね」など同じ場所で観ていた方と喋ったり、その空気で感じる事も多いので誰かと行っても、1人で行っても楽しめちゃいます♪

今回私は念願の地元開催の全日本トライアル選手権を観ることができ、また開幕戦ということでメーカーが変わった選手やマシンが変わった選手など、それぞれの選手の今季スタートを観られて沢山パワーをもらいました。
次戦は誰が勝つのか、今シーズンはどういう戦いになっていくのか、まだ開幕したばかりなのでこれからが楽しみです☆+°

画像: 大好きな五平餅とパシャリ。

大好きな五平餅とパシャリ。

会場の雰囲気はアルバムでチェックしてね☆

写真/梅本まどか

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