各メーカーがしのぎを削る激戦区・250㏄スポーツクラスにあって、爽快な吹け上がりのエンジンと重厚な乗り味で独自の個性を放つ人気車・スズキのGSR250。そのGSRのフルカウル仕様。2014年当時の試乗インプレをどうぞ!

走りのキャラクターの差は
カウル形状の差だけではない!

画像1: 走りのキャラクターの差は カウル形状の差だけではない!

「F」が加わったことで、ネイキッド、ハーフカウル、フルカウルの3バリエーションとなったGSRシリーズ。

ルックスはともかく、走って感じる違いはどんなものだろうか?

今回は市街地から高速道路まで、3台を乗り換えながら検証した。

最も市街地向きなのは、やはりネイキッドのGSR。スクリーンがないので開放感があって視界も広い。

画像2: 走りのキャラクターの差は カウル形状の差だけではない!

ハンドリング位置が3車の中で最も低く、自然にハンドルへ荷重が掛けられ、ライダーとオートバイの一体感が得られるし、低速域でも確かな手応えのハンドリングは接地感が掴みやすく、ブレーキングによる荷重コントロールも自然に行なえる。

ネイキッドだけに、60㎞/hを超えると上半身に走行風を感じるが、この「風」こそがオートバイの魅力と感じる人も多いはずだ。

ハーフカウルのSは、装備しているスクリーンが長めな上に角度を立ててセットされているから、上半身のウインドプロテクション効果が高く、40㎞/hあたりから効果を感じることができ、100㎞/h程度なら口元あたりまで走行風を受けない。

左右方向の防風効果も大きく、ちょっとした雨なら上半身はほとんど濡れずに済むほどだ。

それと引き換えに横風にはやや敏感に反応するが、ハンドルが幅広で高いため抑え込みやすく、上体が起きて頭が高い位置にあるので、コントロールは容易。

画像3: 走りのキャラクターの差は カウル形状の差だけではない!

感覚的には大型アドベンチャーモデルに似ている。

FのスクリーンはSよりも約50㎜短く、角度も10度ほど寝かせてあり、50㎞/h以下では防風効果を感じにくいが、クルージングスピードや高速道路走行では胸元から下の風を遮ってくれる。

走行風がスクリーン内側に巻き込むこともなく、適度に落ち着いたハンドリングなのも、空力特性をしっかり煮詰めた結果だろう。

画像4: 走りのキャラクターの差は カウル形状の差だけではない!

さらにフルカウル特有の、ヒザからスネにかけての防風効果も加わって、本格的ツアラー並みの快適さを生んでいる。

ちなみにFとSのハンドル幅は同じだが、高さはFのほうが24㎜低い。

これによって前傾度が少し強くなる分、フロントタイヤに適度な荷重が乗って高速域での直進安定性が確保されているし、スクリーンの短さゆえに受ける走行風と前傾姿勢のバランスが取れ、上半身に掛かる負担も少ない。

一見するとカウルの有無だけに思えるが、実は用途に応じた3車3様の絶妙な設定。

ユーザーを大事にした姿勢は大いに評価できる。

GSR250 3兄弟・ライポジ比較 身長:176㎝ 体重:60㎏

画像: GSR250F

GSR250F

画像: STD

STD

画像: GSR250S

GSR250S

ハンドル高は最も低いGSRに対してSがプラス24㎜、Fはプラス48㎜。

この24㎜の差によってスクリーン形状の違いから生じる走行風とのバランスを取り、キャラクターに応じたライディングポジションとハンドリング特性も得ている。

なお、GSRのハンドル幅はS、Fに比べて30㎜短い。

足着きは3車とも全く同じで、同クラスのライバル車と比較しても良好。

身長170㎝程度のライダーなら跨ったまま両足を使ってバックできる。

ハーフカウルでいいトコ取り!

