北米のメディアに「ナーバス」だと書かれて

画像1: 北米のメディアに「ナーバス」だと書かれて

そんなタンパの走りは、下田として評価が高い。前述したとおり、特にケガに対して守りに入る意向があったというのもあり、その状況でトップ10へ食い込んだのだから、これはとんでもないことだ。

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だが、2020年を代表するスーパールーキーに向けられる視線は、そうたやすいモノではない。「下田は初戦でナーバスだった」とかき立てたメディアも散見された。逆に言えば、期待値が高いということでもあるのだが「ナーバスだったかと言われたら、その通りだと思います。反論できません」と下田。

画像: ヒートレース直前、他のヒートを見学に出る下田。表情も柔らかい

ヒートレース直前、他のヒートを見学に出る下田。表情も柔らかい

「ヒートレースがはじまる前、ほんの直前までは余裕だったんです。ところがスタートしたらものすごい緊張してしまった。むしろ、直前まで余裕があったのが、自分でも不思議なくらいですよ。

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画像: まさにヒートレース前

まさにヒートレース前

理由はわかりませんが、体の動きも固かった。特にフープスは練習してきてスピードに自信があったんですが、そのフープスでもあぶないシーンが何度かありましたね。スーパークロス自体が、たとえばライダーのあたりが強かったりするのかというと、そんなことはありません。タンパでもカイル・ピーターズとバトルして、少しあたった…かな? それで気落ちするようなことも無かったですし、プロなんだからアグレッシブにやり返したくなる気持ちがあります。スーパークロスは、180度ターンがほとんどなので、コーナーのスピードが高くない。だから、アウトドアより安全だと思いますよ」とのこと。

画像: スタート直後、ガイコホンダが並んだ

スタート直後、ガイコホンダが並んだ

サンドセクションのこなしで1秒の差があったのだ

速報でも書いた、サンドセクションの難しさは、レースが終わって解析してみるとさらに深刻だった。

画像1: サンドセクションのこなしで1秒の差があったのだ

「ゴースト(同じスピードで、違う時点の映像を重ねる)を使ってみたら、アウトのほうがインよりも1秒速かったのにインを走っていました。アウトのほうが、メインレースではスピードに乗せやすかったんです。本番では、これはわからなかったことですね。だって、タイムドプラクティスでは、ジェレミー・マーティンがファステストを刻んだラインがイン側だったんですよ」と下田は言う。「今回のコースは、特に難しくてレース中にコンディションが大きく変わったということなんでしょう。だから、こういう情報をチームとしっかり共有していきたいと思いました」と。予想通り、サンドセクションが、タンパラウンドの大きなキーになったのだが、それを戦略として活かすことができなかったというわけだ。

画像: 問題となる、イン&アウト。セクストンがアウト、マーティンがインをとってバトルを仕掛けているタイミング

問題となる、イン&アウト。セクストンがアウト、マーティンがインをとってバトルを仕掛けているタイミング

このタンパをもって、下田は本格的なプロのキャリアがはじまった。アウトドアは3週連続で後半だけ走ったが、シーズン終了まで駆け抜ける年は、2020年がはじめてになる。

画像2: サンドセクションのこなしで1秒の差があったのだ

「疲れはあまり残っていません。たぶん、3戦目あたりから、疲労がたまってくるんじゃないかな」と下田。拠点にしているカリフォルニアから、木曜日(あるいはプレスデーがなければ金曜日)にフライとして現地へ。金・土のレースデイ後、日曜に移動、月曜日だけオフの時間をとる。このインタビューは、とても貴重なオフの時間をいただいた(オフといっても、朝イチでMTBでアップ、整体し、ジムでトレーニングをこなしている)。現地時間、明日の火曜・水曜はきっちり乗り込んで、シーズン中にもグローアップを果たさなければならない。

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