初代からの本質を受け継ぎつつ乗りやすさを実現した新821

92年のことだった…それまでスーバースポーツモデルを主力にラインナップしていたドゥカティが強烈な個性を持つネイキッドモデルを発表した。その姿は、まるで背を丸めて何かに襲いかかろうとするケモノのような力強さを放っていた……モンスター900だった。

画像1: 初代からの本質を受け継ぎつつ乗りやすさを実現した新821

モンスターが登場した時、ドゥカティはスマートでハンサムな、走りのサラブレッドを気取るようなイメージだった。でもモンスターは、ネオクラシック的でもなく、それまでに見た事がない姿をした荒ぶる魂を抱くバイクだった。当時、世界を見渡してもストリートモデルでこれほど濃い個性を持ったバイクなどほとんど無かったと言える。初めて見たとき、そんなモンスターの姿にゾクゾクしたものだ。同じように、世界中がそう思ったのかもしれない。デビューと同時にモンスターは世界中で大ヒットした。

走りにも強烈な個性があった。加速重視の減速比をマッチさせたパンチ力溢れるLツインに、身軽なフットワーク……走れば必ず見え隠れするスポーティなメーカー、ドゥカティの色気と、それまでに無いフレンドリーなハンドリングがライダーたちを魅了した。そして、様々なバリエーションモデルを派生させながら、ストリートのライダーたちにもドゥカティの門戸を開いていく。今ではドゥカティを支える大黒柱だ。

画像2: 初代からの本質を受け継ぎつつ乗りやすさを実現した新821

あのデビューから25年。その初代を十分にオマージュしながら、この新型821はモデルチェンジした。あの頃のオリジナルコンセプトやイメージはそのままで、気負わずに乗れるという扱いやすさを意識したモデルだ。

821はモンスターの中堅。ライトな797、破壊力のあるパワーを発散する1200との中間に位置する。日本だとどっち付かずで魅力がハッキリしないとされるようなポジションだが、欧米の市場や創造者であるドゥカティの意識は違う。このアッパーミドルクラスが「強力なスタンダードクラス」としてストリートスポーツの主役であり、プライスと質感、走りの実力や扱い易さなどの総合性能でもっとも優れているという認識だ。実際もっとも売れているのも、このクラスなのだ。

SPECIFICATION
エンジン形式 テスタストレッタ11° デスモドロミック水冷DOHC4バルブL型2気筒
総排気量 821㏄
ボア×ストローク 88×67.5㎜
圧縮比 12.8 : 1
最高出力 109PS/9250rpm
最大トルク 8.8㎏-m/7750rpm
燃料供給方式 FI
ホイールベース 1480㎜
シート高 785/810㎜
乾燥重量 180.5㎏
燃料タンク容量 16.5L
キャスター角/トレール 24.3°/93.2㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 320㎜ダブルディスク・245㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70 ZR17・180/55 ZR17

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