GSR250S

画像: ●水冷4ストOHC2バルブ並列2気筒 ●248㏄ ●24PS/8500rpm ●2.2㎏-m/6500rpm ●188㎏ ●13ℓ ●780㎜ ●110/80-17・140/70-17

●水冷4ストOHC2バルブ並列2気筒
●248㏄
●24PS/8500rpm
●2.2㎏-m/6500rpm
●188㎏
●13ℓ
●780㎜
●110/80-17・140/70-17

今回新登場したFよりも大きめのスクリーンを採用するおかげで、高いウインドプロテクションを発揮してくれる。

画像: ハーフカウルでいいトコ取り!

アップハンドルの採用でライディングポジションは格段にリラックスしたものとなり、快適性にも大きく貢献する。

特徴的なデザインのヘッドライトが持つ個性を存分に活かしたハーフカウルを採用。

GSRらしい魅力はそのままだ。

マッスルデザインが魅力!

GSR250

画像: ●水冷4ストOHC2バルブ並列2気筒 ●248㏄ ●24PS/8500rpm ●2.2㎏-m/6500rpm ●183㎏ ●13ℓ ●780㎜ ●110/80-17・140/70-17

●水冷4ストOHC2バルブ並列2気筒
●248㏄
●24PS/8500rpm
●2.2㎏-m/6500rpm
●183㎏
●13ℓ
●780㎜
●110/80-17・140/70-17

絶妙な高さのセパレートハンドルを持つネイキッドのGSRは、ステップとの位置関係も良く、ほどよい前傾姿勢を取れる。

画像: マッスルデザインが魅力!

マッスルネイキッドスタイルが魅力。

2015年からはトリトンブルーメタリックとキャンディカーディナルレッド/パールネブラーブラックも追加。

ユニークなマスクや、1クラス上のボリューム感を演出する、絶妙な形状のシュラウドがアクセントとなっている。

本誌テスターの「GSR通信簿」

GSR250S

画像1: 本誌テスターの「GSR通信簿」

「ただサイドカウルを付け足したのではなく、空力とハンドリングを考慮した専用ハンドルを採用した点に好感が持てる。
ファーストバイクにするならこのFで決まりだ。(太田安治)」

「ライポジはSと同じで、大きなカウルの重さ分、操縦性も少し重い。
ウリはスポーツ性や高速性というより、カウルのあるルックスだろう。
スクリーンが低いからハンドルも低くていいのにな、と思う。(宮崎敬一郎)」

「ボリュームのある車体にフルカウルがよく似合っていて、見た目には「F」がボクの好み。
CBRやニンジャといったライバル勢にも車格的には圧勝だし、堂々たるフォルムに惹かれるよね!(青木タカオ)」

GSR250F

画像2: 本誌テスターの「GSR通信簿」

「大きなスクリーンによる防風効果は、寒い時期や雨の日にも現実的なメリットをもたらす。
高めのハンドル位置によってフロントの接地感が薄く感じるが、ポジションは楽だ。(太田安治)」

「背の高いスクリーンと、アップライトなハンドルで、オリジナルより快適なロングランを狙っている。
実際に高速ではより楽だ。
だがカウルの分、少し身のこなしは重くなる。(宮崎敬一郎)」

「ハーフカウル付きって、ボクのなかでは“ザ・スズキ”って感じがする。
落ち着いたムードがあって、250クラスなのに大人の雰囲気が出せているんだから、立派としか言いようがない。(青木タカオ)」

GSR250

画像3: 本誌テスターの「GSR通信簿」

「解放感と自然な前傾ポジションによる確かなハンドリングが魅力。
僕が乗るならセカンドバイクとしてコミューター的に使うことが多いだろうから、このネイキッド版を選ぶ。(太田安治)」

「この兄弟のオリジナルだ。
ゆったりとして快適な乗り心地とシックな外観が魅力で、均整の取れた250らしい使い勝手の良さもキープしている。
快適さやその穏やかさはクラスで一番だ。(宮崎敬一郎)」

「ポジションもしっくりくるし、カウル付きと比べると当たり前だけど軽快感バツグン。
気軽に乗れるって意味では最適なんだろうけど、所有欲を満たすとなると「F」に軍配が上がる。(青木タカオ)」

公式サイト

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