VツインネイキッドスポーツのSUZUKI SV650ABSで発進!
1台のオートバイをジックリ1週間、日本全国津々浦々様々な道を往き、それぞれのシチュエーションでの挙動を、表情を、フィーリングを可能なかぎりお伝えしたいという新コーナー発進です1 RIDE編集部の山口銀次郎が、取材やプライベートを絡め、ひと捻りふた捻りを担当いたします。今回のオートバイは、VツインネイキッドスポーツのSUZUKI SV650ABS。
私、物事を始める上で構える質ではないのですが、今回の企画を前にかなりイキんでおりました。というのも、今年の1月3日にモトクロスコースで背骨の3箇所を圧迫骨折し、左大腿骨付け根を粉砕して人工骨頭(鉄製)に交換する手術を受けました。異様な速さで回復したものの、絶好調とはほど遠い仕上がりとボリューム弱の体力とマインドである事は否めない弱々しい日々を送っております。ただ、ありがたいことに、バイクに乗車すること自体はなんの負荷も負担も抵抗もなく、ヘルシーにライドライフを送ることが出来るのです! ライド神に愛されてますね、私。
ちなみに、大腿骨の人工骨頭に負荷を掛けるジャンプやランニングは厳禁という、ヤングマンにとっては弾ける躍動を抑止しなくてはならない苦痛を強いられたりするのです。ま、人工骨頭交換の再手術必至前提でやりたい放題するというのもテですが、痛みに弱くヤングマンでもない私は、パルクールやマラソンランナーになる夢を捨て、ひっそり大人しく生きる道を選んだワケです。
そんな私が、超低空のファイティングポーズをとりつつ出来ることといえば、バイクに乗って感想を書くことぐらいかな、と。以前、オートバイの誌面とウェブにて展開されていた「オートバイと1週間生活」という企画に何度か寄稿させて頂いたこともあったので、取材等々仕事やプレイベート活動を絡めつつ、バイクと1週間過ごしてみようかな思った次第であります。無論、ジャンプや攻め込むようなエキサイティングな走りは出来ませんが、日常出喰わす様々なシチュエーションでのインプレッションをお届け出来たら幸いに思う今日この頃です。前説が異様に長くなってスミマセン。
さて、今回のお相手は、スズキのSV650ABSです。車体が薄くて、軽くて、取り回しがしやすいという前評判を耳にしておりましたが、果たして! と、もったいぶるつもりは毛頭ありません。車体を押し引きする段階で、すこぶるつきの軽快さにニンマリしてしまいます。これは、大型バイクに属するとは思えない500cc単気筒マシンばりの車重に、スポーツモデル寄りの車格と前後足まわりの設定(フロントネック角等々)の相乗効果といえるでしょう。また、アップライトなハンドルポジション設定は、押し引き時に前屈一切なしで、入力の自由度が広く取りまわしのしやすさが際立ちます。
早くも「スポーツモデルのDNAが活きるストリートモデル」といった、在り来たりのキャッチコピーが、ファーストコンタクトのイメージを染め抜きました。
なんだか、自己紹介が長くなってしまいましたが、1週間ありますので、気長にお付き合い下さいませ。
1日目の行程:東京都新橋→静岡県森町→岐阜県美濃太田:405Km走行(ほとんど高速道路)
主要諸元 SV 650 ABS
●全長×全幅×全高: 2140×760×1090 ㎜
●ホイールベース :1450 ㎜
●シート高 :785 ㎜
●車両重量 :196 kg
●エンジン形式: 水冷4ストDOHC 4バルブV型2気筒
●総排気量 :645 cc
●ボア×ストローク: 81×62 . 6 ㎜
●圧縮比 :11 . 2
●最高出力 :76 . 1 PS/ 8500 rpm
●最大トルク :6 . 5 kg-m/ 8100 rpm
●燃料供給方式 :FI
●燃料タンク容量 :13ℓ
●キャスター角/トレール 25 度/ 106 ㎜
●変速機形式 :6 速リターン ●ブレーキ形式 前・後: φ240㎜ダブルディスク・φ200㎜ディスク
●タイヤサイズ 前・後 :120 / 70 ZR 17・160 / 60 ZR 17
●カラーバリエーション:パールグレッシャーホワイト、パールミラレッド、マットブラックメタリックNo. 2
●価格:73万8,720円