台風接近の報を受けて、スケジュール調整や施設の移動・撤去など、金曜は文字通り風雲急を告げた鈴鹿サーキットですが、明けてきょう土曜日、鈴鹿には朝から雨が降り始め……とはいえ朝イチに小雨、午前9時現在は、まだ「小雨がだんだん強くなってきたねぇ」くらいのレベル。今日は鈴鹿4時間耐久と、8耐関連ではフリー走行、そして計時予選の上位10チームによる「トップ10トライアル」(=勝手に略してTTT)が行われる予定です。さてその計時予選ですが、昨日お伝えしたとおり、下記10チームがTTTに進出します。

1 #11 カワサキチームグリーン      2分06秒448
2 #21 ヤマハファクトリーレーシング   2分06秒770
3 #33 レッドブルホンダ日本郵便     2分07秒373
4 #12 ヨシムラスズキMOTUL       2分07秒588
5 #634 MuSASHi RT ハルクプロホンダ  2分07秒896
6 #95 エスパルドリームレーシングIAI   2分08秒153
7 #090 auテルルMotoUPレーシング    2分08秒184
8 #7 YARTヤマハ            2分08秒239
9 #19 KYBモリワキMOTULレーシング  2分08秒397
10 #79 TeamSuP ドリームホンダ     2分08秒768

画像1: <ハンパない! 鈴鹿8耐⑬> 予選最速は誰だったんだ?
~鈴鹿は雨の土曜になりました~
画像2: <ハンパない! 鈴鹿8耐⑬> 予選最速は誰だったんだ?
~鈴鹿は雨の土曜になりました~

記しているタイムは、3人のタイムの平均ですが、では個人総合予選順位はどうだったのかと。チームやライダーはまずはTTTに進出するために3人の合計のみを気にしますが、そうは言っても気になるもんねぇ。なので、下記は各ライダーのベストタイムです。第1/第2/第3ライダーって言い方はしない、と昨日も説明しましたが、まだ慣れませんけど、ブルー/イエロー/レッドの組分け順に上位ライダー3傑を上げると、こうなります。

■ライダー ブルー
1:中須賀克行 ヤマハファクトリー      2分06秒263 
2:高橋 巧  レッドブルホンダwith日本郵便 2分06秒775 
3:津田拓也  ヨシムラスズキMOTUL     2分07秒204

■ライダー イエロー
1:ジョナサン・レイ カワサキTeamグリーン 2分05秒168 
2:アレックス・ロウズ ヤマハファクトリー  2分06秒620 
3:中上貴晶 レッドブルホンダwith日本郵便 2分07秒195

■ライダー レッド
1:レオン・ハスラム カワサキTeamグリーン       2分06秒636 
2:ランディ・ドゥ・プニエ MuSASHi RT ハルクプロホンダ 2分07秒219 
3:マイケル・ファン・デル・マーク ヤマハファクトリー   2分07秒428

■個人総合順位
1:ジョナサン・レイ(カワサキ)   2分05秒168
2:中須賀克行(ヤマハ)     2分06秒263
3:アレックス・ロウズ(ヤマハ)   2分06秒620
4:レオン・ハスラム(カワサキ)   2分06秒636
5:高橋巧(ホンダ)        2分06秒775
6:中上貴晶(ホンダ)       2分07秒195
7:津田拓也(スズキ)       2分07秒204
8:ランディ・ドゥ・プニエ(ホンダ) 2分07秒219
9:ドミニク・エガーター(ホンダ)   2分07秒390
10:マイケル・Vd・マーク(ヤマハ)  2分07秒428

画像3: <ハンパない! 鈴鹿8耐⑬> 予選最速は誰だったんだ?
~鈴鹿は雨の土曜になりました~
画像4: <ハンパない! 鈴鹿8耐⑬> 予選最速は誰だったんだ?
~鈴鹿は雨の土曜になりました~

一番タイム的に激戦だったライダーブルーの組4番手のエガーターが、ライダーレッドのVd・マークを逆転して個人総合10位に滑り込みました。

こう見ると、もういろんなものが見えてきますね。まずは予選トップタイムのジョナサン・レイが飛びぬけていること。それにトップ4がカワサキふたりとヤマハふたりに占められていること、ホンダのふたりが5-6番手にいること、スズキは7位が最上位ってこと、そしてヤマハファクトリーが3人全員、各組のトップ3に入ってることです。チームの3人のうち2人がランクインしているのがレッドブルホンダとTeamグリーン。この3チームがここまでは郵政、いや優勢ってことになりますね。(日本郵便、ってよく打ち込むので「郵政」=「ゆうせい」って打つと「郵政」って変換されちゃう・笑)

ちなみにこの予選にはカラクリがあって、それがタイヤの本数制限なんです。FIMの世界耐久レギュレーションによって、公式ウィーク中のタイヤの使用本数は8時間耐久=20本、って決まっていて、鈴鹿8耐にもそれが適用されるのです。この20本というのは、前後合計20本って意味で、フロント1本+リア19本でもOK! 公式ウィークですから、予選と決勝8時間中あわせて20本、ってこと。スーパーポール出場チームは、それ用に本数制限外のタイヤが供給されます。公式ウィークの走行は、①金曜:予選2回×3人 ナイトプラクティス1時間 ②土曜:フリー走行45分 ③日曜:ウォームアップ走行45分 決勝レース8時間、って内訳。これを20本で回すので、予選で全員が新品タイヤでは走れない、というわけです。もちろん、走ってもいいんだけど、そうすると予選だけで2回×3人×前後1本ずつ計2本=12本使っちゃう。そうすると残り8本=前後4セットしかナイと。そんなわけにはいかないもんね。というわけで、20本の内訳でいうと、決勝レースで使う8スティント×前後1本ずつ計2本=16本をキープして、残りの4本=前後1本ずつ2セットをほかの走行に使う、ということになります。フロント中古/リア新品、って組み合わせもありますが、たいていは前後セットだと考えると、フリーじゃない予選は、3人のうち2人が、2回の走行のうち1回だけ新品タイヤ履ける、とこういうことです。

なので、1チームのうち2人が予選上位に食い込んでくる、ってことがあるわけですね。予想ですが、カワサキは渡辺一馬が、ヤマハはファン・デル・マークが、そしてホンダパトリック・ジェイコブセンが中古タイヤで出走したんじゃないでしょうか。つまり、だからこそ3人とも各組TOP3に入っているヤマハファクトリーがスゴい!ってことなんです。

さてさて、この個人総合成績が、決勝レースでどうあらわれるか、それとも関係なく平均ラップタイムを狙っていくのか、注目は続くのです^^

写真・文責/中村浩史

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