ワークスマシンに匹敵するスペシャルチューンで登場‼
このZXー10RRは上級バージョンであることに間違いはない。マルケジーニ製のアルミ鍛造ホイールを履き、タイヤにはヨーロッパのレースでも定番になっているピレリのディアブロ・スーパーコルサSPだ。シングルシート化で1㎏軽量化され、前後のバランスフリータイプのサスペンションは専用セッティングとされている。また、アップだけでなくシフトダウンにも対応できるクイックシフターも装備されている。
これらによって、カワサキがテストで使うオートポリスでは、ラップタイムが1~2秒縮まっているという。でも、このZXー10RRは、それだけに留まらず、SBKやJSBをも視野に入れた専用設計が施されていたのだ。シリンダーヘッドは、キットパーツとして用意される、ハイリフトカムシャフトを装着するためのクリアランスを確保した専用品だ。そして、チューニングアップ時の耐久性向上とフリクションロス低減のため、タペットにはDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングが施されている。さらに、クランクケースを強化品として、高出力化にも対応させている。
レースの現場でこうした変更を施せば、レギューションに抵触するケースも出るため、あらかじめ市販状態で織り込んでいる。しかし、このZXー10RRはホモロゲマシンながら、一般ライダーも魅了する。パルサーカバー、イグニッションキーにはRRロゴが入り、商品性が高められており、スーパースポーツファンも触手を伸ばしたくなるスペシャルモデルである。
(和歌山 利宏)
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