最先端技術を惜しみなく投入し202PSの“究極R”降臨!
新しいGSX-R1000/Rは202PSという最高出力が示すように、まさに最強。車重も200㎏に抑えられ、パワーウェイトレシオでも最強を誇っている。
スズキは2015年にMoto GPに復帰した際、エンジンを以前のV型でなく並列4気筒としたのは、市販車との関連性を高めるためとしていた。だから、GSX-RにモトGPマシン・GSX-RRの技術が投入されていると考えて自然である。実際、この新型にはRRの特徴が随所に見受けられる。
新型はシリンダー前傾角を6度起こすなどでエンジン長を短縮。ピボットから前輪アクスルの間を20㎜詰めて、ホイールベースを同等のままロングスイングアーム化を推進。スリム化も進行させており、エンジンをビッグボア化しながら、幅を6.6㎜小さくしている。
エンジンの回転上限は14500rpmで、202PSという怒涛の性能を発揮するが、可変バルブタイミングシステムと吸排気系デバイスにより、驚くべきワイドレンジぶりも備えているに違いない。基本的な乗り味はGSX-Rらしいもので、パワーデリバリーに優れ扱いやすい。走りはしなやかで、車体や路面からの情報が豊かで、優しく、ライダーにストレスも与えない。新型には、前後のバランスフリーサス、ローンチコントロールやオートシフターを装備した上級型の「R」が設定される。リーズナブルな標準型で門戸を開き、上級型でサーキット走行やストック仕様のレースを楽しみたい人にも応える。


正面から見るとフロントエンドの絞り込みがよく見て取れる。ラムエアインテークは従来通りヘッドライトの左右だが、吸入効率のよさそうなインテーク形状だ。

テールカウルの絞り込みが一層際立って見えるアングル。LEDテールランプは弟分のGSX-R125や250に使われているものとよく似ており、トータルイメージの確立がなされている。
(和歌山 利宏)

30余年に及ぶGSX-Rの歴史は、積み上げてきた基本から徹底的に可能性を搾り出し、次の段階へ発展させることの繰り返しであった。油冷エンジンを水冷化、フレームをダブルクレードからツインスパーとし、エンジンを09年型でコンパクトな3軸3角形配置式に発展させたのも、その一環だ。新型もその延長線上にあり、従来型をベースにしながら大きく進化させている。
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