いやいや、今年は寒くなるのが早いですねぇ>< いろんな用品店とかバイクショップにハナシを聞くと、だいたい気温10℃が、お客さんの出足がドッと減るタイミングらしく、バイク乗りが肌で感じる「うわ、バイクで出るの、寒いな」って思う分岐点の目安なんだそうです。厳密に統計を取ったわけじゃないけれど、言われてみればな~んとなくわかる、10℃の境目、ですね。
先日はクシタニさんにお邪魔してきました。本誌テスター軍団も冬支度が進んでいて、今シーズン用のウィンタージャケットをご用意いただいたのです。ありがとうございます!
そこで取材してきた、新発売のチェストプロテクターがこちら「コロイドブレストパッド」です。これまでも、革ツナギ用のチェストプロテクターはラインアップしていたクシタニですが、満を持して、ストリートウエア用のプロテクターの発売開始ですね。
この「コロイドブレストパッド」、ヨーロッパの安全規格として知られる「CE規格」をクリアしたチェストプロテクターで、モナコにあるKOROYD社の衝撃吸収・緩和コアを使っています。これ、スキー板とか、マウンテンバイク用のヘルメットに使われている素材で、軽くて強い、ポリカーボネート製二重構造チューブ集合体。ちょうどストローをずらっと並べて、それを断面方向に3D形状に削り出しているようなかんじで、弾力性があって体にフィットしやすく、温度変化の影響を受けない衝撃吸収・緩和体です。
ウエアへの着脱はベルクロで。つまり、ベルクロさえあれば、クシタニ製ウエア、ジャケットでなくても装着可能、ということです。
チェストプロタクターは、今では街乗りライダーにもかなり浸透していて、用品店なんかでも、ジャケット選びのひとつの重要なポイントになっています。
「これ、チェストプロテクターつきますか」とか「チェストプロテクター入れる分、サイズに余裕もって」とか、ショップスタッフさんも言われるそうです。いいことですね! 編集部のライダー・テスター軍団(笑)も、もう自然と走りに出るときにはウエアにチェストプロテクターを仕込む、そんな習慣がつき始めていますから、少しずつでも街乗りライダーに浸透していくといいですね。
いつの日かヘルメットをかぶるみたいに、バイクに乗る時には当たり前のようにウエアにチェストプロテクターを仕込んで、それで何人かでも事故のダメージを減らせたら、すばらしいことです。
そうそう、CE規格の読み方を説明しときます。
CE規格っていうのはヨーロッパの安全規格のことで、たとえばヘルメットにJISやSNELLって安全規格が定められているように、プロテクターに定められているヨーロッパ規格です。日本でも、JMCA(=全国二輪車用品連合会)が2016年8月から「胸部プロテクター推奨制度」を開始していて、CE規格をクリアした胸部プロテクターに「推奨品」と明記して販売する運動を始めています。
上写真のCEロゴの下にある「prEN1621」とは、バイク用プロテクターの種別記号で、
1621-1は肩・ヒジ用、1621-2は脊髄・背中用のバックプロテクター、そして1621-3が胸部プロテクターですね。「EN14021」っていう、オフロード用のプロテクターもあります。
バイクに乗ってるピクト図下の記号「C TYPE B」はCが種類、Bが大きさのこと。カテゴリの違いで、ワンピースタイプ、セパレートタイプ、そしてガード範囲の大きさの種別ですね。アールエスタイチ製の「テクセル セパレートチェストプロテクター」(写真下)は、この種別のところが「DC TYPE B」になってますから、「C」が一体型、「DC」になるとセパレートタイプ、ってことです。
その下の数字「2」「T+」「T-」は、まず「2」が規格グレードです。「1/2」の2種類があって、衝撃吸収や緩和、衝撃分散や伝導力の度合いでレベル1/レベル2に分かれます。「2」の方が高い、となっていますね。「T+」と「T-」は温度変化、温度影響の受けやすさで、+は温度が上がっても、-は温度が下がっても性能低下が認められない、というものです。ちなみにクシタニの「コロイドブレストパッド」はマイナス10℃~40℃まで性能低下がない、という意味です。
覚えとかなくても大丈夫ですが、覚えておくとちょっとイイ話。この冬のライディングウエア選びに、ひとつお役に立てますように^^