2020年大会のダカールラリーに、インドメーカーのHEROから参戦していたパウロ・ゴンサルベスがレース中の転倒事故で帰らぬ人となってしまいました。40歳でした。
ゴンサルベスは昨年の大会まで5シーズン、ホンダファクトリーチームに所属し、2013年にはFIMクロスカントリーチャンピオンを獲得。ダカールでは、2015年大会に惜しくも優勝を逃したものの総合2位を獲得したライダーでした。
アフリカ大陸から南米、そして今年から中東へ舞台を移して開催されているダカールラリー。ゴンサルベスは、その3つの時代を知る貴重なライダーで、今大会が13回目のダカールラリーでした。
「アフリカ時代には2回、南米時代には11回、ダカールラリーに出場して、今回はサウジアラビアです。その3つの時代に参加できていることは素晴らしいね。ほとんどすべてのライダーがここでレースしたことがないはずだから、ライダー全員にチャンスになるだろうね。私も5シーズンをホンダとともに戦って、たくさんのレースに勝ち、ワールドチャンピオンにもなった。今シーズンからHEROモータースポーツに移籍して、新しいチャレンジに燃えているんだ。HEROモータースポーツはファミリーのようなチームで、義理の弟(ジャッキー・ロドリゲス)もいる。ダカールの新しい時代でトップ争いをするのが、私とチームのゴールになるね」と大会前に語っていたゴンサルベス。
ゴンサルベスは大会7日目の276km地点で転倒、オーガナイザーは異常を知らせるアラートを受信、ドクターヘリで急行したものの、心停止したゴンサルベスを発見し、病因に運んだものの、死亡が確認されたということです。
人懐っこそうな笑顔が印象的だったゴンサルベス。日本でもファンの多かった、ダカールのレジェンドが帰らぬ人となってしまいました。
レース中の事故とはいえ、残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。
写真/ダカールラリー<https://www.dakar.com/en> 文責/中村浩史