車輪までも追加された八百の搭乗車

イギリスのオートバイメーカーであるノートン。1898年の創業当初は自転車メーカーだったが、1902年にはエンジンを搭載したオートバイの製造を手掛けるようになる。戦前からマン島TTなどのさまざまなレースで活躍し、第二次世界大戦中には軍用オートバイを大量に供給するなど、その技術は古くから高く評価されていた。戦後もノートン・マンクスに代表される、フェザーベッドフレームによる優れたハンドリングを備えたレーシングマシンや、そのイメージを引き継いだカフェレーサーが人気を集める。しかし経営は安定せず、1950年代から会社としての体制が二転三転することになる。

そんな中、起死回生を図るモデルとして開発されたのが1969年にデビューしたノートン・コマンド750だった。アトラス750用がベースのOHV2バルブヘッドを備える745cc空冷並列2気筒エンジンとミッション、スイングアームまでを一体構造とし、メインフレームとの結合に特殊なゴムを使用したラバーマウントを介するという、独特のアイソラスティックフレームを採用。大排気量の2気筒エンジンでは避けられない振動を大幅に低減、さらなるハンドリングの向上とパワーアップを可能とした。ワイルド7の作中で八百が乗っていたマシンがこのコマンド750。ファストバックと呼ばれたスタンダードモデルの他、プロダクションレーサー版も含め多彩なバリエーションが存在したが、アップマフラーを装着していることから見てスクランブルスタイルのコマンド750Sがベースとなっていると思われる。

画像: (C)望月三起也

(C)望月三起也

画像: NORTON COMMAND0 750S

NORTON COMMAND0 750S

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●「殉職のワイルド」
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