画像: 霧に見舞われたオートポリス オランダがダッチウェザーなら、ここはヒゴウェザーですね…

霧に見舞われたオートポリス オランダがダッチウェザーなら、ここはヒゴウェザーですね…

2年ぶり開催のオートポリス大会

この週末は、MotoGPオランダ大会と世界耐久選手権スロバキア大会、そして全日本ロードレース選手権オートポリス大会が行なわれています。中の人は、残念ながらスケジュールの都合で現地に行けていないんですが、現地特派員から刻々と情報が入ってきます。
……雨です、梅雨入りしたあとのこの時期の九州は、ガッツリ雨です。ちなみに昨年のこの時期には、熊本に局地的な大雨が降り続いて、大震災に続く深刻な被害が出たのでした。
そう、オートポリスでの全日本ロードレースは、昨年4月に熊本~大分が大震災の被害に遭ったこともあって、2回の全日本選手権が中止となり、九州大会は2年ぶりの開催。オートポリスも、施設の改修や路面の補修という大工事を終えて、ようやくレースを開催できるまでに回復したのです。関係者の皆さん、御苦労お察しいたします。復興へのご尽力、ありがとうございます。

そして、雨です。金曜の合同走行は、ほぼドライコンディションで行なわれたものの、土曜は朝から雨、そしてオートポリス名物の霧。現地特派員からのメールは「朝から霧です。こないだの菅生にソックリです。まさに霧がSUGOいです」とありますw
そして、この土曜のタイムスケジュールは大幅に狂い、9時スタート予定のJP250予選は開始が遅れ、以後数珠つなぎに各クラスともディレイとなり、ST600、J-GP2クラスも、いったんは走行がスタートとしたものの、視界不良で赤旗中断、そして中止。レースって、よほどの豪雨でなければ開催はされますが、霧はアカン。視界不良は安全が確保できませんから、たとえ雨が降っていなくとも、霧があるなら走行はできません。

そして、MFJカップとしてきょう土曜に予選&決勝が開催される予定だったJP250クラスは中止になってしまいました。スゴいですよ、JP250は、開幕戦・筑波も、第2戦・菅生も、そして晴れたはずの第3戦・もてぎも、ちょうどJPに時間帯にゲリラ豪雨を食らって、3戦みんな雨です。菅生は公式予選だけが行なわれ、このオートポリスは予選も決勝もなし。うーむ、JP250のエントラントのみなさんの、持って行き場のない怒りと無念のエネルギーが心配ですね……。
そして12:50開始予定だったJSB1000クラスの公式予選は、14:30まで開始を遅らせてスタート。雨は降り続いていましたが、霧もようやく晴れつつ、ノックアウト式予選の予定は通常の計時予選に変更されましたが、なんとかライダーたちはコースイン。しかし、徐々に雨脚は強くなり、開始10分ほどでほぼ豪雨! なんとか走行セッションは続けられましたが、予選上位のライダーは、セッション早めの時間帯でタイム出しをしていました。

画像: JSBクラス初ポールの浦本。「どんどん雨が増えると思って、早めの時間帯にアタック、それが成功しました。とにかく走り込んで、明日の準備をしていましたね。どんなコンディションでも対応できるように」(浦本)

JSBクラス初ポールの浦本。「どんどん雨が増えると思って、早めの時間帯にアタック、それが成功しました。とにかく走り込んで、明日の準備をしていましたね。どんなコンディションでも対応できるように」(浦本)

この大混乱の予選でポールポジションを獲得したのは、JSBクラス初ポールとなった、NewGSX-R1000Rを駆る浦本修充(チームカガヤマ)。浦本は雨の菅生でもいい走りを見せていましたからね、ドライではなかなかパフォーマンスを引き出せないニューマシンも、ひとまずレインコンディションではやさしいマシンのようです。
予選2番手は、ここ九州大会のみにスポット参戦の荒瀬貴。荒瀬は42歳の福岡のライダーで、ノービス時代から、あの韋駄天・秋吉耕佑と仲の良かったゴールデンエイジャー。ちなみに今は、福岡でアラタカデザインというペイントショップを主宰しています。テクニカルガレージRUNが製作した、あの「鋼カタナ」のペイントを手掛けたのも、確か荒瀬さんじゃなかったっけ。
予選3位には、チームメイトに先行されてしまったものの、久しぶりの予選フロントローを獲得した加賀山就臣。さすが雨、しかもこんなヘビーウェットだと、海千山千のベテランは強いです。ちなみにチームカガヤマのふたりはダンロップタイヤ、荒瀬はピレリタイヤです。雨となると、ブリヂストン、ダンロップ、ピレリの強み弱みは接近するでしょうね。

画像: 左から荒瀬、浦本、加賀山。ブリヂストンタイヤユーザーがフロントローにいないのは一体いつ以来でしょう。

左から荒瀬、浦本、加賀山。ブリヂストンタイヤユーザーがフロントローにいないのは一体いつ以来でしょう。

ちなみに予選4番手は、ポイントリーダーの高橋巧(ハルクプロホンダ)。高橋は、雨の菅生で素晴らしい走りを見せつけましたから、この予選順位はタイム出しのタイミングによるものかもしれませんね。明日の決勝は、ウェットでも前に出てきそうです。5番手はBMW S1000RRを駆る酒井大作(モトラッド39)、6番手に濱原颯道(ヨシムラスズキ)がつけています。やはり雨だと予選上位の顔ぶれもガラリと変わりますね。こに3人はブリヂストンユーザーです。

結局、予選が行なわれて決勝レースへのスターティンググリッドが決まったのはJSB1000クラスのみ。明日は朝から、各クラスといも予選、決勝を消化しなければならないきつきつタイムスケジュールですが……明日の予報も雨なんですねぇ……。
ちなみにMotoGPオランダも、土曜は雨に見舞われました……。

写真/赤松 孝

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