さぁ、いよいよ今週末はMotoGP日本グランプリ! 世界最高峰の2輪ロードレースが見られる、年に一度のチャンス。先週、鈴鹿サーキットではF1グランプリが開催されて、今週末はツインリンクもてぎでMotoGP。なんとゼイタクなモータースポーツ環境!
10月10日には、ホンダ・ウェルカムプラザでレプソルホンダチームのダニ・ペドロサ&マルク・マルケスが出席しての「日本グランプリ ファンミーティング」が行なわれました。平日だっていうのに、会場は抽選で席をゲットしたファンのみなさんで満員。ホントならね、あと1日早ければ休日で青山まで行けたのに……って声もあったんですが、しょうがないよね、ライダーふたりは今朝、日本について、そのまま会場まで来てくれたんです。

この日本GPを含め、残りはマレーシア→オーストラリアとアジアンパシフィック3連戦をやって、最終戦がバレンシアと、まさに終盤戦。MotoGPクラスは、ここまで近年まれに見るポイント接近戦で、ここまでのランキングは以下の通り。残り4戦ですから、全戦優勝して25ポイント×4戦で100ポイント。つまり、チャンピオン獲得の可能性があるのは以下の5人ということになります。

①マルク・マルケス      ホンダ   224P
②アンドレア・ドビツィオーゾ ドゥカティ 208P
③マーベリック・ビニャーレス ヤマハ   196P
④ダニ・ペドロサ       ホンダ   170P
⑤バレンティーノ・ロッシ   ヤマハ   168P

画像1: <日本GP> さぁ始まるぞ! 
~レプソルHONDA 必勝宣言!~

なかでも、マルケス、ドビツィオーゾ、ビニャーレスが少し抜けていて、事実上、この3人がチャンピオン候補となるでしょう。もちろん、マルケスがその筆頭というわけです。
「今シーズンは、ニューエンジンってこともあって、序盤になかなか思うようにマシンが仕上がってくれなかったね。でもカタルニアくらいから調子は上がってきて、夏休みをはさんだチェコあたりからは絶好調だよ」とマルケス。
開幕戦・カタールGPでは表彰台にも乗れず、続くアルゼンチンは転倒リタイヤ。うわぁ、今年はどうなるんだ……と思ったけれど、それからはアメリカズ、ドイツ、チェコ、ミザノ、アラゴンで優勝。特に、マルケスが言うチェコ以降の5レースでは、優勝3回、2位1回、マシントラブルでリタイヤが1回と、ほぼパーフェクトな内容です。
「もてぎは、去年のレースで勝ってチャンピオンを決めた思い出があるよね。もちろん、悪い思い出もあるけど、1年ぶりに帰ってこられてうれしいよ。もてぎでは、ダウンヒルストレートからの90度コーナーで注目してて! あそこ楽しいし、得意だし、大好きなんだ」
本当にマルケスって、レースをエンジョイしているというか、レースのことを話すのが楽しくてしょうがない、ってライダーですよね。それでも、僕のある質問で、キリッと表情を引き締めたのが印象的でした。
――もてぎではだれをマークするの?
「それは、当日にならないとわからないよ。もてぎはダニも強いし、ヤマハは速い、ドゥカティは得意としているコースだろう? あとは今週末に天候が悪くなるかもしれないから、思わぬ敵が出てくることだってある。それでも、要注意なのはドビツィオーゾだろうなぁ」
もてぎが得意で、しかもチャンピオンを争っている相手ってことで、やはり要注意はドビツィオーゾ、ビニャーレスでしょう。ただし今シーズンは、ウェット路面や気温が低いレースでは、ドゥカティが速く、ヤマハは低迷気味。けれど、ヤマハもロッシが負傷してチャンピオン争いから脱落したとはいえ、ビニャーレスがマルケスから28ポイント差につけていますからね。ここはまだ、逆転の可能性もあるってものです。
残り4戦なんて終盤になると、勝ちに行くか、2位3位でいいのか、って判断を瞬間瞬間で迫られるものですから、マルケスがどこまで切り替えられるか、ってところが勝負のカギになるでしょうね。悪いとき、どうまとめるか、いいときにどこまでスパートするか。ここ、マルケスがもっとも苦手としていたところだったんですが(笑)、同時にこの2年、マルケスがいちばん成長したのがこのポイントです。

画像2: <日本GP> さぁ始まるぞ! 
~レプソルHONDA 必勝宣言!~

そしてペドロサに関しては、まだチャンピオン争い圏内にあるとはいえ、守りに入る要素はなし。ここまでもてぎで5勝(125/250含む)しているってデータからもわかるように、優勝候補のひとりであります。
「僕には日本は第2の故郷だから、また帰ってこられてうれしいよ。週末は雨が心配だけれど、日本のファンのみんなが見てくれているし、ホンダのエンジニアのためにも精一杯がんばる。見てほしいところは、マルクも言ったけれど、ダウンヒルストレートから90度コーナー、それにトンネルから最終コーナーも大好きだね。あのトンネルで一瞬暗くなって、明るい最終コーナーとグランドスタンドに向かうポイントが気持ちいいんだ」とペドロサ。
ペドロサは今シーズン、ヨーロッパランドの初戦・ヘレスで初優勝。MotoGPクラスのデビューイヤーから12年連続優勝というドエラい記録を作っていますが、その中でも近年のなかでは初優勝が早いタイミングでしたね。で、僕の質問がこれ。ちょっと失礼だけど、しょうがない、オシゴトです(笑)。
――今年は初優勝が早かったけど、そのあとは行ったり来たりじゃない? なにに苦しんでるの?
「うーん、言いにくいけど……優勝争いしたり、表彰台まであと一歩だったり、ってレースだよね。いまレースに優勝するには、ライバルより多くのスペシャルフィーリングが必要なんだ。そうでなきゃ優勝できない。今シーズンは2~3回、タイヤ温度の問題があって、アッセン、ムジェロ、ミサノでポイントをロスしたよね。それはタイヤというか、いつでも起こることなんだよね。今年のタイヤに関しては、僕は苦労している側のひとりではあるよね」
――それはダニさんが軽いから?
「うーん、それは大事だね。今のライダーは僕より大きいし、重いライダーが多いよ。僕の体重が軽いのはディスアドバンテージのひとつになることはあると思う。けれど、重いライダーは逆の不利もあって、荷重が乗りすぎてタイヤがヒートしたりさ、でもそこを安全側に振っていくと、僕みたいに軽いライダーに不利になることはある」
とはいえ、ペドロサはこのもてぎを得意としていて、昨年のレースで転倒→負傷欠場した挽回をしようとしています。ツボにハマった時のダニは速いからねぇ。マルケスvsドビツィオーゾに気を取られていると、後半にペドロサが……なんてシーンが見られるかもしれませんね!

画像3: <日本GP> さぁ始まるぞ! 
~レプソルHONDA 必勝宣言!~

日本グランプリ決勝まで、あと5日!
写真/井上 演

画像4: <日本GP> さぁ始まるぞ! 
~レプソルHONDA 必勝宣言!~

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