常用回転域での力強さを大幅アップ!
昨年の10月号で、手軽に装着できてルックス、サウンドのクオリティ向上を楽しめるGSXーS1000用スリップオンマフラーを紹介したが、今回はワイバンブランドを代表するフルエキゾーストシステム装着車に試乗した。
GSXーS1000はノーマル状態でショートタイプのシングルサイレンサーを装備しているためエキゾースト全体の重量は比較的軽いが、この製品はエキパイからサブサイレンサー、ショートメガホンタイプのメインサイレンサーに至るまですべてがチタン製で、ノーマルの10㎏に対して4・8㎏と超軽量。テールカウルの跳ね上げラインを合わせたデザインと独特の焼け色で、ノーマルとはまるで違った精悍さを漂わせている。加えて直列4気筒らしい澄んだ音質が耳に心地いい。
だが、この製品の真価は街乗りで実感できるパワー特性にある。GSXーSのエンジンはGSXーR系がベースで、基本的には高回転高出力型の特性。ミッションも1速が比較的ハイギアードな設定でゼロ発進では半クラッチ操作に気を遣うが、試乗車はアイドリング近辺から4000回転程度までのトルクが明らかに太く、雑な操作でもスッと動き出して力強く加速する。ベンチテストでは3000回転付近でノーマルより約12馬力アップというデータが出ているそうだが、確かに街乗りではノーマルよりも1速高いギアがちょうどいいし、6速・40㎞/hからでもスムーズにスピードが乗っていくから、ツーリングユースでもストレスなし。さらに7000〜9000回転あたりのパワーも増しているから、スポーツライディングでもメリハリの効いた走りが可能。アールズギアの技術力がよりダイレクトに反映された逸品だ。