2020年11月13日、カワサキが公式のFacebookやTwitterで、意味深な一枚の写真を公開しました。レトロな看板には、川崎航空機工業、目黒製作所の名前が。そして、その前には1台のバイク。このマシンは何なのか? 「メグロ」ブランド復活か? 気になる最新情報に注目です。

およそ半世紀を経て、再びメグロブランドのオートバイが誕生か

Twitter: @Kawasaki_JPN tweet

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何と「メグロ」です!

メグロとは何? と思った方も多いと思います。

メグロ(目黒製作所)は、1924年に創業した日本の名門オートバイメーカー。1937年に最初のモデル「メグロZ97」を発表しています。

目黒製作所「メグロZ97」(1937年)

その後、戦時中はオートバイの製造の中断することになりますが、戦後に製造を再開。1950年代に発売されたモデルは、浅間火山レースで活躍するなど大きな功績を残します。

ところが、戦後生まれたメーカーの勢いはすさまじく、業績は悪化。1960年に川崎航空機工業(現:川崎重工業)と提携を開始。その後、1964年に川崎航空機工業に吸収されましたが、カワサキのオートバイ部門の成立において、大きな役割を果たしました。

メグロからカワサキへ。その時代の流れをいまに伝えるオートバイがあります。

それが、空冷バーチカルツインエンジンを搭載した「W800」です。

画像: カワサキ「W800」2021年モデル

カワサキ「W800」2021年モデル

現行モデルのカワサキ「W800」のルーツは、1965年に発売された「カワサキ500メグロK2」までさかのぼります。

画像: カワサキ500メグロK2(1965年)

カワサキ500メグロK2(1965年)

この「カワサキ500メグロK2」は空冷のバーチカルツインエンジンを搭載。当時はハイスペックな高性能車として羨望の的だったモデルです。この後、空冷バーチカルツインエンジンは650-W1、W2、W3へと進化を遂げていきます。

そして、1999年にはW650が登場。ベベルギアを使ったユニークなエンジンを採用しましたが、空冷バーチカルツイン、そして「W」の名前の復活はファンを大いに喜ばせました。その後、W650はW800へと進化、厳しい排ガス規制の波を乗り越えながら、歴史は連綿と続いているのです。

注目の新型メグロはW800ベース、その名は「K3」?

さて、再び今回カワサキが突如発表した謎の写真をよく見てみましょう。ちなみにカワサキがアップしたSNSの投稿には、文言は一切添えられていません。

タンクの大きなエンブレム、サイドカバーに貼られた赤い「メグロ」ロゴ、フレームや足回りのブラック仕上げ…どことなく上の写真「カワサキ500メグロK2」の面影を感じませんか?

画像: 注目の新型メグロはW800ベース、その名は「K3」?

見ればお分かりだと思いますが、このマシンはW800をベースとしている模様。背景にある看板の右には1878年創業の「川崎航空機工業」、左には1924年創業の「目黒製作所」の文字が。両者が築いてきた、名門ブランドの歴史と伝統を、このバイクは受け継いでいるのだ、という強いメッセージを感じます。

背景の看板を見ると、車名はどうやら「K3」のようです。先ほどご紹介した「K2」の末裔、ということなのかもしれません。

果たしてこの「メグロ」ブランドのマシンは何を意味するのか?W800の2021年モデルは10月1日に販売開始されたばかりですから、これがいきなり変わるとは思えません。

では、W800をベースとした、まったく別のネオクラシックシリーズとして「メグロ」ブランドが復活するのか? 今後の展開が気になって仕方ありません。こちらでも続報が入り次第お伝えしますし、更なる詳細は月刊オートバイ1月号でもご紹介しますのでお楽しみに!

まとめ:松本正雅

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