ビッグスクーターの良さを再認識させる上質なできばえ

日本国内のスクーター市場はラグジュアリー感のある250㏄以上の大型に代わって日常の足に適した150㏄以下の小型が人気の中心になっている。加えて、今年9月1日からの平成28年排ガス規制を受け、多くのモデルが生産を終了。大型スクーターファンにとっては寂しい状況だが、そんな中スズキから登場したのがバーグマン400。スカイウェイブ400の後継機種という位置付けだが、乗ってみると全くの別物。マイナーチェンジではない、完全なニューモデルだ。

画像: スズキの新世代スクーター、バーグマンシリーズの第2弾として登場したのが400。精悍で引き締まったスタイルを採用し、メカニズムも一新。スリムな車体は走りだけでなく扱いやすさにも優れ、非常に高いレベルに仕上げられているのが特徴だ。欧州で絶賛されるバーグマンの実力を、さっそくチェックしてみた!

スズキの新世代スクーター、バーグマンシリーズの第2弾として登場したのが400。精悍で引き締まったスタイルを採用し、メカニズムも一新。スリムな車体は走りだけでなく扱いやすさにも優れ、非常に高いレベルに仕上げられているのが特徴だ。欧州で絶賛されるバーグマンの実力を、さっそくチェックしてみた!

何より好印象なのが発進/加速のフィーリング。スカイウェイブ400は高回転まで豪快に回ってパワーを絞り出すタイプだったが、バーグマンは低中回転域でのトルクが明らかに太い。低回転で遠心クラッチが繋がってスルスルと動き出すので騒々しくないし、滑りやすい路面での発進やUターンも安心。CVTセッティングも変更されたようで、とにかく力強い加速に感心させられる。

スロットル全開でのフル加速では6000回転近辺を使ってグイグイ速度を乗せる。加減速を頻繁に繰り返す市街地では、回転が先行して速度が後から付いてくるスカイウェイブより乗りやすく、クラッチの断続タイミングも約2500回転なので、エンジンブレーキも有効に使え、下り坂でも扱いやすい。

常用域での力強さと引き換えにトップエンドでの伸びは薄れたが、100㎞/hクルーズ時でも約5500回転だから、日常の使用環境ではまったく問題なし。むしろ中間加速が良くなった分、パワフルに感じるほどだ。気になる振動やノイズも出ないから、上質な走行感を堪能できる。

画像: スカイウェイブ400から発展したエンジンは、エアクリーナーボックス容量拡大などの改良で低中速域トルクを向上。O²フィードバックシステムと新設計のキャタライザーで最新の排ガス規制もクリア。

スカイウェイブ400から発展したエンジンは、エアクリーナーボックス容量拡大などの改良で低中速域トルクを向上。O²フィードバックシステムと新設計のキャタライザーで最新の排ガス規制もクリア。

新設計の車体はスカイウェイブより8㎏軽いが、走っていると15㎏程度は軽いように感じる。ここにも常用域で力強く反応するエンジン特性が効いている。フロントホイールは15インチに大径化されたが、半日ほどの試乗でその恩恵を感じることはできなかった。おそらくヨーロッパの市街地に多い石畳の道など、荒れた路面では違いが出るはずだし、ネガティブ要素は何もない。

ヨーロッパ市場も意識しているモデルだと感じさせるのが、スポーティさを秘めた操縦安定性。スカイウェイブは長いホイールベースと220㎏を超える車重に見合った穏やかなハンドリングだったが、バーグマンは車体剛性が高く、ライダーの着座位置も高いため、操作に対する反応がダイレクトで、市街地や峠道では大きさや重さを感じさせずにキビキビ走る。ただし、道路の段差などから受ける衝撃はスカイウェイブよりハード。乗用車というよりGTカー的な乗り味だ。

ほかにも、充分なウインドプロテクション、足着き性の良さ、実用装備の充実など、使い勝手に優れた仕上がり。バーグマン400は、小型スクーターとは比較にならない快適さと併せ、大型スクーターならではの魅力を再認識させてくれる

SPECIFICATION
●全長×全幅×全高:2235×765×1350㎜
●ホイールベース:1580㎜
●最低地上高:125㎜
●シート高:755㎜
●車両重量:215㎏
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
●総排気量:399㏄
●ボア×ストローク:81×77.6㎜
●圧縮比:10.5
●最高出力:31PS/6300rpm
●最大トルク:3.7㎏-m/4800rpm
●燃料供給方式:FI
●燃料タンク容量:13L
●キャスター角/トレール:25度/101㎜
●変速機形式:Vベルト無段変速
●ブレーキ形式 前・後:φ260㎜ダブルディスク・φ210㎜ディスク
●タイヤサイズ 前・後:120/70-15・150/70-13

PHOTO:南 孝幸

公式サイト

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