ラグジュアリー志向からスポーティさの追求にシフト

1980年代に50㏄スクーターが手軽で安価な移動の道具として空前のセールスを記録。これを契機に排気量の大きいスクーターが続々と登場した。スクーターのイメージをがらりと変えたのは、1995年にヤマハがリリースしたマジェスティ。大柄な車体に250㏄エンジンを搭載し、高速道路や長距離走行でも快適な移動性能と、所有感を満たすラグジュアリーさを併せ持ち大ヒット。他メーカーも対抗モデルを投入して「ビッグスクーターブーム」が巻き起こった。だが、2005年をピークに軽二輪クラスのセールスは下がり続け、市場の縮小と環境性能への対応の影響で250スクーターはラインアップが激減。ここ数年の販売台数はピーク時の4分の1程度になっている。

画像: 右:HONDA FORZA 最高出力:23PS/7500rpm 最大トルク:2.4㎏-m/6250rpm 価格:64万6920円 左:YAMAHA XMAX ABS 最高出力:23PS/7000rpm 最大トルク:2.4㎏-m/5500rpm 価格:64万2600円

右:HONDA FORZA 最高出力:23PS/7500rpm 最大トルク:2.4㎏-m/6250rpm 価格:64万6920円
左:YAMAHA XMAX ABS 最高出力:23PS/7000rpm 最大トルク:2.4㎏-m/5500rpm 価格:64万2600円

ビッグスクーターブームの頃は、低く長い車体で、足を前に伸ばした「フォワードポジション」が主流だったが、これは日本だけの現象。スクーター先進国のヨーロッパや台湾では、機敏で安定したハンドリングを得るためにネイキッドスタイルのオートバイのように上体を起こして乗るスタイルが主流だ。

マジェスティの実質的な後継モデルであるXMAXや、7月にフルモデルチェンジされた新型フォルツアはまさにこのスタイル。ラグジュアリーさ優先の日本向けモデルから、運動性と実用性を重視するグローバルモデルへとコンセプトを変え、新たな国内需要の掘り起こしを狙っている。

走りのキャラクターに見る"主張"の違い

新型フォルツァとXMAX。車格の似た2台だが、走りの個性は同じクラスにありながら随分と違っているようだ。それぞれが目指し、狙ったキャラクターとはどういうものか、実際に比較試乗しながら検証してみよう。

画像1: HONDA FORZA

HONDA FORZA

画像: 旧モデル比で65㎜高くなったシートによってアップライトなポジションとなり、ライダーとの一体感と見通しの良さが向上。足つき性は悪化したが、シート形状、フロア形状の工夫で、数値から想像するほど悪くはない。

旧モデル比で65㎜高くなったシートによってアップライトなポジションとなり、ライダーとの一体感と見通しの良さが向上。足つき性は悪化したが、シート形状、フロア形状の工夫で、数値から想像するほど悪くはない。

画像: 海外モデル・Sh300ベースのOHC4バルブ。出力特性を見直す一方で、ローラーロッカーアームなどの採用で静粛性も高めた。

海外モデル・Sh300ベースのOHC4バルブ。出力特性を見直す一方で、ローラーロッカーアームなどの採用で静粛性も高めた。

画像: 1インチアップした15インチのフロントホイールを採用し、より高い走破性を確保。ブレーキは256㎜径のディスクを装備。

1インチアップした15インチのフロントホイールを採用し、より高い走破性を確保。ブレーキは256㎜径のディスクを装備。

画像: フロント同様、1インチアップした14インチホイールを採用。ホイールは12本スポークデザインとして剛性バランスにも配慮。

フロント同様、1インチアップした14インチホイールを採用。ホイールは12本スポークデザインとして剛性バランスにも配慮。

SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2140×750×1355㎜
ホイールベース 1510㎜
最低地上高 145㎜
シート高 780㎜
車両重量 184㎏
エンジン形式 水冷4ストOHC4バルブ単気筒
総排気量 248㏄
ボア×ストローク 68×68.5㎜
圧縮比 10.2
最高出力 23PS/7500rpm
最大トルク 2.4㎏-m/6250rpm
燃料供給方式 PGM-FI
燃料タンク容量 11L
変速機形式 Vベルト無段変速
ブレーキ形式 前・後 φ256㎜ディスク・φ240㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70-15・140/70-14

画像: YAMAHA XMAX ABS

YAMAHA XMAX ABS

画像: 上体が起き、膝の曲がりも直角に近いポジションでハンドル操作もステップボードへの荷重もやりやすい。足つき性は良くはないが、停車時にシート前側に腰をずらせば身長150㎝台のライダーでも両足が接地する。

上体が起き、膝の曲がりも直角に近いポジションでハンドル操作もステップボードへの荷重もやりやすい。足つき性は良くはないが、停車時にシート前側に腰をずらせば身長150㎝台のライダーでも両足が接地する。

