意外にUターンも得意なんだよね (伊藤)

走行ペースを上げ始めた途端に大きく変化するのは、低速でのフロントサスペンションの印象の薄さも同様です。速度域が上がって荷重がかかってくると、俄然、存在感を発揮するようになる。リアは電子制御の電動油圧式アジャスタブルサスペンション。プリロードを掛けた時と通常時のふた通りを試してみましたが、僕には、プリロードが掛かっていた方がフロントに荷重が乗るので、走行感は良かったです。

速度域が上がるとブレーキも良さを発揮するし、ホンダ独自の前後連動ABSの出来もいい。クラッチのコントロールがしやすいので、想像以上にUターンもしやすかったです。高速道路での走行も試しましたが、本気になればかなりの速さを見せる。ある意味、低速で普通に走るだけだと、ちょっと誤解してしまうバイクですね(笑)。

ただし自分としては、そういう低速域での味付けが、国産車と外国車の違いのひとつだと思うんです。高回転まで引っ張って、ハイペースで走ったときにこそバイク全体が調和し、高いスポーツ性能を発揮する、みたいなスボーツ的な走りだけではなく、普通に中低速で走った時のフィーリングの質感というか高級感の違いと言えばいいのかな。ゴールドウイングに関しても、その部分の良さをもう少し出せるようになれば、高級感が一気にアップするんじゃないかなって気がしました。

画像1: 意外にUターンも得意なんだよね (伊藤)

とはいえ、シートも含めた走行時の快適性、ウインドプロテクション効果の高さに関しては文句のつけようがないくらい素晴らしいです。個人的には、バイクもクルマもオープンエアな方が好きなんですが、顔や身体にまったく風が当たらないことにちょっと感動したくらい。しかも風の巻き込みがないので、高速でもヘルメットのシールドを開けたままで走れるんですよ。巻き込みがあるのが普通なので、なんで巻かないのか不思議で仕方なかったですね(笑)。
どんなに乗り心地が良いバイクでも、高速巡航を続けていると、首が苦しくなって疲れてしまうもの。だけど、ゴールドウイングは疲れないんです。これだけラクに走れるバイクは自分史上でも初めてで、「高速走行のラクさ№1」だと思いました。さすが、ホンダ最高峰のグランドツアラーは伊達じゃなかったですね。

画像2: 意外にUターンも得意なんだよね (伊藤)

PHOTO:松川 忍

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