全日本エンデューロ選手権、今季ゼッケン10をつけて走る大神智樹が、世界最高峰のエンデューロレース「エンデューロGP」に向かっていった。9月25日現在、大神はイタリアの地で下見や練習走行をこなし、夜のスーパーテストを待っているところだろう。大神は、2017年にはじめてエンデューロGPに挑戦しており、今回は2度目のチャレンジになる。2017年、大神は多くのイタリア人にもみくちゃに応援され、熱い歓迎を受けながらも…エクストリームテストのゴールで、ある老人に中指をつき立てられていた。
画像: 2017、エクストリームテスト後。血の気の引いた、大神

2017、エクストリームテスト後。血の気の引いた、大神

大神は、その残酷なまでのポーズに気づいていた。さっと血の気が引く顔が、ヘルメット越しにみえたのをよく覚えている。

それでも、大神はまたGPにリベンジする。たしかに、そのときと比べれば、今はだいぶスピードもついているし、速い。それはそうだ、エンデューロのために大神は仕事をやめて、自らの「成長への理想」を追い求めている。普段は富山にあるベータジャパンの敷地内に車中泊をしていて、2019年はベータファクトリーで武者修行をこなした。エンデューロの仲間達は、みんな言うはずだ。「大神ほど、エンデューロに打ち込んでいるやつを知らない」と。

大神は言う。「2年前は実力差が痛いほどわかった。向こうで戦うなら健二さん(鈴木健二)を抜けるくらいの技量がないと絶対通用しない。それでも、再度いこうと思ったのは、若手にその世界を見せたかったからです。記事だけを見ても実感がわかないから、生で現場を見て知ってほしい。その経験が日本の将来のエンデューロのためになると思います。そのために僕は犠牲・生贄になります」と。

This article is a sponsored article by
''.