かつて「AMAスーパーバイク」と呼ばれた現称「モト・アメリカ」、つまり全米スーパーバイク選手権で、New GSX-R1000が初メジャータイトルを獲得しました。ライダーはヨシムラスズキのトニ・エリアス。そう、かつてMotoGPやmoto2を走っていた、元moto2ワールドチャンピオン、あのエリアスです! もう34歳なんですねぇ。アメリカスーパーバイク41年の歴史の中で、スペイン人がチャンピオンになるのは初めてです。
 エリアスは、第9戦ニュージャージー大会まで、なんと1レースを除いて、優勝か2位しかしていない、まさに圧勝! ランキング2位はチームメイトのロジャー・ヘイデンで、言うまでもなくロジャーは、故ニッキー・ヘイデンの弟です。

画像: これはラグナ・セカですね 今シーズン、何度も見られたエリアス先行、ヘイデン追走、の図

これはラグナ・セカですね 今シーズン、何度も見られたエリアス先行、ヘイデン追走、の図

「初めてテストした日から、ニューGSX-Rがすごくよくなっていたのがわかった。ライディングがイージーで、ストレスがない、パワーアップしていてグリップもある、ものすごいバイクだよ。最初の2~3戦は苦しんだけど、そのあとはバイクはパーフェクトだった。電子制御もきちんとコントロールすることができて、パワーデリバリーもスゴくスムーズだった。去年のモデルはバイクも大きくて、すごくアグレッシブだったからね、今年のモデルはすべての領域で進化していたんだ。僕らは(ロジャーと)いつも1-2フィニッシュを決めて、ライバルチームを苦しめられた。スズキにとっては最高のシーズンだね。もう1回、こんなシーズンを送れと言われたら、他チームの反撃もスゴいから、難しいだろう」(エリアス)

画像: 最終戦を残してチャンピオンを決めたエリアス ヨシムラスズキGSX-R、ランキング1-2を獲得です!

最終戦を残してチャンピオンを決めたエリアス ヨシムラスズキGSX-R、ランキング1-2を獲得です!

 ちなみにエリアスは、2016年からモト・アメリカに参戦中。MotoGPには2005年から2009年まで参戦し、翌2010年には、モリワキフレームで、初代moto2チャンピオンになっています。MotoGPでの唯一の勝利は2006年のポルトガル。この時、0秒002差で2着に沈んだのがバレンティーノ・ロッシで、この時失った5ポイント差で、ロッシを下してチャンピオンに輝いたのが、今のエリアスのチームメイト、ロジャーの兄、ニッキー・ヘイデンなんです。うーむ、なんたる因縁。
「ロジャーと初めて会ったのはかなり昔だね。彼がニッキーに会いにMotoGP観戦に来た時だったと思う。僕がアメリカに来た当初は、ロジャーとそんなに親しくなかったけれど、今では欠かすことのできない最高のチームメイトだ。昨冬のテストから、ニューGSX-Rの開発データも共有しているしね。ニッキーが亡くなってからはキツい時間を過ごしたけれど、今ではロジャーは大切な友人だって、ハッキリ言えるよ」(エリアス)

画像: これはシーズン序盤にかぶっていたヘルメット 今はHJCかぶってるんですね

これはシーズン序盤にかぶっていたヘルメット 今はHJCかぶってるんですね

 実はアメリカ好きのエリアス。3~4歳の時から、部屋に大きな星条旗を飾っていたほどなんだそうで、モト・アメリカに来て、初めてレース前の国歌を聞いた時には感動したんだそう。
「今アメリカでレースしているのが夢のようだよ。アメリカのライフスタイルにはずっと憧れていたし、モト・アメリカの選手権のためになりたいし、まわりのみんなとハッピーでいたいんだ。ヨシムラスズキが僕を迎え入れてくれて、またレースができるだけじゃなく、人生のセカンドチャンスが始まったくらい重要なことだからね。僕は(海外からやって来た)敵じゃないんだよ(笑)、この選手権のメンバーでありたいし、この選手権を発展させたいと思っている。もし、他のMotoGPライダーがモト・アメリカに来るようになったら、もっとこの選手権はメジャーになるだろう。AMAスーパークロスが世界最高にハイレベルな選手権であるように、みんながモト・アメリカに来たがるようになる日が来ると思う」(エリアス)

画像: チャンピオンを決めて国旗ウィニングラン! って、なんで星条旗? スペイン国旗じゃないの?(笑

チャンピオンを決めて国旗ウィニングラン! って、なんで星条旗? スペイン国旗じゃないの?(笑

画像: おひさしぶりです、エリアス兄さん モト・アメリカチャンピオン、あめでとう!

おひさしぶりです、エリアス兄さん モト・アメリカチャンピオン、あめでとう!

画像: ヨシムラスズキは14回目のアメリカ・スーパーバイク制覇! スズキの初王者は79年のウェス・クーリーです

ヨシムラスズキは14回目のアメリカ・スーパーバイク制覇! スズキの初王者は79年のウェス・クーリーです 

 ヨシムラスズキGSX-R1000は、最終戦を残して9戦18レースで、エリアスが10勝、ヘイデンが2勝、1-2フィニッシュはなんと9回という最強っぷり! 全日本ロードレースのJSBクラスでも、2戦3レースを残してヨシムラスズキの津田拓也がランキングトップに立っています。果たしていくつのデビューシーズンタイトルを獲ることができるでしょうか!

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