この週末は、九州オートポリスで全日本ロードレース第7戦・オートポリス2&4レースが行なわれました。今シーズン、JSB1000クラスだけが開催される2&4レースは、開幕戦の鈴鹿、8月のもてぎに続いて3回目。8月のもてぎは、ツインリンクもてぎの開業20周年大会ということで、2&4の「2」側はトップカテゴリーを開催した、って事情もあるんですが、ちょっと多いですね。2&4が多いんじゃなくて、JSB「だけ」が開催されるレースが3つもあるのは、他のクラスのレース数がちょっと足りなくなっちゃう。ちなみにJSB以外のクラスは、6月25日のオートポリス大会から10月1日の岡山国際大会まで開催が空白なんです。うーむ、なにか対策しないと……。
そのオートポリス大会、8月20日のもてぎ大会に続いての2&4で、ほぼ2連戦。金曜の合同走行は、前夜に降った雨の影響でウェット路面スタートだったものの、天候は晴れ。この日のフリー走行では、ここオートポリスをホームコースとするカワサキの渡辺一馬がトップタイムをマーク。翌土曜の公式予選では、ノックアウト予選の結果、8月のもてぎで優勝したヤマハの野左根航汰がポールポジションを獲得。渡辺、中須賀克行(ヤマハ)、高橋巧(ホンダ)、津田拓也(スズキ)、藤田拓哉(ヤマルーブRT)が2列目までを占めました。

画像: 高橋-中須賀-野左根、少し置いて渡辺 このオーダーがしばらく続きます

高橋-中須賀-野左根、少し置いて渡辺 このオーダーがしばらく続きます

好天に恵まれた決勝レースでは、スタートから長いメインストレートでNinja ZX-10RRがロケットダッシュを見せて渡辺がホールショットを奪いますが、すぐに高橋がトップに浮上。2周目の1コーナーで中須賀が2番手に浮上し、3周目には3番手に野左根、そして渡辺は4番手でレース序盤を消化します。
しかし渡辺は前の3人についていけず、少しずつ間隔が開きながら、トップ争いは高橋―中須賀―野左根の3台に絞られていきます。レース中盤には津田が4番手に浮上し、渡辺はもうひとつポジションダウン。ZX-10RR+渡辺、1周のスピードはすでに日本トップクラスですが、これをキープする力、ロングランでは、ややペースが落ちてしまう傾向がありますね。その意味では津田も序盤のペースがよくない。トップ3台との間隔をなかなか縮めることができず、周回を消化していきます。

画像: ランキングトップも、まだ未勝利 マシンが出来上がってくるシーズン終盤、なんとか勝ちたい津田

ランキングトップも、まだ未勝利 マシンが出来上がってくるシーズン終盤、なんとか勝ちたい津田

レース展開はトップ3台(高橋―中須賀―野左根)と、4番手争いに2台(津田-渡辺)というフォーメーション。この陣形が崩れたのが、レース終盤。終始3番手につけていた野左根が、2番手中須賀に何度もアタックするなか、ラスト5周の1コーナーで痛恨のオーバーラン! メインストレートで中須賀のスリップについて、ドラフトが効きすぎて止まれなかった、そんな感じでした。

画像: オートポリス2連勝の中須賀は九州人 しかもこのサーキットが大好き!

オートポリス2連勝の中須賀は九州人 しかもこのサーキットが大好き! 

レースはラスト4周に、ついに中須賀が高橋を捉えてトップ交代! そのまま中須賀は高橋を引き離し、6月の大会に続き、オートポリス2連勝! 2位に高橋、3位には野左根の脱落で津田が繰り上がり、ポイントランキングは依然として津田がトップですね。
■第7戦 オートポリス大会結果
①中須賀克行 ヤマハファクトリー
②高橋 巧  ハルクプロホンダ
③津田拓也  ヨシムラスズキ
④渡辺一馬  カワサキチームグリーン
⑤藤田拓哉  ヤマルーブレーシング
⑥山口辰也  TOHOレーシング
⑦野左根航汰 ヤマハファクトリー
⑧濱原颯道  ヨシムラスズキ
⑨柳川 明  カワサキチームグリーン
⑩高橋裕紀  モリワキホンダ
■ポイントランキング (7戦終了時)
①津田拓也  137P ②高橋 巧  134P
③渡辺一馬  128P ④藤田拓哉  107P
⑤濱原颯道   98P ⑥野左根航汰  96P
⑦山口辰也   74P ⑧近藤湧也   74P
⑨中冨伸一   85P ⑩松崎克哉   64P
シーズン序盤、3戦連続転倒という信じられない結果を残した中須賀がトップ争いに加わってくることで、結果的に津田×高橋のランキングトップ争いで、津田にアシストしている形になってますね。中須賀はこれでオートポリスで2連勝、他のレースは、なんと再スタートしてフィニッシュしたレースを含め、すべて転倒しています。つまり、勝つか転ぶか、という往年のケビン・シュワンツのよう(笑)。いや笑ってる場合じゃありません、当事者は大変なんでしょうからね。
ランキング上位のライダーでは、津田と渡辺、藤田、濱原が全戦ポイント獲得しています。高橋は6月のオートポリス大会をマシントラブルで落としたのが痛いですね。ここへ来て高橋は、故 ニッキー・ヘイデンの代役としてWSBK2戦に参戦することが決まっていますから、世界レベルを知って、もうひとつ大きくなって帰ってくるか――。

画像: もはや風格すら漂うV5チャンピオン中須賀。10月の日本グランプリにもワイルドカード参戦します!

もはや風格すら漂うV5チャンピオン中須賀。10月の日本グランプリにもワイルドカード参戦します!

残り、全日本ロードレースは岡山大会-鈴鹿大会の2戦。JSBクラスは鈴鹿が2レース制ですから、残り3レース。ホンダ、スズキ、カワサキがニューモデルを投入したシーズン、まだまだチャンピオンはわかりません!
そうそう、全日本ロードレースはコチラ(http://www.mfj-livech.com/jrr)で動画配信されていますからね~♪

写真/赤松 孝

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