画像: 走りの楽しさと燃費・環境性能の両立を目指す“ブルーコア”エンジン。セミドライサンプ、アルミ鍛造ピストンなどの採用でロスを低減。

走りの楽しさと燃費・環境性能の両立を目指す“ブルーコア”エンジン。セミドライサンプ、アルミ鍛造ピストンなどの採用でロスを低減。

画像: 優れた減衰感、クッション性を備える正立フォークは、強度・剛性の高いスポーツバイク的な造りで自然なハンドリングを実現した。

優れた減衰感、クッション性を備える正立フォークは、強度・剛性の高いスポーツバイク的な造りで自然なハンドリングを実現した。

画像: リアサスペンションはコンベンショナルなツインショックを採用している。サスペンションユニットは、プリロードを5段階に調整できる。

リアサスペンションはコンベンショナルなツインショックを採用している。サスペンションユニットは、プリロードを5段階に調整できる。

SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2185×775×1415㎜
ホイールベース 1540㎜
最低地上高 135㎜
シート高 795㎜
車両重量 179㎏
エンジン形式 水冷4ストOHC4バルブ単気筒
総排気量 249㏄
ボア×ストローク 70×64.9㎜
圧縮比 10.5
最高出力 23PS/7000rpm
最大トルク 2.4㎏-m/5500rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 13L
キャスター角/トレール 26度30分/95㎜
変速機形式 Vベルト無段変速
ブレーキ形式 前・後 φ267㎜ディスク・φ245㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70-15・140/70-14

「走り」のXMAXに対する「快適」重視のフォルツァ

「ロー&ロング」のラグジュアリー感を強調した車体で一時代を築いたホンダとヤマハの250ccスクーターだが、最新モデルのXMAXとフォルツァはヨーロピアンスタイルに一新されている。その最大の理由は市街地を俊敏に駆け抜けられる運動性、言い換えればスポーツ性を高めるためだ。

2台を乗り比べて、スポーツ性をより強く感じるのはXMAX。2300回転あたりで遠心クラッチが繋がり始め、ゼロ発進では5000回転近辺、中間加速では6000回転弱を使ってグイグイ加速。スロットルオフでのエンジンブレーキの連続区間や上り下りの多い峠道でもスロットル操作だけでリズミカルに走れる。

その動力性能を存分に引き出せる要因が車体剛性の高さ。イングレームの剛性適正化はもちろんだが、フロントフォークに通常のオートバイと同じフルクランプ式を採用したことでハンドリングの応答性とギャップ通過時の収束性が高く、タイヤの接地感もダイレクトに伝わってくる。通常のスクーターが最も苦手とする、フロントブレーキを掛けながらバンクさせる状況でも不安な挙動は一切出ず、スポーツスクーターとして世界中で高く評価されているTMAXに近いフィーリング。ヤマハ開発者はスクーターといえどスポーツ性を大切にしないといけない、という思いで開発したのだろう。

対する新型フォルツァはスポーツ性と快適性のバランスを追求したキャラクター。クラッチミート回転数やフル回転時、クルージング中のエンジン回転数はXMAXとほとんど変わらないがスロットル操作に対する反応がやや緩やかで、体を前後に揺すられるようなせわしなさがない、フォルツァ伝統の扱いやすい特性だ。ハンドリングは旧式より断然スポーツライクではあるが、ではあるが、路面の凸凹や轍を超えた際の車体の落ち着き、乗り心地の良さを狙ってフレームや前後サスペンションの剛性をバランスよく設定している。

魅力的なのは1秒で上下する電動スクリーンや、トラコン、スマートキー、12V電源ソケット、フルLEDのランプ類といった豪華装備。実用向上のためのアイテムだが、所有感も大いに満たしてくれる。

スポーツ性を前面に押し出したXMAXと、快適性重視の新型フォルツァ。開発理念の異なる2台が、250スクーターの新時代を切り開いてくれそうだ。

装備と機能、使い勝手を徹底比較!

FORZA

画像2: HONDA FORZA

HONDA FORZA

画像: すごく滑らかで本当に気持ちがいいです! 自分で運転してみてもフォルツァは滑らかで快適なんですが、タンデムの方がさらに快適に感じます。グラブバーは女の子でもしっかり握れる構造で安心ですが、シートがちょっと硬めなので、ギャップや段差を通過するときは、ライダーさんは優しく走ってあげてくださいね。 (ステラ)

すごく滑らかで本当に気持ちがいいです! 自分で運転してみてもフォルツァは滑らかで快適なんですが、タンデムの方がさらに快適に感じます。グラブバーは女の子でもしっかり握れる構造で安心ですが、シートがちょっと硬めなので、ギャップや段差を通過するときは、ライダーさんは優しく走ってあげてくださいね。
(ステラ)

