いよいよ日本GPが始まりました。きょう13日金曜日からは公式スケジュールもスタートし、フリー走行も始まります。残念ながら雨ですが、決勝レースはきっと止みます! 止むでしょう! 止んでほしいなぁ……。
RacingAUTOBYのフェイスブックでもお伝えした通り、きのう木曜はレース準備やイベント、取材に充てられることが多いレースウィーク。そこで、ホンダさん、LCRのご協力をいただいて、カル・クラッチローのインタビューが獲れました^^
クラッチローはご存じのように、2018年からMotoGPクラスに昇格する中上貴晶のチームメイトとなる選手です。それで注目も高まっているんですが、去年もお話聞いたんですが、クラッチローはとにかくオモロいライダーです(笑)。ともすればちょっとマジメすぎる、優等生ぞろいのライダーたちの中にあって、言いたいことはズバッと言うし、ジョークも交えるし、しかもそれ、みんな真顔で言うんですよね。
今年も、お会いする早々「なんだ日本人の取材が多いな。タカに頼まれて弱点でも探ろうってのか?」って笑ってます。真顔で言うと顔が怖ぇんだよ、カル(笑)。スタートからイッパツかましてくるタイプなんだね、きっと。
クラッチローは今シーズン、開幕2戦目のアルゼンチンで3位表彰台に上がるんですが、その後はよかったり悪かったり、の繰り返し。中盤以降はTOP6圏外、なんてレースも少なくありません。
――今年はアルゼンチン3位、アメリカズ4位と調子よさげに見えたのに、その後はよかったり悪かったり。なにに苦しんでるの?
「うーん、人生だな」
これも真顔で言うんだもん(笑)。は?って顔したら笑いだすみたいな、ね。ちなみにクラッチローのインタビュー訳、ちょっと言葉が荒いけど、ホントにこんな感じなので、ご了承ください。
「いい時もあるし、悪い時もある。これが人生だろ?」
――いや、それはわかったから、特にバイクのこととか教えて。
「あ、そっちね、わかった。今年は新型エンジンの合わせ込みに苦しんでるのは事実だな。ホンダに乗っているライダー、みんなそうだろ。マルク以外な(笑)。マシンはペドロサとマルケスと同じスペックに乗ってるし、新しいパーツもどんどん提案してくれるし、ホンダは本当によくやってくれている。感謝してるよ。レプソルのふたりとの違いはわずかで、差をつけられているって感じはないよ」
――去年はワンメイクECUソフトに苦しんでる、って言ってたでしょう? 今年は?
「ソフトはすごく良くなったよ。ただ、エンジンが変わったらまたゼロからのスタートだから、オフテストから開幕までの2ヶ月間はバタバタしたね。それも、ホンダのエンジニア、チームのエレクトロニクスが本当に頑張ってくれた」
――タイヤはどーお?
「うーん、オレにはちょっとソフトだな。マルクもそう言ってた。ただ、タイヤもミシュランが持ってきてくれるタイプがいろいろ変わるから、合うレースがあったり、合わなかったりなんだ。だから人生だって言ったろ? あとはおれがミスすることが多いから、それで最近は成績が残ってないと思うんだ」
--もてぎは得意だよね?
「誰がそんなこと言った(笑)。日本はさ、ファンのみんなが気持ちよくて、応援してくれて、すごい好きな国。でもこのトラックは好きだとは言ってないぜ(笑)。忙しいんだよ、ハードブレーキングも多いしさ」
――ドゥカティ時代より体力的にキツくはないでしょ?
「おぉ、聞いてくるねぇ。(注:この質問は八代さんがしてました・笑) 確かにドゥカティの時は苦労したよ。でも、あの頃はマシンもまだ仕上がってない時期だったからね。でもドゥカティの頃は、そんなに体力使わなかったぜ。Easy to rideだった。でも、上手くいかないんだよ。乗りやすいけど、言うこと聞いてくれない、そんな感じ。ホンダの方がよっぽど体力使うぞ。それに応えてくれるマシンだからね」
――さて。
「ん?」
――来年の話してもいい?
「来たな?(笑) いいだろ」
――タカアキをどう思いますか?
「うん、おれはタカアキのことをそんなによく知ってるわけじゃないけど、外から見ていたり、少しだけ話したりしただけだが、いいヤツだな。年齢のわりに大人びてる。礼儀もしっかりしてるし、あれはタディ(岡田忠之)の教育がいいんだろうな」
――アラゴンのレース後に話したでしょ?
「なんでオマエそれ知ってるんだ?」
――タカに聞いたもん。
「おしゃべりめ(笑)。あれはな、シークレットな話をしてたんだ。オマエらメディアにしゃべると、へんに伝わっちゃうから話さねぇ」
と、ここでLCRのルーチョ・チェッキネロさんが登場。「内緒の話なんかしてねぇだろ、カル。話してやれよ」と助け舟を出してくれました。チェッキネロさんは、ご存じのように元ライダーで、ノビー上田さんとかとチョー仲良し。一時、ノビーとルーチョでチーム共同経営とかしてなかったっけな。
「わかったわかった。タカとはその時、深い話なんかしてないよ(笑)。挨拶して、近況を聞いて、残りのmoto2のレースもがんばんだぞ、って。それと日本人ライダーの話をしたんだ」
――日本人ライダーの?
「うん。オレはタカより若い日本人ライダーが出てき始めているから、それがいいな、と思ってるんだ。それはタカの頑張りのおかげだし、ホンダがちゃんと若いライダーのことをプッシュしてくれてるからな。ルーキーズカップとかCEV(スペイン選手権)、アジアタレントカップなんかで若い日本人ライダーがたくさん出てきてるだろ。それは素晴らしいことだよ」
ここでルーチョさん、再登場。
「我々の時代は、速い日本人ライダーがたくさんいて、私も彼らを倒すのが本当に大変だった。ノビーもいたし、サカタ、アオキ、マナコ、アズマ、ウイ、トクドメな。ハラダもナカノもカトウもタディもいた。またそんな時代に戻るかもしれないね。そうしたらもっとグランプリも盛り上がるね」
そして、クラッチローが最後にひとこと。
「とにかく、タカに会うことがあったら、オレのこと抜くなよ、って言っとけよ」
最後までおもしれぇ(笑)。カルもがんばれよ^^
日本グランプリ、決勝レースまであと2日!
インタビュー写真/後藤 純 photos/Jun GOTO