2017年に生産を終了したヤマハSR400、ついに復活しました!
……とはいえ「え?なにが違うの?新型SR」ってほど、前と一緒、普通です(笑) 生産が一時終了したのも、新規排気ガス規制に合致しなくて、というのが理由ですから、その新規制をパスさせての復活。1978年に誕生したSRですから、ことしが生誕40年! この40周年の節目に、当のSRが存在しなかったのだから、寂しいなぁ、と思っていたら、きちんと復活してくれましたね。
2018年型SR400は、新排気ガス規制に合わせるための変更として
①O2フィードバック制御の精度向上
②キャニスターの新採用
③新型マフラーの採用
が主な変更ポイント。
O2フィードバック制御っていうのは、燃焼状態をリアルタイムでセンシングして、燃調をコントロールする技術。そのフィードバック制御を、より精度を上げて燃調をコントロールするもので、これはECUを設定変更して、ECUそのもののサイズも大きくなっちゃったから、装着位置をサイドカバーからシー下に移設しています。つまり、シートも少し変更した、ということになります。
このフィードバック制御っていうのは、ちょうどエキパイにセンサーついてますよね、それが燃焼後の排気ガス状態をセンシングしていて「お、ちょっと濃いかな、んじゃ薄く吹こう」とか「ちょっと薄いみたいだから濃いめに吹こう」って燃料調整をする噴射制御のこと。燃焼効率がよくなって排気ガスがクリーンに、そして燃費もよくなる、ってシステムなんです。
キャニスターっていうのは、オートバイにつきものの蒸発ガソリンを低減するもので、これも排気ガスの浄化につながりますからね。新しく部品を増やすってことで、いかに小さくデザイン的にきれいに見せるかまでこだわって、こっそりエンジンにもフレームにも寄せてマウントしています。実車見たら、探してみてね。
同時にマフラーも、触媒の仕様を変更して排気ガス浄化を図り、低温と歯切れのいいサウンドにも気を配っています。これも、ただに設変ではなく、歴代SRのサウンドを聞き込み、排気音解析技術を使って、クリーンで気持ちのいいサウンドのマフラーに仕上げられています。
もともとインジェクションになったときにも、SRは大改造を施されていますから、今回の排気ガス規制クリアは織り込み済みだったはず。もちろん、排気ガスのクリーンにすればいい、ってだけではなく、もっと大きなモデルチェンジをしなければならなかったんでしょうが、それでもSRは外見を大きく変更しないで再登場してくれました。よかったよかった、SR=ザ・日本のオートバイ、って側面がありますから、ないと困るもんね。
カラーリングは黒とメッキの金属感を強調した「ヤマハブラック」と、カジュアルな「ブルーメタリック」をラインアップ。さらに40周年記念限定車として「ベリーダークオレンジメタリック」を用意し、こちらは500台限定で発売されます。
発売は11月22日。価格はスタンダードが57万2400円/40周年記念限定車が69万1200円。スタンダードは旧モデルから2万円+消費税だけアップ。これはもう、作り続けてくれたことでOKな価格アップでしょう^^
ヤマハの皆さんにお礼です。キックスタートの空冷単気筒エンジンのSR、をラインアップに残してくれて、ホントありがとうございました。
文責/中村浩史