画像: 標準装備の電動スクリーンは最大幅140㎜で無段階調整が可能。高速道路の合流時に自然に上がりきるよう、スクリーンを動かす速度にまでこだわったアイテムだ。

標準装備の電動スクリーンは最大幅140㎜で無段階調整が可能。高速道路の合流時に自然に上がりきるよう、スクリーンを動かす速度にまでこだわったアイテムだ。

画像: フロアボードはフラットでしっかり面積を確保したもの。ライディング時の足の置き場の自由度が高いのもポイントだ。

フロアボードはフラットでしっかり面積を確保したもの。ライディング時の足の置き場の自由度が高いのもポイントだ。

画像: スイッチにはブルーの照明を配して夜間の使い勝手を向上。アンサーバック機構も備えており、駐車場などで自車を発見しやすい

スイッチにはブルーの照明を配して夜間の使い勝手を向上。アンサーバック機構も備えており、駐車場などで自車を発見しやすい

画像: メーターナセルはシルバー仕上げで、アナログのスピード、タコの中間に配したマルチモニターは反転表示の液晶。表示項目も多彩だ。

メーターナセルはシルバー仕上げで、アナログのスピード、タコの中間に配したマルチモニターは反転表示の液晶。表示項目も多彩だ。

画像: フロントポケットはプッシュ開閉式の左側のみ。内部には12Vソケットが用意される。給油口はスイッチ脇のボタンで開ける。

フロントポケットはプッシュ開閉式の左側のみ。内部には12Vソケットが用意される。給油口はスイッチ脇のボタンで開ける。

画像: LEDヘッドライトはハイビーム時に中央が点灯する3灯式。左右のポジションランプには細やかなカットラインも入る。

LEDヘッドライトはハイビーム時に中央が点灯する3灯式。左右のポジションランプには細やかなカットラインも入る。

画像: 49Lと容量は若干少ないが、形状の絶妙な工夫でフルフェイスヘルメットを2個収納可能。収納効率を高めるセパレーターも用意。

49Lと容量は若干少ないが、形状の絶妙な工夫でフルフェイスヘルメットを2個収納可能。収納効率を高めるセパレーターも用意。

画像: シート高こそ780㎜だが、スポーティなライディングに見合った形状で、クッションもしっかりしたもの。グラブバーは左右別体。

シート高こそ780㎜だが、スポーティなライディングに見合った形状で、クッションもしっかりしたもの。グラブバーは左右別体。

XMAX

画像: YAMAHA XMAX

YAMAHA XMAX

画像: ひとりで乗ると路面の状態がハンドルにしっかり伝わる印象ですが、タンデムシートは振動もなく、すごく快適。グラブバーも細身で、女の子にも握りやすいのがポイント高いです。タンデムステップの位置のせいなのか、停止時などにライダーがおろした足に当たる事があって、そこだけがちょっと気になりました。(ステラ)

ひとりで乗ると路面の状態がハンドルにしっかり伝わる印象ですが、タンデムシートは振動もなく、すごく快適。グラブバーも細身で、女の子にも握りやすいのがポイント高いです。タンデムステップの位置のせいなのか、停止時などにライダーがおろした足に当たる事があって、そこだけがちょっと気になりました。(ステラ)

画像: フロントマスクはシャープで精悍な表情。ロービームで2灯、ハイビームで中央のLEDランプが点灯する。スクリーンは固定式だが、ネジの位置調節で約50mmアップが可能。

フロントマスクはシャープで精悍な表情。ロービームで2灯、ハイビームで中央のLEDランプが点灯する。スクリーンは固定式だが、ネジの位置調節で約50mmアップが可能。

画像: シート上下トランクの容量確保をギリギリまで追求したレイアウトのため、LEDテールランプは左右分割デザインとなった。

シート上下トランクの容量確保をギリギリまで追求したレイアウトのため、LEDテールランプは左右分割デザインとなった。

画像: トランク容量は約45リットルでヘルメット2個を収容可能。滑らかに開閉できるダンパーや、夜間に便利なLED照明も装備。

トランク容量は約45リットルでヘルメット2個を収容可能。滑らかに開閉できるダンパーや、夜間に便利なLED照明も装備。

画像: 左右にポケットを用意、左側はスイッチで開閉するタイプで、中には12Vソケットを用意。右側はプッシュ開閉式だ。

左右にポケットを用意、左側はスイッチで開閉するタイプで、中には12Vソケットを用意。右側はプッシュ開閉式だ。

画像: フロアボードは足つき性に配慮して後方を絞り込んだ形状。タンデムステップはフロアボード後端にマウントされている。

フロアボードは足つき性に配慮して後方を絞り込んだ形状。タンデムステップはフロアボード後端にマウントされている。

画像: アナログ2眼+液晶モニターというレイアウトはフォルツァと同じ。モニターは燃料計、水温計、距離計、燃料計、などを表示。

アナログ2眼+液晶モニターというレイアウトはフォルツァと同じ。モニターは燃料計、水温計、距離計、燃料計、などを表示。

画像: スマートキースイッチ自体は小ぶりで操作しやすいもの。下部には左ポケットとシートを開閉するボタンが設置されている。

スマートキースイッチ自体は小ぶりで操作しやすいもの。下部には左ポケットとシートを開閉するボタンが設置されている。

画像: ライダーの体にフィットするデザインと、ゆったりとしたサイズで高い快適性を備えるシート。タンデムの快適さを抜群。

ライダーの体にフィットするデザインと、ゆったりとしたサイズで高い快適性を備えるシート。タンデムの快適さを抜群。

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