大阪に寄って神社巡拝家・佐々木さんのライブに行こうと思っていた朝、編集局長から突如の指令により、新橋の編集部へ出社することに……。徳島から出社、エクストリーム出社ですね。
知らない道で大活躍優しいBモードに感謝!
本来面白みとも捉えられる鋭く神経質に尖った出力の演出は、1日の大半を走行に費やす場合には雑味に感じてしまうことがあります。高速道路移動が大半だった今回の旅も、正しくスロットル操作にある意味ダルなレスポンスをみせ、ゆったりマイルドな特性でストレスを感じることはありませんでした。なにが素敵って、この特性を任意で変更できるという点。D-MODEと呼ばれる走行モード切り替えシステムによって、出力特性(コントロール性でもあるのかな?)を3パターンで選択可能に。
●STDモード/標準モードとして、角が取れた穏やかなレスポンスで、旅の大半で設定していました。当たり前といえば当たり前ですが、欲するチカラを捻出するまでモタつくこともなく、パフォーマンスを発揮するには十二分。いや、ま〜、なんといってもSTDモードですからね……。
●Aモード/標準モードよりシャープでダイレクトなレスポンスを楽しめるモード。かなりスロットル操作に忠実に反応し、チカラの湧き上がりもSTDモードにくらべて上乗せされている感じで、指宿スカイラインのワインディングで設定。繊細さが求められるバンク中に、スロットルワークに濁りなく呼応するチカラが印象的。どこでもかしこでもイケイケ君は、Aモード固定のことでしょう。
●Bモード/STDモードより穏やかで扱いやすい出力特性とのこと。Aモードが尖った牙なら、Bモードは丸っこい碁石のような感じ。例え解り辛いですか? すみません……。何気に、雨天時や渋滞時には必ず使用していた程に超絶マイルドで、多少ラフなスロットルワークをしたところで意に介さずといった雰囲気のレスポンスがありがたかったです。夜間で雨が降ってて知らない道を走る、ってなったら迷わずBモードだな! これは来世においても、パーマネントルールとして肝に命じておくよーに! と、なぜか命令口調、失礼いたしました。
もうひとつの搭載ハイテクメカとして、TCS(トラクション・コントロール・システム)を採用。状況に応じたタイヤのグリップを把握し、パワーマネージメントを最適化するというもの。従来の「ON」「OFF」の2パターンから、「1(弱)」「2(強)」「OFF」の3パターンから選択可能に。TCSを効かせていれば、タイヤが空転することも(唐突にスロットル全開にしてみる体感できます)、フロントが浮いてしまうこともなく、常に前向き(意識的に)でいられる安心感があります。通常走行では体感し辛いとは思いますが、確実に動力を地面に伝達させる執念が備わっております。
今回お借りした試乗車には、ワイズギアにて販売されいているパニアケースが装備されており、荷物のラッシングの右往左往ナッシングで、宿泊地からの出立がスムージ〜でした。サイドのデザインもフラットフォルムで、張り出しが抑えられたスマートな仕上がり。
5日目の行程:徳島県徳島から東京都新橋の会社へ:666.8km(高速道路オンリー)
YAMAHA
MT-09 TRACER
MT- 09のフレームやエンジンといった基本的なコンポーネンツをベースにしたアドベンチャーツアラー。トラクションコントロールを標準装備、優れた防風性能を備えたアッパーカウルやナックルガードで快適性を確保し、燃料タンクもプラス4ℓ大容量化。好みに合わせて高さを調整できるハンドルとシート、機能的な液晶メーター、LEDヘッドライトなど装備も充実。2017年モデルではアシスト&スリッパークラッチが新採用され、カラーバリエーションは全3色となっている。
Color Variation:
ディープパープリッシュブルーメタリックC、マットダークグレーメタリック6、ダークグレーメタリックG
●全長×全幅×全高:2160×950×1345㎜
●ホイールベース:1440㎜
●シート高:845/860㎜
●車両重量:210㎏
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
●総排気量:845㏄
●ボア×ストローク:78.0×59.0㎜
●圧縮比:11.5:1
●最高出力:116PS/10000rpm
●最大トルク:8.9㎏-m/8500rpm
●燃料供給方式:フューエルインジェクション
●燃料タンク容量:18L
●キャスター角/トレール量:24.0°/100㎜
●変速機形式:6速リターン
●ブレーキ形式 前・後:ダブルディスク・ディスク
●タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
価格=106万9200円