1972年秋に発売されるやいなや世界中で大ヒット!
1968年秋に世界初の空冷直4エンジンを搭載した市販車としてホンダCB750FOURが発表されたことで、世界のスポーツバイクの勢力図が大きく変わった。その影響は当時やはり大排気量の4ストスポーツを開発していたカワサキにも及んだ。CBが誕生した時点でカワサキにも750㏄の空冷直4を積んだ試作車が存在していたが、あらゆる面でCB750FOURを超えることを目指して大幅な見直しが加えられた。最大の変更点はその空冷直4エンジンで、排気量がCBを大きく上回る900㏄に設定し直された。加えてSOHCのCBに対してDOHCを採用していたこともあって、最高速度130mph(約209㎞/h)、ゼロヨン12秒を実現できるハイパワーを実現。
車体は主な市場として想定されていたアメリカからの要望を取り入れたもので、特にティアドロップ形状の燃料タンクに、当時のカワサキ車の特徴であった独特なテールカウルを組み合わせた力強いスタイリングが印象的だった。このマシンはZ1と名付けられ、1972年秋に発売されるやいなや世界中で大ヒット。その優れた基本設計によるポテンシャルの高さから、ストリートはもちろんサーキットでも大活躍する。以後1980年代まで続いた空冷Zたちのルーツとなった歴史的な名車だ。
●エンジン型式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒
●総排気量:903.2㏄
●内径╳工程:66╳66㎜
●圧縮比:8.5
●最高出力:82HP/8500rpm
●最大トルク:7.5㎏-m/7000rpm
●燃料供給方式:キャブレター[VM28SC]
●変速機型式:5速リターン
●全長╳全幅╳全高:2200╳865╳1170㎜
●軸間距離:1490㎜
●シート高:813㎜
●乾燥重量:230㎏
●燃料タンク容量:18L
●タイヤサイズ(前):3.25H-19
●タイヤサイズ(後):4.00H-18