「こんなに沢山の選手をかっこいいと思ったレースは初めて!!」

そう感じたのは4月4日に行われた全日本ロードレース選手権開幕戦のST1000クラス決勝。

この日は朝からお天気が心配でしたが、曇りでなんとか持ち堪えていました。

ですが、ST1000の決勝前に急に雨が...
ウェット宣言も出てしまうほど、路面は濡れてハーフウェットの状態でレースが始まる事に。

ずっと降っているような雨雲でもなく、みんなどんな作戦でくるんだろうと場内は一気にザワつきます。
「タイヤ選択に注目ですねー。」と実況アナウンサーさんもワクワクされている様子でした。

ST1000には去年ダントツで勝利数を重ね、チャンピオンになった高橋裕紀選手が今年も参戦。
そこに去年までJSB1000で戦っていた渡辺一馬選手と前田恵助選手。
他にもST600でチャンピオンをとった岡本選手などが加わってどんな戦いになるか、とても楽しみにしていました。

予選でトップになったのは榎戸育寛選手。
高橋選手も2番手でフロントローだったのですが、レース前にエンジンを交換することになり、PITスタートに!

「え?高橋選手がPITスタート?!」
去年圧倒的な差で勝利していた選手がPITからスタートなんて、どんな追い上げが観られるの?!

きっと選手からしたらこんな雨の中、作戦を立てるのも大変で嫌なレースだと思うのですが、私は雨など関係なくドキドキワクワク♪
1人テンションが上がっていくのがわかりました。

みんながどんなタイヤを履いているのかはわからないまま、オープニングラップが始まると転倒する選手も何人かいて、「ドライタイヤの選手だったのかな?」「この雨じゃ滑るんだろうな」と。

いろいろ予想したり、考えたりしているとあっという間にスタート準備が整います。
こういう時の時間の経つスピードの早さにはホントに驚きます!

私はZ席という90度コーナー辺りで見ていたのですが、アプリでライブ映像が見れたので完全に画面に釘付け!

画像: この辺りで観戦していました。

この辺りで観戦していました。

レッドシグナルが点灯して「ブラックアウトー!」と叫ぶ実況アナウンサーさんの声。

トップに出たのは渥美心選手でした。
圧倒的なスタートの速さ。その後も1人だけ異次元な速さで差をつけて駆け抜けていく走りに観ていた人のほとんどは驚き、心を打たれたと思います。
この思い切りの良さと、心に何か決めたような熱い走りは痺れるものがありました。
このコロナ禍でなければ「えー!すごーい!」と立ち上がり叫びたくなる程でした。

以前観に行ったレースでも渥美心選手の走りを観て心に突き刺さるものがあったのですが、今回改めて「なんてかっこいいんだろう!」と感じ、叫べないけど言葉にせずにはいられず、つい「かっこいい♪」と呟いてしまったのはここだけの話です( ´ ` )

これはこのまま渥美選手の独走なのかな?!と思っていると場内放送で「あれ?高橋裕紀もうこんなところにいるぞ!」という声が!?

PITスタートで一番後ろを走っていたはずなのに気づけば中盤争いに。

そこからどんどん追い上げていき、なんと高橋選手がトップまでいってしまったのです。

そのスピードは1人だけ別格で、何か特別な魔法を使っているんじゃないかって思う程。
これがドライだったら話は別ですが、この路面で攻め、ミスなく、圧倒的な走りで1位でゴールしてしまうなんて、ドラマか漫画のワンシーンを観ているような感覚に陥ってしまいました。

これまた「なんて、かっこいいんだ!」
しかも、高橋選手って凄く優しそうな表情の印象が強い選手なので、こういう走りを見ると驚きが隠せません。

そんな高橋選手の次にチェッカーを受けたのが渡辺一馬選手。レース後の「今は何が何だかわからない。悔しい!」と言っていたリアルな言葉が、このレースで私の胸に一番ささりました。

最初、渥美選手が独走していたのですが、渥美選手が履いていたのはウェットのタイヤ。
レース前半の路面はウェット寄りでしたが、だんだん乾いていき、後半はドライに。

そこで差が縮まっていき、渡辺選手や渡辺選手のチームメイトで去年3位だった作本選手などが上位になり、チームメイトバトルが行なわれていたのです。

チーム的には、きっとこのままいけば2人とも表彰台。でも、若手の作本選手の負けん気の強い走りと、先輩渡辺選手の負けられないという走り。

画像: 作本選手と渡辺選手です。

作本選手と渡辺選手です。

このバトルも、もう漫画のワンシーンでありそうですよね!
高橋選手がトップに出て2位争いになってからはこの2台のバトルから目が離せなくなりました。
どっちかの応援をしている訳ではないけど、それぞれの熱さが伝わる走りに胸が熱くなります。

そして、もう残り少しでチェッカーだなと思っていたらヘアピンで作本選手が転倒。
これにより2位は渡辺一馬選手、その後ろを走っていた津田選手が3位になりました。

渡辺選手は去年JSB1000で戦っていたので、今年はST1000に変わり、「チャンピオン」という意気込みがとても伝わってきたのですが、高橋選手にPITスタートから圧倒的な速さで優勝されてしまった悔しさ。この雨が降ったり止んだりする難しいレース。

そして、どんどん後輩が攻めてくる勢い。その中でミスをせず走り、ゴールする姿や今年初めてのマシンでこのクラスでそつなく走れる凄さ、そしてストレートに伝わる言葉。

「ライダーだな」と感じるかっこよさを私はとても感じて、このレースを観て渡辺選手のファンになりました。

でも、ホントに作本選手の走りをはじめ、他の選手もかっこいいと思うポイントが凄く沢山出ていたレース内容で、こんなレースって中々なくて...。

このレースを現地で観て、またアプリでも見られたからこそ、内容も把握しやすく、ホントに素晴らしいって言葉じゃ足りないくらい、熱くてかっこいいレースでした。

タイヤも誰が何を履いていたか凄く気になるし、選手それぞれが自分のSNSで発表しなければわからないのですが、そんな事も忘れちゃうくらい刺激的で、このレースはレースを知らない人でも絶対に胸に刺さるものがあった気がする!

ホントに沢山の人とこの気持ちを分かち合い叫びたかったと思う内容でした。

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