WSSP第3戦スペイン・アラゴン大会が終わりました。
勝ったのはルーカス・マヒアス(ヤマハ)。同じYZF-R6を駆るシェルダン・モライスを最終ラップでかわしての初優勝。これで、ヤマハNewYZF-R6/ヤマハファクトリーチームは、前戦タイ大会から2連勝ですね。17年モデルが16年モデルをかわしての優勝、というのもタイ大会と同じでした。
金曜のFP1/FP2総合で3番手タイム、スーパーポールで8番手タイムをマークした、日本期待の大久保光は、スタートから出遅れ、11位に終わってしまいました。
土曜の転倒によるケガはなかった、という大久保ですが、開幕戦の転倒の鎖骨骨折も十分に回復していない今、コンディションは決して良くはなかったでしょう。スタートから集団に飲み込まれ、3周目あたりには14番手あたりまでポジションダウン。このとき、このあたりの位置に、19番手スタートの渡辺一樹がつけ、大久保と渡辺はレース終盤まで同じ集団でレースをすることになります。
レースは徐々に5~6台がトップグループを形成。レース中盤からはモライスとマヒアスがトップ争い、その後方に3番手のパトリック・ジェイコブセン(MVアグスタ)がつける展開の中、ヤマハYZF-R6の2台がトップ争いとなり、最終ラップにモライスをかわしたマヒアスが初優勝! これでマヒアスがランキングトップ(45P)に立ち、2番手に開幕戦ウィナーのロベルト・ロルフォ(40P/MVアグスタ)、3番手にモライス(34P)。
ただ、このランキングトップ3は、いずれも毎レースコンスタントに上位に入っているとは言い難いですね。マヒアスはタイでノーポイントだし、ロルフォもタイで11位、モライスは開幕戦11位ですからね。これ、WSSPの今シーズンは乱戦ですね。これは現在ランキング12位の大久保にもチャンスがあります!
ちなみに、このレースから復帰したWSSPの絶対王者ケナン・ソフォーグル(カワサキ)は、レース中盤の8周目、目の前で転んだフェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)をよけきれずに乗り上げちゃって転倒。トップグループ、しかもいい位置にいただけに残念! ただし、序盤3レースでランキング上位陣のポイントが伸びていないことも考えると、序盤2戦を欠場、3戦目をノーポイント、というソフォーグルにも十分チャンスはあると思います。
國川は23位。これも、予選を30番手台からスタートしたことを考えると、まずまず。完走したことは、ひとつステップを踏めたのではないでしょうか。國川は、かつてmoto2クラスで数戦、代役参戦の経験はありますが、WSSPはこれが2度目のレース。しかも1度目は決勝レースの1周目、1コーナーで後ろから追突されて終わっていますから。事実上これがWSSPデビューみたいなものです。ここから這い上がっていくこと、期待してます!
「ヒカリはきのうのスーパーポールで転んで、その前と同じフィーリングでは走れなかったようだ。今日は風が強くて、それもヒカリが順位を上げられなかった要因。でも、よく最後まで頑張った。ヒロミチはここでテストもしていないのに、フリー、予選といい準備をしたと思う。いい経験になったはずだ、ここからスタートなんだからね」と、チームマネージャーのサイモン・バックマスターさん。古くからのファンにはおなじみ、かつて80年代にGP500を走っていたバックマスターさんが、CIAランドロードインシュランスの監督さんなんですね。
次戦第4戦オランダは、約1か月空いて4月30日が決勝レース。この間を利用して、大久保は再来週のル・マン24時間耐久にスポット参戦します! うーん、ケガすんなよー!