人気に応えた初の市販モデル、大きなタンクと小さな車体のコミカルさ
海外からも注目されるようになったZ100の人気に応えて、初めて輸出向け市販モデルとして1963年に姿を現したCZ100。5インチホイールに前後リジッドサスという車体の基本構造はZ100から受け継ぐが、スポーツカブ用タンクとシートを流用し、これに合わせて細部を変更。大きなタンクと小さな車体のアンバランスさによって、よりコミカルな雰囲気もさらに強調。エンジンもやはりZ100と同じ、自動遠心クラッチ3速ミッションを備えたスーパーカブ系ベースの50ccエンジンだが、タンクの変更に合わせてキャブレターをダウンドラフトタイプに変更。4.3PSという最高出力は、実は歴代モンキーのノーマル状態では最高のパワーでもある(Rは除く)。イギリスをはじめとする欧州諸国、そして北米などに輸出された。

●エンジン型式:空冷4ストロークOHV単気筒
●最高出力:4.3PS/9500rpm
●フレーム型式:バックボーンスチールパイプ
●サスペンション(前後ともに):リジット
●タイヤサイズ(前後ともに):3.50-5

スポーツカブと燃料タンクを共用することでコストダウンを図った。側面にメッキパネルを装着した高級感のあるデザインは、当時のホンダ製スポーツモデルと共通のイメージ。

リアフレームまわりのデザインをZ100から変更し、ループの内側にあったリアアクスルとチェーンアジャスターが外側に移動。エンジンマウントまわりのフレームも改良された。